特徴の無い経済に陥りつつある日本 | |
[日本の政治] | |
2015年12月20日 23時54分の記事 | |
不正会計問題に揺れる東芝が、過去最大の5000億円規模の最終赤字を計上する見通しとなっていることが報道されています。不正会計問題や昨今も赤字が報道されていたにも関わらず、さらに赤字規模が拡大している状況は、モラルの崩壊とともに何か大きな問題があると思わせるに十分です。少なくとも時代の流れを感じさせる状況であることは間違いないでしょう。 「赤字5000億円の見通し 過去最大に」(2015年12月19日 毎日新聞)
先日、シャープの看板である液晶部門の買収というニュースも流れました。日本の顔であった家電分野や電機部門が急落している感は否めません。また、一時、話題になったMRJも再度納入延期が伝えられています。マイナス要因が最近、非常に目立ちます。 一方で、非正規社員が4割を超え、労働環境の改善の兆しはいまだ見えません。そして、GDPも大きな伸びを示しておらず、GDPの伸び率がなんと民主党政権時を下回っていると報道されています。 「衝撃 アベノミクス『GDP伸び率』あの民主党政権に完敗」(2015年12月16日 日刊ゲンダイ) 安倍政権になってからお金を出す政策をしてきた割には、これまでの日本では想像できないような状況が出現していると思わずにはいられません。何か社会・経済の基盤が崩壊しているとさえ思える状況です。この状況で唯一高止まっているのが株価ですが、この状況がなくなれば、まさに空洞化し、特徴の無い経済という本質が露出する状況です。 ここには、この3年間で空洞化した経済・社会基盤という状況、落ちる生産者の質という側面が間違いなくあるものと考えます。そして、政治主導でお金を出してきたこの3年間、実はそのお金の使い方に非常に問題があったのではないかと考えます。ここが一番のポイントでしょう。つまり、身になる使い方をして来なかったと言うことです。東京五輪にまつわるさまざまな問題は、その氷山の一角ではないかと考えます。 日本経済が特徴の無い経済に陥りつつあると考えますが、その背景にやはり社会が新しいものを生み出す力を失っている状況があるものと考えます。それは、新自由主義的な政策や企業の近視眼的な対応が刹那的に人などを使い捨てにする発想になっているからと考えます。つまり、人を大事にしていないという状況です。多くの有為な人材が実は無駄にされている状況があるものと考えます。一億総活躍ということとは全く反対の状況がこの3年間で生まれているものと考えます。 これは国や社会のリーダーシップの欠如の問題でしょう。そして、経済の原理だけで、政治の原理を失った社会の必然の状況とも考えます。政治の原理を失ったが故に、経済をも駄目にしてしまうと言うことです。かつて高度成長期の経済界のリーダーは政治の原理を理解していました。そういうときは必ず経済は伸びます。しかし、今やそのような状況はなくなり、政治のトップリーダーからして政治の原理を忘れ新自由主義に走っています。これでは、経済も、社会もおかしくなるのは当然でしょう。新自由主義には時間軸がありません。その場だけの判断しかない近視眼的なものです。それは、人を育て、国を育て、富を育てる意識がないことを意味しています。それでは、経済も社会も空洞化していきます。 テレビドラマ『下町ロケット』が話題を集めていますが、そんな空洞化した時代における人々の渇きと切望が人気の理由なのかもしれません。 | |
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