米国の合衆国憲法はインディアンの影響を受けている!? | |
[世界の読み方] | |
2015年12月8日 23時46分の記事 | |
米国には国連も認めるイロコイ連邦というのがあります。1794年に米国連邦政府と平和友好条約を結び、独自のパスポートを使用し、日本政府も2005年にイロコイ連邦代表団が来日した際、このイロコイ連邦のパスポートを承認しています。
イロコイ連邦とは、五大湖の一つオンタリオ湖周辺に保留地を領有するインディアン6部族により構成される部族国家集団です。17世紀にこの6部族が同盟し、イロコイ連邦国家が成立します。米国独立戦争においては、英国側についていますが、その後、上述したように米国連邦政府と平和友好条約を結び、「外交関係」が成立し、現在に至っています。国連も独立自治領としてイロコイ連邦を認め、FBIなどの捜査権も及ばない存在です。ジョンソン大統領の時代まで、歴代の米国大統領がイロコイ連邦を表敬訪問しています。 このイロコイ連邦を構成する部族は、母系社会であり、女性酋長が合議制で代表をしていますが、その存在は権力が集中する存在ではなく、調停者という性格です。 このイロコイ連邦は、1780年代の合衆国憲法制定会議に他のインディアン部族とともに立ち会っており、米国の連邦制度や米国が最初の13州で独立する際に具体的な示唆を与えていたといわれています。 ベンジャミン・フランクリンなど米国の建国の父たちは、かなりイロコイ連邦の思想や政治システムに影響されていて合衆国憲法の要素となり、憲法にある言論の自由、信教の自由、選挙や弾劾なども影響を受けています。米国国章のハクトウワシもイロコイ連邦のシンボルを元にしています。 いわば米国内に幻の準国家が存在するといえるかもしれません。日本人にとっては意表を突かれる存在といえます。米国の成り立ちが、単に欧州(西洋)の移植ではなく、イロコイ連邦というインディアン部族の高度な政治・外交の影響を受けているわけで、米国の存在そのものにこれまでとは違った側面を見いださせるのではないかと思います。 米国の言論の自由、信教の自由は、このような背景を持っているわけであり、米国のリベラリズムは西洋近代思想だけではなく、米国成立過程における事象が影響して現在に至っているわけです。 この脈略らから考えれば、先日の米国での銃乱射テロに関連して来年の米国大統領選挙に立候補しているトランプ氏が、イスラム教徒の入国禁止を訴えているということは、ある意味、「インディアンもびっくり」といえるレベルの発言でしょう。まあ、この言葉は死語ですが。 イロコイ連邦は、日本人にはほとんどなじみがないものですが、TPPによって日本がイロコイ連邦のようになることだけはなんとしても避けなければならないでしょう。100年後、昔、日本というところがあって、合衆国政府と戦争までしたなんていうことに、このままだとなるかもしれません。 | |
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