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強制力が弱いからこそ早めの宣言が必要だった
 
2020年4月9日 23時44分の記事

4月7日、新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が発令され、首相の安倍氏の会見がありました。その模様が以下の記事に掲載されています。

「新型コロナ 緊急事態宣言 首相記者会見 要旨」(2020年4月8日 毎日新聞)

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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韓国と同じようにしていれば今頃終息していた
新型コロナウイルス感染拡大について緊急事態宣言を発したということは、いずれにせよ、感染拡大を日本政府・安倍政権が止めることができなかったと言うことです。本ブログ「ものすごい差がついた韓国政府と日本政府の能力差 これはすぐには追いつけない」(2020年4月8日)で述べたように、新型コロナウイルスなどの感染症の問題は公衆衛生の問題です。そして、公衆衛生の問題とは政治・行政の力量の問題そのものなのです。
日本では、韓国と同じようにPCR検査を早期にしっかりと誰もが受けられるようにし、現状を把握することがまず必要と言う指摘が、2月からテレビ朝日『モーニングショー』などでありました。しかし、そのような指摘に猛然と反発が生じ、そして実際、安倍政権は何もしてきませんでした。以下のようにモーニングショーなどに厚労省から圧力がかかったりしていました。

「厚労省が『モーニングショー』に続きCNNにイチャモン! 官邸の「言論弾圧」指示で日曜夜にわざわざツイート」(2020年3月10日 リテラ)

「厚労省SNSが『ドライブスルー検査』を“医師の診察がないから感染拡大”とフェイク拡散! 韓国もドイツも医師が診察」(2020年3月15日 リテラ)

まさに、ただただ反対するだけの反対党に政府・安倍政権がなっていたわけです。PCR検査をしたら医療崩壊がおきるといっていましたが、韓国ではまったく起きていませんでした。むしろ、現在のように感染が拡大して非常事態宣言を出す状況になってこそ医療崩壊の危険性が高まっています。
このような不毛の反対の動きの結果が、緊急事態宣言発令という事態であるわけです。まさに安倍政権の責任問題であり、この発令は安倍政権の敗北宣言なのです。本ブログ「また国民のせいですか?」(2020年4月6日)で取り上げましたが、2月25日のテレビ朝日『モーニングショー』で、岡田晴恵教授が日本政府の新型コロナウイルス対策があまりにもひどいので、3月、4月にピークがくるといっているわけです。そして実際、そのようになっているわけです。
韓国と同じようにPCR検査をまずしっかりとしていれば、韓国と同様に早期に一応の収束に達していたと考えます。このことは本ブログで何度も述べていますが、恐らく、日本は、4月9日の時点で終息までいっていたのではないかと考えます。そうなっていれば、日本は韓国とともに間違いなく世界から賞賛されていたことでしょう。
しかし、その最大のチャンスをただただ反対する人々は逃したばかりでなく、日本の社会に感染拡大を許し、人々の健康と生命を危機に直面させ、社会・経済的なダメージを大きくしたわけです。感染拡大の時期が長くなればなるほど、経済・社会の損失・ダメージが大きくなるのです。このようなことは子どもでもわかることです。
だからこそ、早期に対処しなくてはならないのです。新型コロナウイルスは医学、生物学、薬学、感染症学などの問題ですが、感染拡大というのは数学的な問題です。このことは本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(2020年4月4日)で書いたように、中国の感染者数などを2月はじめに正確に計算で予測し、収束を断言している人がいるのです。このような数学的なものですから、増加について“指数関数的”という言葉が使われたりするわけです。ポイントは人と人との接触とその広がりにあるわけです。だから、その人と人との接触を断ち切れば、感染拡大は終息するのです。実は非常に単純な問題なのです。そうやれば、他国同様、思っている以上に早く出口は確実に見えてくるわけで、そのことを上記4月4日のブログでは書きました。そして、この極めて単純なことの周知徹底が、実は政府によって社会的にまったくなされていないと考えます。これは大問題です。
この4月4日のブログ記事でも書きましたが、新型コロナウイルス感染拡大への対処法はPCR検査を早期にする、簡易でも隔離をしっかりと行うということなのです。それを早め早めにやるしかないのです。そして、何よりも非常事態宣言を出しても強制力が弱いからこそ、早め早めに宣言を出すしかなかったのです。
しかし、そう安倍政権はしなかったわけです。でも、結局、することになったのです。本ブログ「また国民のせいですか?」(2020年4月6日)などでこれまで指摘したように、安倍政権においては新型コロナウイルス対策で空白の2ヶ月がありますし、非常事態宣言発令まで暗黒の1週間があります。まさに後手後手どころではないのです。そして、上述のように前向きな提案については、反対反対、お抱えのコメンテーターを使ってまた反対でここまで状況が悪くなったわけです。本当にひどいものです。
以下の世論調査でも、非常事態宣言発令が遅すぎると70%が考えていると言うことですが、これは誰もがそう思っているというレベルであるわけです。そして何よりも、この非常事態宣言の強制力が弱いからこそ、早めに発令して、人と人との接触がなされないようにしなくてはならなかったのです。しかし、経済への影響がなんちゃら、全国的な状態がなんちゃらといって、非常事態宣言を安倍政権は中々出しませんでしたが、感染拡大が全国的に蔓延し、指数関数的に感染者が増えてしまえば、経済・社会の損失・ダメージは壊滅的になるのです。そういう計算ができていないわけです。本当に頭が悪い。
非常事態宣言を発令したことは、上述のようにすでに安倍政権の責任問題であり、安倍政権の敗北宣言なのですが、しかし、この宣言を発令した意味はとにかく感染拡大を止めて、新型コロナウイルスを制圧することにあります。そうしないと大変なことになるから非常事態宣言を発令するわけです。しかし、現状を見ている限り、安倍政権は発令の前も後も、まだこの最大唯一の目的・目標に徹していないと考えます。だから、様々なちぐはぐが生じているのです。

「緊急事態宣言『評価する』72% 時期『遅すぎる』70% 本社緊急世論調査」(2020年4月8日 毎日新聞)

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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