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東日本大震災に思う ?
 
2021年3月11日 23時53分の記事

天皇陛下が政府主催の東日本大震災の追悼式でお言葉を述べられました。お言葉を拝聴していて、とても熱のある強いお想いがヒシヒシと伝わってまりました。まさにお人柄が伝わってくるお言葉と存じました。

「【全文】天皇陛下のおことば 東日本大震災10年 犠牲者の追悼式」(2021年3月11日 NHK)

「天皇陛下『忘れることのできない記憶』追悼式でおことば」(2021年3月11日 NHK)

「東日本大震災追悼式、政府主催は21年まで 官房長官」(2021年1月21日 日本経済新聞)

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拝聴して、ふと私なりに陛下のお言葉を考えるに、今年で政府主催の追悼式典が最後になることに御懸念があるのではないかと存じました。お言葉にも「一方で、被災地ではまだ様々な課題が残っていると思います」、「私も、皇后と共に、今後とも被災地の方々の声に耳を傾け、心を寄せ続けていきたいと思います」とあり、追悼式典を今年を最後にしてはいけない、風化させてはいけない、そんな陛下のお想いがあるのではないかと存じてしまいました。もちろん、あくまでも私の勝手な推察でございますが、実際、今年で最後にしてはならないと心から存じます。

やはりこのような式典は追悼ということを通して、防災ということだけではなく、社会のあり方、人のあり方、そして政治のあり方を見つめ直す機会になります。原発事故に至っては、現在進行形のことであり、その事故、人災によって人生を狂わされた方々への想いをはせ、寄り添い、社会のあり方を考えなくてはなりません。もちろん、震災についてもまったく同じですし、他の災害に苛まれた方々に対しても同じです。
以下のニュースでは、本日午後2時46分、地震があった時刻の東京の銀座・新宿で黙祷を捧げている方々の映像があります。私は他局のニュースで新宿の模様を観ましたが、以下のNHKよりももっと沢山の方々が黙祷を捧げていました。この光景を観て、日本人にとってこの東日本大震災は本当に大きなことであることがヒシヒシと伝わってきましたし、この震災で犠牲になった方々、被災された方々への多くの日本人の篤い気持ち、人々へ寄り添う気持ちがとても伝わってきました。この姿を拝見して、日本人も捨てたものではないなと心から思いました。そこに日本の希望を見いだします。

「都内でも午後2時46分の祈り 銀座・新宿」(2021年3月11日 NHK)

しかし、政府主催の追悼式典を今年をもって最後にするということなのです。血も涙もない自民党政権ですから、東日本大震災というこれだけ大きな惨劇での国民の心の傷、想いを理解していないのでしょう。推測するに、原発推進をするために、震災と原発事故を思い出されることを嫌がっているのではないかと考えます。あくまでも推測です。福島第一原発事故については、結局、ほとんどいまだに何も解決していません。

私にとっての東日本大震災
私事というか、私なりにしばし東日本大震災を見つめて観たいと思います。
地震発生時は、東京の自宅にいましたが、最初は小さな地震ですぐにおさまるかと思っていました。しかし、段々と大きくなるにつれて、『ついに来たのか』と思い、自分の部屋から出てリビングルームに向かいました。リビングルームでは、大きく揺れる大画面の液晶テレビの前でネコが寝ていたので、あわててそのネコを抱きかかえてベランダに出ました。地震の揺れが最大になるにつれて、周りの風景が見えにくく、視野が狭くなったことを今でもよく憶えています。これは人間の感覚異常なのか、それとも何らかの現象かはわかりません。
ようやく長い地震が収まり、リビングルームに戻ってテレビをつけました。最初にフジテレビの映像が飛び込んできました。二人のアナウンサーがヘルメットをかぶっている光景を観て、一瞬にして認識がこれまでの日常から非日常となり、画面に出ている日本地図のほとんどの海岸線が津波警報で点滅しているのを観て、とんでもないことだとはっとしました。そして、最高震度が7と知って、思わず「えっー」と声を上げてただただ事態の深刻さを認識しました。震度7という数値を聞いたのは、誰にとっても初めてだったと思います。
そして、1時間も経たないうちに津波の映像がテレビに映し出され、ただ、それを見つめるしかありませんでした。そして余震がおそい、家族とともに家の外に急いで出ました。外では、小学校低学年の女の子が、防災頭巾をかぶって泣きながら通りの反対側を歩いているのが印象的でした。 
一晩中ずっとテレビのニュースを観ていましたが、3月12日になった真夜中、今度は震度6の長野県北部地震が発生、そのニュースを観てパニック映画の中にいるのではないかと錯覚したほどでした。
しかし、本当に愕然としたのは、原発でメルトダウンがはじまっているという情報を知ってからです。愕然としたのは、一般的ではまったくないとても特別な事情があったからですが、その事情は申し上げません。もちろん、その事情とは私が福島第一原発に関わっているなどということではまったくないのですが、ただ、311の直前に浜岡原発の関係者と会う予定であったことだけは申し上げておきます。
そして、このメルトダウンのことを知ってとにかく驚愕しましたが、この報に触れて、自分がしっかりとしたことを行わなかったことをとても悔いて、そこからはとにかくこの震災、原発事故について動きました。
私は311以前は、原発に対して賛成・反対のどちらの認識も持ち合わせていませんでした。まったくの無関心、何も考えていなかったのですが、このメルトダウンの情報を知った瞬間から、とにかく理屈ではなく反原発なのです。私と同じ体験をすれば必ず同じ結論になるはずです。
いずれにせよ、この福島第一原発事故は、それまでの自民党の長期政権と政財界の体制が生み出したものです。その体制で杜撰な管理だったからこそ、政権の経験が浅い民主党政権下で未曾有の地震と津波が発生、万全を怠ったそもそも欠陥がある原発で事故が起きたという単純な話しなのです。本ブログで何度も指摘しているワクチンの開発・製造で日本がまったくの自立性を自民党政権下で喪失していることとまったく同じことです。
そして、この原発事故の最も大きな責任を負っているのが、アベ氏であるわけです。以下のリテラの記事でそのことが非常に良く書かれていますが、そのポイントは以下の部分です。


実は、第一次安倍政権だった2006年、すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていた。にもかかわらず、ときの総理大臣だった安倍晋三は、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、一切の対策を拒否していたのである。

「何度でも言う! 安倍首相こそが福島原発事故の最大の戦犯だ! 第一次政権で津波による冷却機能喪失対策を拒否」(2019年3月11日 リテラ)


事故の可能性を国会で指摘していたのは、共産党の吉井英勝衆院議員(当時)で大変に良い仕事をしています。しかし、その極めて重要な吉井議員の指摘に対して、対策を一切拒否したのがアベ氏であるわけです。間違いなくこのときしっかりと対策を行っていれば、福島第一原発の事故は生じず、多くの人々の人生が原発事故によって狂わされることはなかったわけです。アベ氏というのは本当に疫病神です。

そんなアベ氏を2012年の第二次アベ政権発足時には支持してしまった自分を本当に恥ずかしく、また世間に対して心から申し訳なく思っています。心からお詫びいたします。とにかくひとえに私の不明こそのことなのです。あまりにものを知らなかった、それにつきます。

話しを元に戻すと、このリテラの記事では、このアベ氏の所業を多くの国民が知らないとあります。これほど常識的なアベ氏の所業を知らないからこそ、最長期政権ということになったのかもしれません。このリテラの記事にあるように、このアベ氏の所業をマスメディアは報道をほとんどしていませんし、共産党以外の野党も基本的に追求をしていないのではないかと考えます。今からでも遅くはないので、しっかりと追求すべきでしょう。それが日本の政治にとって極めて重要なことであるのは明白です。
それにしても、原発事故の除染費用だけで4兆円という途方もない額です。これだけのものなのに、いまだに脱原発の方向性をはっきりとつけられていないのが、日本なのです。結局、自民党体制で原発を推進し、そして杜撰な管理をした結果、政権経験が浅い民主党政権で未曾有の大地震・津波が発生、アベ氏のために万全を怠った福島第一原発で必然の事故が生じたわけです。原発事故の責任の張本人はアベ氏・自民党であるわけで、その自民党に脱原発ができると考えること自体が、そもそも無理なのは論理的な帰結です。政治を変えるしかないのです。そして、同時に、アベ氏の責任は徹底的に追求すべきなのです。

「巨額の除染費用を賄えるのか 東京電力株価 目標水準に近づかず」(2021年3月10日 NHK)

「東日本大震災に思う ?」(2021年3月12日)へ続く。

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片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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