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新年、あけましておめでとうございます
[日本の政治]
2020年1月1日 23時54分の記事

新年、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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昨日の本ブログ「ポスト安倍、そしてポスト55年体制」(2019年12月31日)を書いている時、少し日本新党のことを調べていたら、ウィキペディアには同党の「政治的思想・立場」として「新自由主義、保守主義、政治改革」とありました。私が政界に入った頃に丁度、同党の結党と旋風が吹き、同党を取り巻く政治現象については注目をしていましたが、政治的思想や立場というものにあまり注目をしてきませんでした。感覚的に同党については、自民党一党独裁政権に風穴を開けるという世論の求めた風に乗って躍進した位の知見しかありませんでした。
しかし、昨日、ふとこの政治的思想・立場を目にして、そこに新自由主義、保守主義、政治改革ということがあるのを見て、思わず『なるほどね』とうなずいてしまいました。この日本新党に関わった人々はいまだにこの感覚でやっているのだと。

新自由主義と保守主義は両立しない
新自由主義と保守主義は両立しません。新自由主義とは結局は資本主義を先鋭化したものでしかなく、それは世界的に格差を拡大させ大きな問題を引き起こしてきました。ザ・フナイの連載でも取り上げましたが、先日来日された法王フランシスコは、グローバル資本主義と闘えとこの新自由主義やトリクルダウンに対して強い反対の立場をとっています。その端的な理由は、この新自由主義やグローバル資本主義が、人々の尊厳を奪い、社会を破壊するからです。
そのような社会を破壊するものが保守主義と両立するはずはあり得ないのです。むしろ、新自由主義は社会を、そして人類を破壊するものであり、これは環境問題と同等に地球的な問題をはらんでいますし、実際、法王フランシスコの『福音の喜び』ではこの二つの問題が批判されているのです。
90年代初頭、まだバブルの熱がかなりあった頃、日本では日本の経済や社会は世界一だ、21世紀は日本の世紀だと多くの人々が信じて疑っていませんでした。そして、その世界一をさらに発展させるには新自由主義というグローバルに展開する資本主義を先鋭化させる必要があると言われ、そう多くの人が信じたわけです。バラ色の未来を夢見て。そして、そこに第二次世界大戦での敗戦というトラウマをひっくり返すなどの“気分としての保守”が重なったと考えます。さらにそこに政治改革という自民党長期単独政権をひっくり返せばバラ色の未来がもたらされるという起爆剤が加わっていったわけです。
この三点セット、特に新自由主義と気分としての保守というセットが実はその後、現在までずっと日本の思想の本流としてあり、しかし、それは何も成功をもたらしていないばかりか、むしろ日本の社会を破壊してきたわけです。普通なら保守主義と新自由主義が両立しないことは10年くらい前には少なくともわかっていてしかるべきなのですが、80年代、90年代の繁栄の記憶が強烈で、そのことをもとにした判断が説得力を持ち続けてきたわけです。だから、国民は夢見るとともに我慢をしなくてはならないと、そのような論理で消費税なども正当化されていくわけです。
しかし、成功はしないのです。するはずはないのですが、このような思考が日本新党や旧民主党の関係者にいまだにあると考えます。ただ、実は右翼革命・新自由主義政権の安倍政権もこのことは同じなのです。安倍政権によって発せられる旧民主党の問題を引き合いにだすレトリックは、かつて言われた自民党政権をひっくり返せばバラ色の未来がもたらされるというものと実は同じで、民主党だとバラ色の未来がこないというメッセージでしかないのです。そして、そのメッセージに世論が引っ張られてきたわけです。
しかし、安倍政権も実際は新自由主義政権で同じですし、同政権の場合は官製新自由主義という様相を呈し、その結果、当然のごとく、安倍政権が作った構造によって、経済は良くなりませんし、社会はどんどん疲弊していくわけです。必然の結果であるわけです。保守主義と新自由主義は両立しないのです。
日本新党は55年体制の打破がそのポイントでしたが、その本質は、今から振り返れば55年体制の補完勢力と考えますし、同等の関係者は実際、55年体制の本当の意味もいまだに理解していないと考えます。だから、55年体制の本流もその補完勢力も“ポスト55年体制”を作っていくことはできないのです。
55年体制とは朝鮮戦争(米ソ冷戦)のための戦時体制であり、同時に戦前の体制の中心が復活するための体制で、ポスト55年体制とはそこからの脱却と言うことなのです。そして、そのためにこれまでの60余年とは違う政治・外交、経済、社会をつくり出していくと言うことなのです。振り返れば、その方向性は日本新党にはありませんし、もちろん自民党にもないのです。戦前の勢力が復活しない体制にするというのが最大のポイントになります。

ところで、以下の記事では、米国がロシアにおいてテロ攻撃の準備していたものの情報をロシアに提供し功を奏したことに、プーチン大統領がトランプ大統領に対して電話会談で感謝の意を伝えたことが報じられています。もちろん、これは米ソ冷戦と反対の動きで高く評価すべきことですし、55年体制とはまったく反対の動きです。米露の協調を問題視する勢力は当然、その本質は冷戦構造の温存です。ポスト55年体制とは周辺国との善隣外交・協調体制を築いて行くことなのです。

「プーチン露大統領、テロ攻撃情報の共有に対してトランプ米大統領に感謝」(2019年12月30日 TRT)

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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