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あまりにもおかしい
[日本の政治]
2020年4月24日 23時53分の記事

10万円の給付金は、国民に自粛を協力させるためのお金という表現がよくなされているのですが、これは明らかに民主主義・主権在民を否定する言い方です。日本は国民が主権者で、政府行政は主権者の公僕です。首相の安倍氏とて公僕なのです。その政府が主権者に協力を要請するというのはそもそもおかしいのです。この言い方方は民主主義を根本から否定し、政府と国民を分離する考え方であるのは明らかです。国民を主軸に行政をしっかりとやれと政府にいうのが国民なのです。このような民主主義を否定する感覚がまかり通るから、税金を自分のお金だと勘違いする政治家や官僚が多いのではないでしょうか?

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政府が国民に要請するのではなく、主権者国民が難局において相互に助け合いをし、社会を維持することを国民のために政府が行うということですから、国民相互生活支援金、国民相互福祉支援金などの言葉が適切でしょう。国民に自粛を協力させるためのお金ではまったくありえないのであり、このような言い方は明らかに民主主義を否定しています。

問題の根源
以下の記事では、この現金給付について、スピード感が一番大事と麻生財相が述べていることが載っています。もちろん、その通りなのですが、そのスピードを最も遅らせたのはあなたではないですかと、かなりの数の国民が思っていることは間違いないでしょう。リーマンショック時と今回は同じという麻生氏の見解から、給付の否定をし、そのことで最低、3週間から1ヶ月は給付は遅れているのではないでしょうか? 
そもそも、リーマンショックの事例を引き合いに出して考えている時点で、財相の資格はまったくないと考えます。状況がまったく違うのは、ちょっと考えればわかることで、そのことすらわからないから、こんなにも遅れるのです。だからやはり財相は失格なのです。
実際、森友問題で公文書改ざんがなされ、その不正の当事者となったことを苦にして自死を選んだ赤城俊夫さんの事件だけでも、財相ばかりではなく政治家失格なのです。この一件だけでも辞任は必至なのに、まだのうのうとその地位に汲々としているわけです。まさに庶民の敵、国民の敵なのです。
この給付は、4月1日に給付が発表され、4月15日から配布されていなければならないと申し上げてきました。以下の記事のように、バイトがなくなり生活苦となり、退学を検討する学生が増えていることが報じられています。学生だけでは無く、非正規労働者の方々、母子家庭の方々、ネットカフェ難民の方々、ホームレスの方々と本当に多くの方々が、すぐにお金を必要としているのです。一般的にもこの10万円で大いに助かったと言う人は多いと考えます。だから、4月中に配布しなくてはならなかったのです。そして、今後も給付を行う姿勢を崩してはならないですし、すべきなのです。それほど厳しい状況なのです。
実際、自粛はすでに2月後半から、『これから1、2週間が瀬戸際』とずっと政府は言ってきているわけです。そして、多くの国民がそのことを真摯に受け止めて行動を自粛してきたわけです。その期間がすでに2ヶ月です。
しかし、安倍政権・日本政府の防疫の無策と失敗で、収束するどころか緊急事態宣言発令となって、いつ収束するかまったく目途が立っていません。2ヶ月も経っているのにですよ。だからこそ、給付金は4月半ばに配布されなければ、命に関わる状況になる人が多くいるのは当たり前のことなのです。
それなのに、その配布を遅らせてきたのは安倍政権・日本政府ですが、その張本人の一人は明らかに麻生氏であるわけです。こればかりは万死に値します。
仮に麻生氏がスピード感が一番と言うことが許されるのは、この給付金を推進してきた立場である場合のみです。しかし、まったく反対の立場をとって今に至るのですから、普通なら即刻、辞職すべきなのは当然のことです。しかし、このような言葉を発しているのを観ると、麻生氏は覚悟が決まっていない中途半端な政治家だと思わせます。大した人物ではありません。自分の言葉に責任をもって、思い切って腹をきれ。

「現金給付、スピード感が一番大事 5月には実施=麻生財務相」(2020年4月17日 ロイター)

「学生13人に1人が退学検討 バイト減6割、親の収入も…学費に不安」(2020年4月22日 毎日新聞)


言わなければぼったくり
多数の不良品や虫などが混入しているアベノマスク。以下の記事のように、安倍政権・日本政府は受注4社目についてかたくなに公表拒否をしていると書かれています。そして、当初予算額466億円と言われていたのに、公表された3社の合計は90・9億円と365億円も差があります。普通に考えて、その未公表の4社目でこの365億円分の取り引きがあるということになります。
しかし、以下の記事二つ目では、アベノマスクはこの90億円でおさまると官房長官が述べたとあります。つまり、90億円で済むものを466億円と言って、そして3社の他にもう1社あると言っていたわけです。こういうのは普通に考えれば、この謎の4社目で残りの365億円の中抜きをしようとしていたということになります。現状、私はそう考えます。あまりにおかしいではありませんか?
要するに野党がこの予算の中味の開示を求めていなければ、単なるぼったくりの可能性があったということです。4社目がもしかしたら架空の会社か何かはわかりませんが、最終的に90億円で済むというのは、そういうことです。厳しく問い詰められたから、引っ込めたと言うことです。そしてその365億円は諦めたと言うことです。一般的な感覚ならそういうことでしょう。当然、普通はこのような態度をする人を信用することはないでしょう。明らかに危ない人です。普通なら。そして、それは政府でも同じなのです。
とにかく、安倍政権は予算の使い方が明らかにおかしいのです。このアベノマスクの取り引きについては、詳細に包み隠さず国民の前に開示すべきです。明らかにおかしいしですし、利権の臭いがプンプンします。虚偽答弁を平気でし、公文書を平気で改ざんする政権ですから、厳しい目でみつめ、徹底的な開示と追及をすべきです。徹底的に。そうでないとこの国政の正常化はまずありえないでしょう。
まさにこのアベノマスクのお金のおかしさは、政治家や行政府が、税金を私物化していることを非常に感じさせます。そのようなことは絶対に許してはなりません。

「受注4社目、なぜかかたくなに公表拒否 妊婦向けアベノマスク、深まる疑念」(2020年4月24日 毎日新聞)

「マスク調達は予算額より少ない90億円に収まる=菅官房長官」(2020年4月24日 ロイター)

とにかく、安倍政権は予算の使い方がおかしいのです。ZAITENの5月号で以下のようにクールジャパンの予算が、各テレビ局の番組政策にどんどん流れて、まったく身になっていないと言うことが書かれています。このような記事を見ると、普通に政権が各テレビ局をてなずけて、政治的な介入を実質的に可能とさせているのが、クールジャパンということと考えます。とにかく、このクールジャパンのように、報道が曲がり、国民に真実がとどかない可能性がある予算は執行すべきでありませんし、毛頭認めるべきではありません。そのようなものは、民主主義を間違いなく破壊するのです。とにかく、テレビ局に流れる政府予算をしっかりとチェックする必要があります。このようなクールジャパンのお金の流れもあまりにもおかしいのです。本当に。


クールジャパンの美名のもとに......
NHK・民放テレビ局
「霞が関予算」で支援の実態
「政府が日本のコンテンツ産業の海外進出を支援している」などと嘯きながら、毎年、テレビ各局に税金が投じられている―。しかしその実態は、海外視聴者に見向きもされない番組に予算が費消される有り様。むしろ、安倍政権の?別の目的?すら浮かび上がる。
ジャーナリスト 福場ひとみ

「ZAITEN 2020年5月号」

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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