「いやはや」というレベル | |
[日本の政治] | |
2015年12月24日 23時57分の記事 | |
自民党の小泉農林部会長が、ドローン活用など「攻めの農業」に向けて先端技術を視察したと報じられています。そこではドローンやビッグデータ、ITという言葉が踊ります。 「ドローン活用『攻めの農業』」 小泉進次郎氏が視察」(2015年12月24日 テレビ朝日)
このような先端技術を農業に活用することは良いことでしょう。しかし、それは企業経営というレベルにおいての話です。この視察の記事において、政治のレベルにおいて国や国民の生存に関わる農業をどうするかという視点が既に全くなくなっています。政治家が政治の視点を失っているのですから、もはや未来はないなと思わせるレベルです。このような「ドローン」とか「ビッグデータ」など目新しいカタカナ語が並ぶとき、その本質的な中身は何もないと言うことです。つまり、それらの言葉で修飾するしかないと言うことなのです。そもそも「攻めの農業」という言葉自体がその空虚をなんとか取り繕うための言葉でしょう。 政治がこのレベルですから、TPPで日本の農業は壊滅します。そして、農業は国の礎ですから、それは国家の崩壊を意味するでしょう。政治がしっかりとしていれば、そもそもTPPなどに参加することはなかったでしょう。 農業というのは本来的に自然環境に大きく左右されるものです。それは、根本的に市場の原理で安定的な供給がなされると考えることが大変に危険なことを意味します。だから備蓄などをしているわけです。そして、国の農業とは国民の生存に関わることです。このようなことを市場原理に委ねること自体、大変な危険性を伴います。そもそも、国際社会で「戦略物資」である食料において、市場原理が成り立つと考えること自体、国際音痴も甚だしいことでしょう。その政治における国際音痴は、国民や国を大変な危険にさらします。 政治における思考の緊張感が感じられないのが、まさにこの記事で、「いやはや」と思うレベルです。 五輪エンブレム問題がありましたが、この五輪エンブレムを審査した方で唯一、選考について疑義を出していた平野敬子さんが、その内幕を暴露していることが話題となっています。これは大変に勇気ある行動だと思います。評価すべきことです。内容を読むと内情のひどさが伝わってきます。先日、五輪組織委員会の豊田副会長が辞任しましたが、この五輪、内情をきれいにしないと最後までいかないように考えます。少なくとも既に国民の多くは冷めてしまっています。そのような状況で一部の人たちが五輪と言っても祝福はされないでしょう。このような温度差が生じるのは、政治家も含めた運営側と国民との間にさまざまな面での格差が生じているからです。それがさまざまな問題となって吹き出してきているものと考えます。このような状況を改善しないで前へ進むと必ず政治的な亀裂などさまざまな問題を将来、必ず引き起こすことは間違いないでしょう。 先日、グリコ・森永事件の特集番組を放映していました。この事件で犯人逮捕のチャンスが一度だけあり、そのチャンスに向けて捜査班が極秘行動をとるのですが、その時、偶然、この極秘行動を知らない滋賀県警の警察官の動きによってそのチャンスがつぶれてしまいます。このことによって、実は滋賀県警本部長が自殺をしてしまうのです。そして、この自殺によって犯人は、動きをやめる声明を出します。 この番組を見ていて、このようなことがあったのかと驚きましたが、同時に改めて昔のリーダーは、命がけで職務を行っていたのだと思いました。すごいことです。国のリーダーがこのように命がけで職務を行っていれば、国というのは、曲がることはなく、伸びていくのだと心から思いました。 今の政治においてリーダーにそんな緊張感は皆無。自分の保身とごまかしだけが、非常に際立って目立ちます。 | |
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