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トランプの致命的な失策 (3)
[日本の政治]
2020年8月9日 23時59分の記事

昨日の本ブログ「トランプの致命的な失策?」(2020年8月8日)の続きです。

「トランプの致命的な失策 (2)」(2020年8月7日)

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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前回の大統領選のポイントは経済政策や政治思想ではない
以下の記事では、新型コロナウイルスによる米国での犠牲者が12月までに累計で30万人弱となり、選挙が行われる11月までには累計で25万人になると予測されています。

「米死者、12月までに30万人弱か 現在の倍近く―新型コロナで予想」(2020年8月7日 時事通信)

4年前の大統領選挙の注目点として、米国中西部のラストベルトが挙げられました。ラストベルトとは、今や廃れてしまったかつての米国産業の中核であった工業地帯のことですが、そこをトランプは救うといって、反グローバリズムを明確にしたわけです。TPPからの離脱やメキシコ国境封鎖もこの脈略にあるわけです。
ただ、このことの本当のポイントは、反グローバリズムではないのです。それは、あくまでもラストベルトにいる人々の命を救い、生活を守り、人生を良い方向に変えた、もしくは変えようとしたところにあるのです。だから支持された。当然の帰結なのです。
前回の大統領選挙でトランプ勝利となった本当のポイントは、経済政策や政治思想ではなく、人々の命と生活を守り、人々の人生を良き方向に変えた、変えようとしたことにあるわけです。このことは言うまでもなく、当たり前の話しであり、政治の基本中の基本なのです。しかし、この基本中の基本が、今や社会の中心、人々の考えの中心、人類の方向性の中心にどんどん鮮明になっているのです。
そうなると新型コロナウイルス対策に失敗して、短期間に16万人が犠牲となり、さらに年末には30万人が犠牲者となると予測され、月に2万人の犠牲者が出ているということはやはり極めて重いのです。適切な防疫措置を行政が行っていれば、犠牲者のほとんどの命は守れたはずなのです。実際、米国での感染状況と感染による犠牲者は世界最悪ですので、防疫措置が失敗で、そのことによって失われた命が膨大であったことことは、火を見るより明らかなのです。
以下のように新型コロナウイルス治療で、消毒薬を注射してみればというトランプ氏の発言は、まさに日本での大阪府知事によるうがい薬・ポピドンヨード発言とまったく同じなのですが、このような発言は防疫措置がいかに杜撰かを示していますし、実際、米国民はそのように強烈に受け止めたことでしょう。自分の命が危ないと普通なら考えます。

「消毒液注射でコロナ治療? トランプ氏提案、専門家は全否定」(2020年4月25日 AFP)

このような杜撰な防疫措置は、当然、トランプ氏が、アメリカ人の命と生活を危機にさらしたということになるのです。トランプ氏が人々の人生に暗雲をもたらしたとういことになるのです。さらに、経済を回すと豪語して、一層の感染状況の悪化を招き、経済もまったく好転させることができていない。これでは、支持を得る方が難しいと考えるのが自然です。現状は、新型コロナウイルスで犠牲者が一人増えるごとに、トランプ氏にとって選挙は難しくなっていくという構図がすでにあるものと考えます。
そして、この構図、すなわち、米国社会に深く刻まれたこの傷は、そう簡単には癒えることはないと考えます。
トランプ氏は3月の段階で、新型コロナウイルス対策・防疫方針を早めに方向転換をすべきでした。上述したように、前回の選挙でトランプ氏が選出された要因をしっかりと自身で分析できていれば、このような誤判断はしなかったと考えますが、やはりトランプの限界だったのかもしれません。現状はこのように判断できます。

「トランプの致命的な失策 (4)」(2020年8月23日)へ続く。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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