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問題なのは「もんじゅ」の運営主体なのか?
[日本の政治]
2015年12月28日 23時48分の記事

福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」の新たな運営主体について文部科学省の検討会は、今後半年をめどに新たな運営主体の検討結果をとりまとめると報道されています。これは、先月、原子力規制委員会が日本原子力研究開発機構に代わる運営主体を求める異例の勧告を文科大臣に行ったことによります。しかし、このもんじゅの問題は単なる運営主体の問題なのでしょうか。

「もんじゅの運営主体 半年めどに検討結果」(2015年12月28日 NHK)

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このもんじゅが稼働して約25年が経ちますが、その間、トラブル続きで何ら成果を出していません。それが運営主体の問題であるなら、まさに運営主体の問題ですから巨額の損害賠償が発生する事案と言え、またそのことを放置してきた国などにも当然、責任論が噴出します。政治的には、この間、ほとんど自民党政権ですから、自民党の責任は免れないでしょう。
ただ、この25年間、報道情報だけでもトラブルが続いてきたことは間違いありませんし、先日もトラブルが報道されました。そして、その間、ほとんど稼働していないで巨額の維持費だけがかさんで来たわけです。そのような状況で運営主体である日本原子力研究開発機構が遊んでいたわけでもないでしょう。実相は、運営主体のやる気の問題ではなく、そもそも無理なことに当方もないお金をかけた失策ということでしかないでしょう。25年も無用の長物と化したままに放置されてきたのは、まさに失策だからでしょう。手の打ちようがなかったと言うことです。
日本原子力研究開発機構は国立研究開発法人なので、政府の問題です。だから、これに代わる運営主体があるとか、ないとかを国が考えること自体、そもそもおかしなことです。またこれだけ大規模に研究を行っている組織の他に、代わるべく組織が日本にあるのかも疑問です。このやる気論で、看板だけ変えて人は同じなどと言う馬鹿げたことにもなるようにも思いますが、このやる気論は本質的には失策を隠すためのごまかしにすぎないと考えます。そうでなければ、やるきの問題というのは、精神論に近い話で実質はありません。また、このような議論を今頃、するというのもあまりに遅いものと考えます。
このもんじゅの議論の実相は、大艦巨砲主義だと考えます。さまざまな思惑が絡んだり、ある人によっては夢見たりするのでしょうが、実相は既に無用の長物になっていることをその人々のためになんとか生きながらえさせようとして、国家や社会には完全にマイナス要因になっている、そんな構造があるように考えます。
このことと関連して、原子力発電というものを経済に組み込んだ故の失敗が既に経済現象としてでていると考えますが、その現象は上記と同じく原発に無茶な可能性を持たせているなど無理な前提が原因と考えます。そもそも無理な前提で構築された企業などを巻き込んだ経済制度ですので、一度、問題があればすべてがおかしくなるということです。しかし、そもそも無理な前提なのですから、このようなことが露呈し、全体が崩壊していくのは時間の問題であったでしょう。したがって、この構造を改めない限り、日本の経済のマイナス要因になり続けますし、そのマイナスが極めて大きいので、経済全体を大きく損ねる結果を招きます。早めの構造転換が必要なのは明らかでしょう。
もう既に原発自体が時代遅れなのだと考えます。このことは、これから日を追うごとに鮮明になっていくでしょう。これは上記のような見直しの議論がこれからどんどん出てくると言うことです。
さまざまな人々の思惑が絡むなどして現実が見れずに、ごまかしと判断をしないことで先延ばしをして、時代遅れの無用の長物で勝負をしようとするところは、戦前の日本と同じ発想のように思います。まるで判断する人々が同じなのではないかと思えるほどです。もしかしたら本当に同じなのかもしれません。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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