トランプの致命的な失策? | |
[日本の政治] | |
2020年8月24日 23時59分の記事 | |
昨日の本ブログ「トランプの致命的な失策?」(2020年8月23日)の続きです。 「トランプの致命的な失策?」(2020年8月7日) (※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)
ウクライナの意味をもう一度見つめる 上述したように現状においては、米国の内政において、もはやトランプ氏は死に体です。バイデン氏だからまだ差が決定的になっていないだけで、サンダース氏だったらすでに選挙が終わっていたというレベルになっていたと考えます。 このような人々の命・生活の安寧、人生の好転、平和ということがポイントになっている米国社会の趨勢において、以下の朝日新聞の記事のようにバイデン氏が核なき世界ということを表明することは、トランプ氏が防疫・内政で完全に失敗している段階においては、とても意味があるのです。 「バイデン氏『核なき世界』の継承表明 広島と長崎に言及」(2020年8月7日 朝日新聞) トランプ氏に対してはトドメに近い攻撃です。ただ、これが選挙のためだけというレベルである可能性は非常に大きいと考えます。以下の西日本新聞では、バイデン氏はオバマ氏の広島訪問を強く勧めた一人である一方、オバマ氏は核兵器の近代化に着手した張本人であり、そのオバマ路線をバイデン氏が引き継ぐ可能性が言われています。要するに核の廃絶を装った核戦力の強化です。 「大統領選の争点にもならず『進展望めない』 市民、識者憤る米の核軍縮」(2020年8月7日 西日本新聞) このバイデン氏の本質についてもう少し見つめてみましょう。 バイデン氏が副大統領であった2013年9月4日、米国上院外交委員会はシリアへの軍事攻撃を条件付きで承認しています。米国、フランスとイスラエルがシリアへの軍事行動を起こそうとし、一方でロシア、中国、イランなどはその動きに反対していてわけです。米国とイスラエルが戦端の火蓋を切っていたら、イランはイスラエルに報復すると以下の記事のようにいっていたわけですから、当然、中東全体を巻きこんだ中東大戦=第3次世界大戦になっていたわけです。 「イラン、シリアへ軍事介入すればイスラエルへ報復と脅し」(2013年8月29日 ウォールストリートジャーナル) そして、もちろん、目的はこの第3次世界大戦にあるわけで、シリアの民主化とかはまったく関係なく、単なる口実なのです。そして、今もまた同じことが行われています。言うまでもなく、私は民主主義を支持しますが、その民主主義という大義、正義を振りかざすことによって戦争を引き起こすという非民主的なことが行われることは、内外情勢を考える上で必ず考慮すべきことです。民主主義という大義が、戦前の八紘一宇と同じになることは常に考える必要があるのです。なぜなら、戦争を仕掛けるものは、必ずそうするからです。戦争はまず世論誘導からはじまるのです。 話しを戻すと、2013年9月4日、米国上院外交委員会がシリアへの軍事攻撃を条件付きで承認した翌日の9月5日に開幕したロシアのサンクトペテルブルクでのG20で、議長をつとめていたプーチン大統領に対して、法王フランシスコは書簡を送っています。 このG20ついてCNNは「本来は経済問題について話し合う場だが、今回はシリア情勢が差し迫った課題として浮上、参加国の間の対立が鮮明化している」(2013年9月6日)と報じています。その対立とは、上述の米国、フランスとイスラエルがシリアへの軍事行動を起こそうとし、一方でロシア、中国、イランなどはその動きに反対したというものであるわけです。 そのような中、法王フランシスコはプーチン大統領に書簡を送り、以下のように報じられています。 ローマ法王フランシスコは同日、G20主催国ロシアのプーチン大統領に宛てた書簡で「対話を通じた平和的な解決」を呼びかけ、軍事介入は「無益な努力」だと訴えた。 「ロシアでG20開幕、シリア介入各国の対立鮮明に」(2013年9月6日 CNN) この2013年のG20については、ザ・フナイ2015年10月号で取り上げましたが、G20会議中に平和を呼びかける法王フランシスコの書簡が読み上げられ、この書簡が米国の検討していた対シリア空爆回避に寄与したと報道されています(2014年6月9日 時事通信)。 さらに、ロシアは、米国・イスラエルとシリアの間に、ロシアの黒海艦隊を盾ととして入れ、最終的に米国・イスラエルは攻撃をやめたわけです。 そして、この2か月後、法王フランシスコにプーチン大統領は謁見し、この会談について以下のように報じられています。 会談はさらに、中東和平の進展、シリアの深刻な現状などに注目。これに関連して、プーチン大統領は、今年9月、サンクトペテルブルクで開催されたG20首脳会議に教皇がおくった書簡に対し感謝を述べた。この書簡の中で教皇は、より良い世界の構築と平和の推進を励まし、シリアをはじめとする中東情勢への積極的な関心と取り組みを呼びかけていた。 教皇と大統領は、シリアにおける暴力の速やかな停止と、人道支援、また交渉を優先し、様々な民族・宗教を考慮した平和的解決の必要を強調した。 「教皇、プーチン露大統領と会見」(2020年11月26日 バチカン放送局) まさにこのお二人、この両国は大変に素晴らしい働きをしたのです。 上述のように当時の状況は、中東大戦から第3次世界大戦へとなるような状況でしたが、2014年9月、以下の記事にあるように法王フランシスコはまさに第3次世界大戦という言葉を使って世界を描写しているのです。この言葉は、当時をしっかりと分析していれば、当たり前の認識なのです。 「ローマ法王が戦没者追悼 「第3次大戦」を懸念」(2014年9月14日 日本経済新聞) そして、その当時の米国の大統領はオバマ氏、そして副大統領はバイデン氏なのです。 「トランプの致命的な失策?」(2020年8月25日) | |
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