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《日本の政治》 岸田体制はアベ・スガ体制の継承 そして国民民主はそれにすり寄る
[日本の政治]
2021年11月4日 23時52分の記事

自民党総務会長の福田氏が森友学園問題についての再調査に否定的と、以下のように報じられています。実質、再調査を否定しているのですが、その理由として「必要があれば説明するのは当たり前だが日本は罪刑法定主義の国だ。疑惑だけで引っ張るのは少々不思議だ」(11月4日 日本経済新聞)と述べています。この理由は話しにならないのですが、さすがにこの発言をみて、そのレベルの低さに腰を抜かしてしまいました。

「自民・福田氏、再調査に否定的 森友学園問題で」(2021年11月4日 日本経済新聞)

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罪刑法定主義とは、以下のようなものです。


犯罪として処罰するためには、何を犯罪とし、これをいかに処罰するかをあらかじめ法律により明確に定めておかなければならない、という近代刑法上の基本原則。これに対し、罪刑を法執行者の専断にゆだねる考え方を罪刑専断主義という。近代刑法学の父とよばれるフォイエルバハは、この原則を「法律がなければ犯罪はなく、刑罰もない」Nullum crimen, nulla poena sine legeという標語により適確に表現している。

(日本大百科全書(ニッポニカ)「罪刑法定主義」の解説より)


簡単に言うと全ての犯罪は法律の規定に基づいて判断されるということです。今や当たり前と言えば当たり前のことです。
ただ、この森友学園問題については、様々な問題点や疑惑があり、それらがすべてきっちりと調査されてきたわけではありません。
その全容は、いまだ自民党政権下の省庁から十分な情報が開示されていません。森友学園問題、それに付随する公文書偽造問題、赤木さんの問題。何一つはっきりしていないのです。
ですから、そもそもこの森友学園問題における諸問題が、どの法律に抵触するかと何も判断できる状態ではないのです。
そういう状態で、「日本は罪刑法定主義の国だ」という論理で、再調査を否定するというのは、まったく論理として噛み合っていません。ちょっと頭がおかしいのではないかと思うレベルです。
それに、自民党と言うのは政権与党を60年以上も続けている世界的にも珍しい政権党です。言うまでもなく、その自民党は法律を作る権力を単独で有するほぼ唯一の政党です。その自民党の総務会長が「日本は罪刑法定主義の国だ」といって疑惑を退けるのは、自分たちには甘い法律をつくって、その法の抜け穴を利用していると言っているに等しいのです。
ここまでレベルが低いとはさすがに思いませんでした。自民党のホープと言われた割にはレベルが低すぎます。
まあ、福田氏は色々と理由はつけていますが、メッセージは一つなのです。それはアベ・スガ体制、アベ・スガ路線を今後も断固として継承・継続するという宣言です。それにつきます。これが岸田体制の本質と言うことです。
この福田氏のメッセージは国民の声を聞かないと言うことです。

◎ 日本の選挙での投票行動は自民か、それとも反自民かの二者択一
実は、今回の衆議院議員総選挙において、以下のように、小選挙区、比例代表とも、野党(非自民)・無所属が、与党(自公)を上回っています。


2021年の衆議院議員総選挙

与党(自公)
小選挙区 28,499,088.887 49.60%
比例代表 27,029,165.000 47.04%

野党(非自民)・無所属
小選挙区 28,958,344.100 51.4%
比例代表 30,433,982.420 52.96%

ウィキペディアより


このような反自民の民意は、ダイレクトに議席数としてはあらわないのです。
しかし、反自民の民意はとても強いのです。そして、そのような声を自民党は無視すると上記の福田氏は宣言したのです。
これはすごいことです。
日本の国政選挙において、最大のポイントは、実は自民か、それとも反自民かなのです。
有権者の判断には温度さがありますし、しっかりと調べている方々も沢山います。しかし、やはり国政選挙においては、マクロで観ると自民か、それとも反自民という投票行動ということが見えてくるのです。
ですから、本ブログ「《日本の政治》 今回の総選挙の分析 その2 (2)」(2021年11月3日)などで、今回の総選挙の最大のポイント・特徴として『反自民の風』ということを真っ先に上げているのです。
まずこのことが、すべての判断においての最初のことなのです。このような自民か、それとも反自民かという投票行動は、いずれ終わるでしょうが、当面、最低でも数年はまだ続くと考えます。
そうなると、上記の小選挙区、比例代表とも野党(非自民)・無所属が、与党(自公)を上回っているという数字は、非常に重要な意味を持つのです。
実はこの傾向は2014年以来ずっと続いていているのですが、議席としては自公大勝という形で、議席に民意が反映されることはありませんでした。
そして、その後もアベ・スガ体制で、この民意を無視続けてきたのですが、やはり今年は非常に悪化し、8月くらいには与党(自公)への評価は極めて悪くなりました。しかし、その後、新型コロナウイルスの感染状況の収束傾向と岸田新体制で持ち直したというわけです。これでも持ち直したのです。
したがって、今後、また岸田体制が、アベ・スガ体制の継続で、アベ・麻生の傀儡と言うことがはっきりしてくると、大きく評価を落として行くことは間違いありません。

◎ 国民民主党の迷走
一方で、以下のように国民民主党が、立民、共産、社民との共闘関係を解消すると報じられています。

「国民民主党 立憲民主党や共産党との連携を見直しへ」(2021年11月4日 テレビ朝日)

その理由として、自公と「対決色が強いだけでは民意に応えられない」(11月4日 テレビ朝日)と代表の玉木氏は述べています。
上述のように、日本の国政選挙において最大のポイントが、自民か、それとも反自民かというのに、反自民の旗印を国民民主党は捨てると言うことなのです。
そして、自民党と同一化すると言っているわけです。
それにしても、国民民主党は、反自民という票田よりも少ない自公という票田に入ろうとしているわけです。反自民の票田は、かなり流動的ですが、自公という票田はがっちり固められている票田です。そこに国民民主党は飛び込むというのですから、かなり思い切った決断と言えるでしょう。集票において、中々、有効な道筋は見えてこないのではないかと考えます。
単なる好みの問題で、政治を判断してるものと考えます。現実感がない趣味の世界と考えます。
国民民主党は、単に国民無視の戦前と同じ大政翼賛の方向に動こうとしているだけと考えます。そうでなければ、先の総選挙で比例代表での党名の略称を、立憲民主と同じ『民主党』にすることはないでしょう。基本的には立民と共産の野党共闘潰しでしかないのです。

「比例代表の党名に『民主党』が二つ、なぜ?」(2021年11月1日 河北新報)

はっきり言うと、非リベラルの野党というのは、自民党の別働隊と考えるべきことと考えます。だから、アベ・スガ路線、自民党へのすり寄りということが起きてくるわけです。これは維新も全く同じと考えます。実際、維新は、国会での質問でも、野党なのに、なぜか野党の批判しかしないといつも思います。本当におかしいなといつも思ってしまうのです。
国民、有権者が、反自民、非自民と考えて入れた票が、実は自民党のためになっているという詐欺をこれ以上、続けさせるのは日本のためにはならないと考えます。このようなことは一刻も早くやめさせなくてはならないのです。そして、すっきりとしたわかりやすい政治を実現しなくてはなりません。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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