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この党に欠けているものは、日本に欠けているものでもある
[日本の政治]
2021年2月13日 23時57分の記事

以下の時事通信の記事では、立憲民主党の軸足が定まらないと結論づけています。その原因をこの記事では、通常国会序盤において同党が政策提案型の質問をしている一方で、政権与党の疑惑が次々出てくるので、その追求もするからと述べています。何とも変なことを言う記事です。

「立憲、提案路線に揺らぎ 『疑惑』続々、軸足定まらず」(2021年2月13日 時事通信)

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野党として政策提案をするのも、与党や政府の疑惑・不祥事を追求するのも当たり前で、実際、同党幹事長の福山氏は、この両方をやると2月12日に述べています。それで良いのですが、ではどうして、政策提案をして、同時に与党や政府の疑惑・不祥事を追求すると軸足が定まらなくなるということになるのか? それは記事の以下の部分にポイントがあると考えます。


野党第1党にもかかわらず党の支持率が伸びないことについて、「疑惑追及ばかりでは政権を任せられない」と指摘されてきた。


そもそも疑惑ばかりの政権に国は任せられない
「疑惑追及ばかりでは政権を任せられない」というのは誰が言っているのかわかりません。日本にある漠然とした雰囲気なのか、それとも時事通信そのものなのか? 主語がはっきりしないのですが、実際、立憲民主党が与党や政権・政府の疑惑を追及すると、どこからともなくそう言われてきました。そして、現在も、相も変わらずスガ政権において疑惑が出ているわけです。
しかし、「疑惑追及ばかりでは政権を任せられない」と言う前に、そもそも『疑惑ばかりの政権に国は任せられない』と考えるべきではないでしょうか? そして、今もスガ政権において相変わらず疑惑が出ているわけです。それで、その疑惑を追求すると政権を任せられないというのでは、誰がこの国で政権与党の疑惑をただすのでしょうか? ちょっと冷静に考えれば、バカみたいな話しをこの記事では堂々と書いているわけです。ジャーナリズムの明らかな劣化です。
疑惑とは不正のことですから、国政において不正がずっと行われていて、それを追求すると政権を任せられないというのなら、そう考える国民の方がおかしいでしょう。そんなことでは当然、政治が腐っていくに決まっています。国民の思考がどこかで間違った方にいっているか、間違った方に誘導されているかなのです。国を正常化させるには、それをまずただすことをしなければなりませんが、その一つのキーは間違いなくジャーナリズムの劣化をただすことでしょう。

立憲民主党に欠けているもの
上記のように立憲民主党は『政策提案』と当たり障りのないことを言っています。でも、彼らの提案する政策からは何も伝わってきません。その政策を聞いていても、『良い国になるな』とか、『生きる希望が湧いてくる』というような想像をかき立て、創造性をかき立てるものがないのです。
それは、結局はマーケティング的に政策を提案しているからと考えています。つまらないテレビドラマのように、マーケティング調査で出てきた人にウケる要素を組み合わせて、制作会議でのウケは良いような政策しか出さないからと考えます。
政党においては、往々にして政策立案を担当すると、国民が求める政策のマーケティング調査をして、その結果に準じて政策を出していくという安易なことをしてしまいます。しかし、このようにすると誰が政治をやっても同じと言うことになり、それでは政党や政治家としての役割を放棄しているということになるのです。そして、そのことには、まったく気がつかないのです。
当然、このような思考には、『社会や国を良くしよう』とか、『国民に生きる希望を見いだしてもらおう』という発想はありません。なぜなら、マーケティング調査ででた結果通りにして『国民にウケる』ことしか考えていないからです。そしてこの『国民にウケる』ことに焦点があることの本質は、国民の声を聞くことを実はしていないということなのです。愛されることしか目的としていないからです。国民の声を聞くとは国民を愛することなのです。
立憲民主党は、与党になるためにと『政策提案』ということを言っていますが、その提案される政策に『方向感』がないのです。それは、政党として『この国を良くする、国民に生きる希望を見いだしてもらう』という根本的な核・精神・方向感がないからでしょう。
この方向感・核・精神がないから政権を任せられないのです。これが実相と考えます。実は、これは10年前の旧民主党時代からずっと変わらないことなのです。この根本的なことをずっと見失っているのです。そのことに気がつかない。立憲民主党の支持率が伸び悩むのはここにポイントがあると考えます。
立憲民主党に方向感・核が出きてくれば、提案される政策も良くなるでしょうし、疑惑の追及ももっと迫力が出てくるでしょう。そして、同党は立党の時には、これがあったのです。だから、支持されたのです。話しは極めて単純なのです。

日本に欠けているもの
とは言え、この方向感・核・精神がないことは、立憲民主党に限ったことではありません。日本全体もそうでしょう。経済については、ずっとバブルの延長で考えています。それが、まさに新自由主義なのです。しかし、その新自由主義がまったく成果を上げていないことはわかりきっているのに、そのことをいまだに認められないでいます。まさに思考の硬直。その硬直した思考による現実がまったく失敗しているにも関わらず、思考が硬直しているので新しい方向に歩み出せない。だから、当然の結果、方向感がなくなっているのです。それが20年以上、ずっと続いているのです。
このことの別の側面が、リベラルは経済がダメで、やっぱり新自由主義の自由民主党が経済は長けていると漠然と考えることです。当然、この結果、経済は悪くなるだけということになるのですが、それが理解できない、というより理解しようとしない。基本は何も考えていないからですが、失敗を認めたく無いからと考えます。個人としても全体としても。だから、ずっとクールジャパンと言い続けているわけです。その本質は何も考えていない、考えようともしない、ただただ受け身なのです。そこには当然、方向感はないのです。ただあるのは、過去の栄光に基づく幻想だけなのです。
こういう思考プロセスなので、自民党の疑惑を野党が追及しても、「疑惑追及ばかりでは政権を任せられない」となるわけです。そしてその当然の結果として、さらに国の政治・経済の劣化が進んでいくのです。まさに負のスパイラルとなるわけです。



最終編集日時:2021年2月14日 2時19分

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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