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時代は変わる
[日本の政治]
2020年1月16日 23時40分の記事

以下の朝日新聞の記事のように立憲民主党と国民民主党の合流は、通常国会前にはないと報じられています。

「立憲と国民、通常国会前の合流見送りへ 議論まとまらず」(2020年1月16日 朝日新聞)

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現在、政界で噴出している河井夫婦選挙違反問題、菅原一秀問題、桜を見る会問題、カジノ汚職問題などを観れば、立憲と国民が合流して共産党との連携の方向性が明確になれば、自公政権体制は一気に揺るぐことは子どもでもわかることでしょう。そう言う中から、政治の新しい方向性や健全さを取り戻すことができて、まったく違う状況を作り出すことができるわけです。政治家としては最高のチャンスです。
しかし、それを自ら逃しているのが立憲と国民ですから、それではこの両党が自民党のために存在する別働隊といわれても仕方がなく、その背後にいる連合が自公体制とともに日本の宿痾といわれてもそれは仕方がないでしょう。安倍政権お得意のやっている感の演出はよく言われますが、年末からの立憲と国民の動きも、現状維持のためのやっている感の演出にしか見えません。少なくとも現状は、そう判断せざるを得ません。
本ブログ「ポスト安倍、そしてポスト55年体制」(2019年12月31日)では、この両党について以下のように書きました。


立憲民主党は結党以来2年が過ぎましたが、現状見る限り最初のインパクト以上には育ってはいません。つまり、存在感を示せていませんし、時代や国民の心を掴んでもいませんし、政治の本質もつかんでもいません。野党なのに、上述の払拭と清算を担う存在になっていないのです。
このようになるのは、国民民主党との合併問題でも同じですが、そのドタバタは民主党政権時のそれとかわらないことを示していると考えます。つまり10年前から何も成長していないということです。これは彼らが観ている政治的なフレームワークがすでに時代遅れで、何の進歩もないことを物語っていますが、このことは枝野氏だけではなく、玉木氏、野田氏、前原氏、岡田氏、菅氏などすべてに通じることと考えます。基本的にこの方向性は、自民党がこけることを待っている存在、もしくは自民党がこけたときの代替要員であって、本当の意味で時代や国民の心を掴もうとしている存在ではない、55年体制の変形バージョンともいえる存在でしかないのです。その上で政治的手腕がないのですから、日本の政治にとってプラスになる方が奇跡ともいえます。


この文を書いてから2週間が過ぎましたが、現状は分析の通りと考えます。私の見立てを裏切って、何かの成長をしていると思わせるものを見せてほしかったのですが、結局は予想の通りと現状は考えます。
旧民主党系。この人たちは基本的に本ブログ「新年、あけましておめでとうございます」(2020年1月1日)で書いた日本新党のメンタリティー、時代感から実は何も変わってはいません。同時に彼らは基本的にエリート主義でプライドが高く、だからこそ自分からは動きません。他者から評価されてしかるべき存在と考えていますから、誰かから、例えばマスコミや官僚から用意されている枠組みでないと動かないと考えます。自分で展望を見いだして動くというより、既存の価値観の中での承認欲求が強いということです。だから新しい時代というものをつくりだす存在ではなく、結局は旧時代の最たるものとなってしまうと考えます。

時代は変わる
ザ・フナイの連載などで米軍が中東から撤退するといったのは、日本では私が最初だと思います。今やそのような論調は色々なところでみることができます。しかし、それらの論がそのように結論づける構造分析は間違っていると考えます。現状のような動きは世界史的な動きで、米軍が撤退をしたあとに混沌とした世界があるわけではありません。むしろ、その新しい時代を見据えた上で、トランプ大統領は米軍を撤退させていると考えます。そう言う意味で、この動きは世界的な共同作業なのです。
その新しい時代において日本は全方位の善隣外交によって平和主義を貫徹していくしか生きる道はありません。むしろ、そうすることこそが、日本が東アジアで地位と豊かさを維持・実現させることができる唯一の方向性なのです。今の安倍政権はこの最大のチャンスをまったくもってフイにしていますが、何があろうとこちらの新しい時代の方向性に最終的に進むことになります。なぜなら、生存がかかっているからですが、そう言う意味では日本の平和憲法は時代の最先端を行くものです。
このような世界の動きをザ・フナイの連載で何年にもわたって描写してきましたが、このような新しい時代への動きで問題になるのは、これまでの旧時代で我が世の春を謳歌してきたものの存在です。いうなれば時代を終える存在ですが、それが日本では55年体制や、昨日の本ブログ「世界共通」(2020年1月15日)で書いた資本主義の限界と終焉、新自由主義(グローバル資本主義)の限界、そして戦争などであるわけです。ですので、55年体制を維持するために「時代にそぐわない」といって憲法改正をいうわけです。もちろん、言うまでもなくこの方向性が正真正銘の時代にそぐわない動きであるわけです。つまり、彼らが目指しているのが戦争であるのはこの発言からもよくわかります。
そして、立憲・国民も基本的にはこの世界観であるのです。明らかに現状では次の時代をつくり出す存在ではありません。そして、時代が大きく変わりつつある中、時代を捉えていなければ必ず消滅することになります。そうなるのは彼らが政界デビューしてからのこの25年とはすでに状況がまったく違うからなのです。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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