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《日本の政治》 首相のキシダ氏の記者会見
[日本の政治]
2022年2月18日 1時50分の記事

2月17日のキシダ氏の記者会見を観ましたが、端的に言って今後、昨年秋・初冬の収束傾向が現われない限り、キシダ政権は完全に失速すると考えます。政権のブレーンの危機意識が非常に低いことがとても気になります。

「まん延防止措置『一定の効果あった』/岸田総理 記者会見【ノーカット】」(2022年2月17日 テレ東BIZ)

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記者会見冒頭から、キシダ氏はわが国における感染状況は諸外国より良いと述べています。しかし、このことはすでに言えなくなっていると考えます。すでに諸外国並に悪くなっています。さらに、中国や台湾のように素晴らしい実績を上げることを、国民の命と生活を守るために政府は目指さなくてはなりません。悪い例を指摘して自分を肯定するというのは、政治リーダーとしては最低の論理です。そういうことを当たり前のようにやらないでほしいと心から思います。国民の命と生活がかかっているのです。この言葉だけで政治家は失格です。
また、キシダ氏はこれまで最悪を想定して対応してきたと述べているのですが、実際、今回の第6波では感染者数と犠牲者数が最悪になっています。ということは、最悪を招いてしまっているわけで、まったく自分の論理の破綻に気がついていないのです。
要するに感染者数と犠牲者数が最悪になっているということがどれだけインパクトがあることかが、政権中枢は理解していないという危機意識の欠如がこの言葉に表れていると考えます。現在の状態は、今後、政権運営にとってはボディーブローのように効いてきます。『オミクロン株の特性』というマジックワードによって、事態の深刻さを把握できない非常に問題ある政権の思考の状態をこの言葉は示しています。
最悪の感染爆発と死亡者数が出ているのですから、今後、どうして『緊急事態宣言』をださなかったかということは確実に問われます。これからずっとこのことはつきまといます。
今回の記者会見で、キシダ氏は第6波の出口戦略と言っています。しかし、まだ出口に来ているかはわかりません。それにそもそも、出口戦略は、感染の収束(終息)を確認したから考え、実行すべきことです。さらに、最悪の感染爆発と死亡者数を出したキシダ政権下の第6波の総括はこれから行なわれることです。結果が最悪ですから、当然、これは政治責任がともなうものです。責任の追及が必要になります。

◎ 発言が完全に破綻している
キシダ氏は『オミクロン株対応の要諦』について以下のように三つ述べています。


・ 国民の命をまもる
・ 自宅療養の方々の不安に応える
・ 経済社会活動をできるかぎりとめない


まず、『国民の命をまもる』は、これは第6波の死亡者数が最悪ですから、まったく発言が破綻しています。
次に『自宅療養の方々の不安に応える』についても、これは本ブログ「《日本の政治》 日刊ゲンダイのとても良い記事」(2022年2月13日)で取り上げたように自宅などでなくなる無念死(孤立死)が非常に多くなっていることで、やはり破綻しています。自宅療養の方々への対応が上手くいっていれば、このような記事は出るはずはありません。さらに本ブログ「《日本の政治》 衝撃的なニュース オミクロン株、実はものすごい大変な変異種の可能性」(2022年2月16日)に取り上げた、さいたま市の10代後半男性の方が亡くなったことを観ても、まったくキシダ氏が豪語するレベルではないことは一目瞭然です。この10代後半の男性は、キシダ自民党政権が早期に緊急事態宣言を発令していれば、命の危険に遭遇しなかったかもしれません。少なくともそのようなリスクは確実に低下していました。
また、キシダ氏は、新型コロナウイルス用の薬が『ゲームチェンジャー』と言っていますが、まだ、その実績がはっきりと出ていない段階でそのように言うのは明らかに『慎重さ』に欠ける発言と考えます。単なる自己肯定の話しに過ぎません。言うまでもなく、効果が誰もが認める状態になったときに言うべきです。現状は最悪の感染爆発と死亡者数を出している状態なのです。
話しを戻して、キシダ氏の『オミクロン株対応の要諦』の三つ目『経済社会活動をできるかぎりとめない』です。このことによって緊急事態宣言を出さずに、初動が遅れ、現状は最悪の感染爆発と死亡者数を出しているのです。このことによって命を落とした方が多数いのです。
そして、これがキシダ氏の言う『新しい資本主義』なるものの実像と言うことです。こんなものには期待すべきではないでしょう。日本人の命がいくつあっても足りません。

◎ コロナ禍を克服しないかぎり社会・経済の正常化はあり得ない
ワクチンの接種がある程度の数になるのは3月いっぱいかかるでしょう。そうなるとそれまでは徹底して新型コロナウイルスの感染抑制策をしなくてはなりませんが、キシダ氏は前のめりになって、現状、出口戦略を急いでいます。それは『経済社会活動をできるかぎりとめない』、『新しい資本主義』を優先しているからにほかなりません。
キシダ氏は、海外からの入国に対する水際をしっかりやり、その間、国内体制を確立できたと記者会見で述べていますが、それで最悪の感染爆発と死亡者数を出しているわけですから、完全に論理が破綻しています。それに水際対策をしっかりとしていないから、オミクロンの大流行となったわけです。感染源の米軍に対してもなにもやっていない。
ワクチン接種がある程度の数になるには3月いっぱいかかる現状のワクチンの接種状況を考えれば、まず国内での収束の確定を実現して、それから段階的に水際対策を緩和するほかないでしょう。まだ、国内で収束傾向はまったく定まっていません。
現状、東京都内を観ていると感染状況は、今後、さらに悪化するのは目に見えていると考えます。新型コロナウイルス対応のポイントは3つ。ワクチン、検査と隔離、行動制限です。この3つをしっかりとやって感染拡大を徹底して防止するしかコロナ禍の出口はありません。そして、終息傾向(感染者が一桁台以下など)を確認するところからしか出口はないのです。
感染拡大を野放しにすれば、変異種の発生を招き、このコロナ禍が今後10年、20年続くことになり、社会・経済に甚大な、壊滅的な被害をもたらすことになるのです。基本は感染の防止しか、伝染病への対処の方法はないのです。
このことをしっかりとやっていないので、コロナ禍が2年以上も続いているのです。早いところこのことを理解して、正常化に向わなければなりません。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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