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非民主的なTPP
[日本の政治]
2016年4月6日 23時55分の記事

民進党の要求で政府から国会に提出されたTPPの交渉資料がほとんど黒塗りで全く内容がわからないものになっていると報道されています。

「TPP交渉資料、全て黒塗りで公開 内容分からず 自民」(2016年4月5日 朝日新聞)

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国会は国権の最高機関ですが、そこに提出された資料がこのようなものでは日本の政治制度が根底から覆されるような状況です。他国との関係で開示できないと記事には書かれていますが、その関係で国の政治が破壊されるようであるなら、そもそもそんなものには参加しない方が良いのは明らかでしょう。
交渉の内容は全く不透明、そして交渉においての責任者であった甘利氏には金銭授受の疑惑が出ているという全くめちゃくちゃものがTPPと言えるでしょう。なぜこのようなものに賛意を示すのかがわかりません。
国会という公式の場に提出された資料がこのようなものですから、当然、自民党議員も公式では交渉内容を知らないということになります。自民党議員はこれでTPPに賛成するのでしょうか。賛成するということならどういう根拠なのでしょうか。党の上層部が承諾しているから、賛成すると言うことなのでしょうか。それでは、そもそも国会議員として国民から信託されている職務を放棄し、果たしていないと言うことでしょう。
現状、TPPに関しては一部の者だけで判断され、その内容が国権の最高機関で開示されないという状況ですが、これは明らかに行政府の暴走、権力の暴走です。そもそもこのような権力の暴走を抑止するために立憲主義があるのですから、TPPなるものが既にわが国憲法の精神に反するのは明らかです。そして、TPPがわが国の政治を破壊しているのも明らかです。
これはTPPがそもそも資本の拡大のために国家を破壊するということからすれば当然、生ずることです。しかし、これは資本主義の終焉をいみじくも明らかにしているのです。
資本主義はデモクラシー、近代法とセットで発達したものであり、それは機会の平等と情報の公開性がなければ成立し得ないものです。そういう中で株式市場などが成立するのです。しかし、既に現状は、その資本主義の前時代のものになっており、単なる一部の者の資本の拡大、利得だけというレベルの低いものになってしまっています。当然、そこには資本主義のもう一つの側面である自由競争が阻害される状況になっているのです。なぜあまたいるエコノミストはこのことを指摘しないのでしょうか。そして、またこういう状況で株主の権利云々とうい論理は当然出てくるわけであって、それを振りかざしてきた人々は この非民主的な状況に異を唱えるべきでしょう。
しかし、当然、そんな声は出てこないわけです。それはそのような論理が、そもそも私的なお金儲けのための詭弁だからです。だから、彼らの主張というのは元来、公共性も責任感もないわけです。
既に資本主義は終焉しています。アダム・スミス以来、資本主義は最大多数の最大幸福を達成させると言われてきましたが、非正規雇用が全体の4割を越えるという異常事態が発生したときから資本主義の大前提は崩壊しているのです。その結果、貧富の差が拡大し、社会基盤を崩していくわけです。このような前時代的状況は必ず崩壊します。それは全体の利益を損なうことが明らかだからです。歴史の必然です。
現状は、次の経済システムを考える時ですが、未だ日本の政治は資本主義が終焉したことを理解していません。理解しなければ、そのような人々はいずれ消えうる運命でしょう。それが歴史の流れというものです。
いずれにせよ、TPPは1ヶ月という短期間で議論するようなものでは明らかにないでしょう。そして、これを行えば、必ず日本の社会を壊します。スティグリッツ教授がTPPに異を唱えたと報道されていますが(3年前も今年も首相に対して)、米国ではこのTPPなるものの意味を日本より遙かに理解しているのではないかと考えます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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