このブログのトップへ こんにちは、ゲストさん  - ログイン  - ヘルプ  - このブログを閉じる 
行政の後進性とワクチンの自立性の喪失は同じこと ?
[日本の政治]
2021年4月5日 23時40分の記事

昨日の本ブログ「行政の後進性とワクチンの自立性の喪失は同じこと ?」(2021年4月4日)の続きです。

【PR】電話相談システム開発ならイーステム


繰り返しになりますが、本ブログで書いてきたわが国がワクチンの開発・製造の自立性を喪失した原因を端的に現わす文を再掲しましょう。
まず本ブログ「ワクチンのお話し その2 ?」(2021年2月23日)で書いたものです。ちょっと長いですが、もう一度、おさらいをしましょう。


日本のワクチン開発・製造能力は皆無に等しい状況です。まったく自立性がなくなっているのです。これ、国民の命に関わることですからね。その上に他国からもワクチンを調達できない、注射器も最新のものは調達も製造もできないというのが、クールジャパンであるわけです。クールジャパン。本当に情けない。冒頭で取り上げたブログ記事「ワクチンのお話し」(2020年4月28日)では以下のように書きました。


ただ、実は日本のワクチン開発は必ずしも楽観的な要素ばかりではなく、そのことが以下の東洋経済の記事に書かれています。この記事にあるとおり日本は圧倒的に出遅れていて、だからこそ、上記のスプートニクの記事にワクチン開発国として載っていても、その具体的な動きを示すリンクがなかったものと考えます。

「『コロナワクチン』日本が圧倒的に出遅れる事情 国家が民間に丸投げしたツケ、海外頼みの悲哀」(2020年4月25日 東洋経済)

日本はどうして遅れてしまっているのか? それは、簡単に言うと、巨額な資金が必要な製薬業界で、ワクチン開発を民間に丸投げしたことによって、ワクチン開発企業が立ちゆかなくなっているからです。
実はこのことはワクチンだけではなく他の薬などについても同じなのです。日本は非常に遅れているのです。5、6年ほど前、ドイツのマックスプランク研究所でマイクロRNAの研究をしていた知人から、その事情をじっくりと聞きました。曰く、日本の製薬会社は化学をベースにしているが、海外の製薬会社はDNAをベースにしてドンドン進んでいて、SF映画のようなものもすでにあるとのことでした。化学をベースにしているとは、私たちが知っている薬のことですが、世界はそういうレベルではすでにないということなのです。
このDNAなどのことでも日本は遅れているのです。この私の知人は、そういう惨憺たる状況を何とかしたいと熱心にお話しをしてくれましたが、このような日本の後進性が、韓国がPCR検査をドンドンやり、日本がPCR検査をしなかったという差が生まれた根本的な理由の一つです。やりたくてもできない。だから、日本国民のために首相の安倍氏は韓国に頭を下げてでもしなくてはならなかったのですが、そのような動きを一切しませんでした。したがって、当然、そのことで失われた命が数多あると考えます。
要するに、製薬などの分野で韓国が先を走り、日本は後進国なのです。だから、左様に差がついたのです。このようなものは、長い時間をかけた蓄積の差なのですが、韓国はすでに先を行っているわけです。そして、安倍政権ではその差が広がるばかり、つまり縮めようともしていなかったと言うことなのです。本ブログ「本当にレベルが低いミヤネ屋」(2020年4月27日)で述べたように、小泉・竹中構造改革路線以来、日本の医療は、国民にとってという意味で非常に疎かにされています。これまで多くの医師の方々のご努力で何とか一線のレベルを保っていますが、そもそも国民の医療のクオリティは、安倍政権で上げられることはなかったのです。そういうツケが、今、この新型コロナウイルス問題で大変な勢いで噴出しているのです。
私たちは、新しい時代において、このよう医療や製薬についても、国民、そして何よりも人間を大事にすることを中心に立て直していかなければならないのです。そのために、今、立ち上がらなければならないのです。


この日本の医療・製薬の自立性の喪失について、もう一つ別のお話しをしておきまししょう。それは子宮頸がんワクチンについてです。
子宮頸がんワクチンについては以下のように副作用が言われ、集団訴訟になっています。

「子宮頸がんワクチンで集団提訴 63人、健康被害訴え」(2016年7月27日 朝日新聞)

実は子宮頸がんワクチンは早期から問題が言われていて、今から12、3年前、国民新党はこのワクチンの採用を徹底的に反対していました。国民新党は議員数が10名程度の小さな党でしたが、医師の議員が二人いて、一人は自見さんでハーバードで公衆衛生を教えていて、もう一人は森田氏でした。この二人が専門家として、子宮頸がんワクチンは効果が極めて限定的な一方で、必ず問題が起るという理由で徹底的に反対していて、そのことを政調会で厚労省の役人に強く言っていました。
その時にこの二人の議員から出た言葉が日本人女性を実験のモルモットにする気かというものでした。そして、その後、上記のように集団訴訟になり、この二人の議員の言っていることの正しさが証明されたのです。この集団訴訟の記事が出たとき、日本政府は本当にひどいことをするものだと心から思いました。このワクチン接種を進めたのは当然、自公政権です。そして、これ以上にひどい女性虐待はないと思っています。何せモルモットにしているのですから。
この『日本人女性を実験のモルモットにする気か』という言葉には、他の意味も含まれています。それは、まったく日本政府は日本の製薬会社をまったく育てようともせずに、一方で海外の製薬会社がつくっているものを何の疑念も抱かずに、言われるがままに導入するひどさと、そういうことを平気でする新自由主義という意味です。
すでにこの時から日本政府・自公政権は自国のワクチン開発を放棄し、海外の製薬会社の言われるがままでしたから、2021年の現状においてワクチンなどで自立的な開発・製造ができなくなっているのは当然の帰結なのです。不思議でもなんでもないことなのです。


「行政の後進性とワクチンの自立性の喪失は同じこと ?」(2021年4月6日)へ続く。

このブログへのチップ   0pts.   [チップとは]

[このブログのチップを見る]
[チップをあげる]

このブログの評価
★★★★★

[このブログの評価を見る]
[この記事を評価する]

◆この記事へのコメント
コメントはありません。

◆コメントを書く

お名前:

URL:

メールアドレス:(このアドレスが直接知られることはありません)

コメント:




◆この記事へのトラックバック
トラックバックはありません。
トラックバックURL
https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/458735
くる天

◎ 必読の書

○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
本ブログについて
日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
日本と世界の政治経済の本質を読み解く
地域:東京都
性別:男性
ジャンル:ニュース
ブログの説明:
世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
ブログ内検索

カレンダー
<<2021年04月>>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
カテゴリ
全て (1453)
日本の政治 (1364)
ザ・フナイ (15)
中東情勢 (4)
アジア・太平洋情勢 (2)
戦争の構造 (3)
世界の読み方 (15)
書評 (1)
勉強会・講演会のお知らせ (3)
本ブログの重要記事

注目です!

「韓国のリベラルはとてもレベルが高い」(21年2月3日)←New!
「やはりイギリスが言い始めた」(21年2月4日)←New!
「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(20年12月31日)←New!

値千金のブログ記事:岡田晴恵特任教授、国のコロナ対応に激怒!番組出演中に声を震わす 「このままだと3月4月にピークがきます」 (20年2月25日)
○本ブログ「この緊急時にこの政権の遅さは致命的? 」(20年4月16日)
○本ブログ「アメリカ政府が認定した当然のこと」(20年4月4日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月1日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月4日)
「ノーベル賞受賞者が新型コロナウイルスの早期回復(終息)を予測した理由:「我々は良くなっていく」(訳文)」(20年3月23日 ロサンゼルス・タイムズ)
最近の記事
11/13 08:50 石破さんの素晴らしい言葉
11/08 11:07 FRBの利下げをいかに考えるか
11/08 06:22 トランプ時代の日本には石破さん以外の選択肢はない――むしろ天の差配
11/06 13:56 100%改めるべき米国・トランプについての日本の偏向報道
11/06 01:34 政界の転換期――今は正常性バイアスがとても危険な結果をもたらす
10/31 23:36 今回の総選挙を考える
10/28 01:55 石破さんは間違いなく『続投』すべき
10/25 00:46 ロシアへの北朝鮮兵士の投入――別の見方があるのではないか
10/23 23:56 この選挙における『石橋湛山』というキーワード
10/21 23:46 世間的な勘違い
携帯用アドレスQRコード
QRコード対応の携帯で、このコードを読み取ってください。


Copyright (c) 2006 KURUTEN All right reserved