| パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その６ | |||||
| [日本の政治] | |||||
| 2023年10月24日 23時56分の記事 | |||||
本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その５』（２０２３年１０月２３日）の続きです。
１０月１６日以降、パレスチナ人に対するイスラエルによる一方的な虐殺の被害者のほとんどは、民間人、それも多くは子どもと考えます。 以下のテレビ朝日の２４日の記事は、『ガザ地区の保健当局は、23日の攻撃で子ども182人を含む436人が死亡したと発表』と報じています。 ・ 『ガザ地区の保健当局 イスラエル軍の攻撃により1日で436人が死亡したと発表 』（２０２３年１０月２４日 テレビ朝日） イスラエル軍はハマスを識別して空爆はしていないと考えます。そもそも、そんなことはできない。要するに無差別攻撃ということです。それがイスラエル軍の実態と考えます。実際、本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その４ 』（２０２３年１０月２２日）でも取り上げましたが、７月２０日のアラブニュースが、イスラエルによるパレスチナの『医療』を狙った攻撃を報じているのです。これも無差別攻撃です。 パレスチナ人の犠牲者は、パレスチナの保健当局が発表するものなので、その信憑性を確認する術は私にはありません。ただ、以下のように第三者的な国際ＮＧＯ『セーブ・ザ・チルドレン』の声明はそれなりに信頼を置くことができます。 セーブ・ザ・チルドレンは声明で『ガザ地区で死亡した子どもの人数が少なくとも２０００人』に上り、『イスラエルによる空爆は「子どもたちを無差別に殺害し、負傷させている」』と言っています。やはりイスラエルの攻撃は無差別攻撃なのです。CNNはこの声明を以下のように伝えています。
また、CNNは、『国境なき医師団』の現場の声を伝えています。この国境なき医師団の見解は上記のセーブ・ザ・チルドレンの見解と一致していて、多くの子どもや女性などのパレスチナの民間人が、イスラエル軍の攻撃の犠牲になっていて、イスラエル軍の無差別行為を非難しています。 ・ 『外科手術にも大やけどの子どもにも鎮痛剤なし、医薬品使い果たしたガザの病院 』（２０２３年１０月２４日 CNN） この記事の中では、国連の専門家の言葉として、『イスラエルのガザ封鎖は「言葉にできないほど残酷」』と報じています。この記事は是非ご一読いただきたいのですが、記事を読むと今、ガザは大変な状況になっていることがわかります。 記事の内容を文脈を無視して以下に抜粋していきます。因みに『カンズ氏』というのはエルサレムにいる国境なき医師団の責任者レオ・カンズ氏のことです。
明らかにイスラエル軍はパレスチナの民間人を標的にした無差別行為をしているのです。そして、イスラエルがガザを封鎖しているので満足な物資もなく、負傷した子どもが鎮痛剤を投与されていない状況になっているわけです。こんなことが許されて良いのでしょうか？ これでは『ホロコースト』ではないですか。まさに『言葉にできないほど残酷』という状況なのです。 また記事には以下のようにあります。
『一緒に生きるか一緒に死にたい』。この言葉を観ると本当に心が締め付けられます。 この記事の冒頭には以下のようにあります。
『モルヒネなしで手術受ける人たちがいる。今も２人の子どもがそうだった』。こんな残酷なことがあるでしょうか？ 私はいつもイギリスのことを悪く書きますが（イギリスの一般国民には罪はないと思っています）、以下のロンドンでの１０万人のデモはまったく正しいことです。日本の若者はどうしてしまったのでしょうか？ まったくの沈黙。だからダメなのです。心がないのです。これだけの惨事が起きているのに、何も思わないのでしょうか？ ・ 『英ロンドンで親パレスチナデモ、１０万人参加 』（２０２３年１０月２３日 時事通信） 日本の国会議員は？ 国会が始まったばかりですが、このパレスチナの惨劇に対する声がほとんど聞こえてきません。テレビの報道番組も同じです。これだけの惨劇が起きているのに『ＳＤＧｓ』ですか？ こんなことを許しておいて持続可能な社会、世界ができるはずないじゃないですか。 政策も、内外政治も、最初の出発点は『心』なのです。人に対する『情』なのです。そこが原点なのです。人が平和に安寧に生きて、社会や政治はナンボなんです。そこが原点であり、絶対に外せないこと。 そういう原点がなくて、ただ頭でっかちに『ＳＤＧｓ』とか言っているものは、いざという時にまったく機能しないのです。自分の目の前で非人道的なことが行なわれていても、『ＳＤＧｓ』と念仏を唱えるだけでしょう。 しかし、そんな社会では人々は信頼し合うことはできないのです。そして、そういう社会は亡びていく。今の日本の社会がそうなっているのです。 話しを元に戻しますと、本ブログで指摘してきた１０月７日の前にイスラエル側によるパレスチナに対するほぼ一方的な攻撃・虐殺を考えれば、そして、上述のイスラエル軍のパレスチナに対する無差別攻撃を考えれば、イスラエルがパレスチナ人との共存は考えていないことがよくわかります。 しかし、これは大変な問題なのです。イスラエルがパレスチナとの共存は考えていないことで、これだけの無差別攻撃をしているということは、最終的にイスラエルはパレスチナの排除・絶滅を目的としていると言うことなのです。要するに圧倒的な力を持つイスラエルによるパレスチナ人の排除・虐殺、そして民族浄化。それはまさに『ホロコースト』と同じ。現在のパレスチナ・イスラエル情勢では、民族浄化がキーワードなのです。 以下の記事のように、ガザ地区の地下には、４８０キロもの地下トンネルがハマスによって造られていると報じられています。東京の地下鉄の総延長距離は３０４．５キロですから４８０キロというのは相当な距離です。そして、そのトンネルは市民が利用する施設の下につくられていると以下の読売テレビの記事は伝えています。 ・ 『近づく“地上侵攻” 「地下トンネル」カギ握り…「市民が利用する施設の下にあえてつくられている」 』（２０２３年１０月２４日 読売テレビ） ・ 『ハマスの総距離４８０キロ地下トンネル網は�狡譴覆珪足瓠／夕舛鯤�散してゲリラ戦準備か 』（２０２３年１０月１９日 東スポ） そして、そういう民間人が利用する施設にトンネルの入り口があり、だからイスラエル軍はガザを空爆していると肯定するのかもしれませんが、それは明らかにおかしい。イスラエルが近いうちの地上戦をいっている中で、普通、ハマスは兵力を温存させるためにトンネルの中の安全な場所にいるでしょう。それはイスラエル側も十分に承知しているはずです。それに、そもそも、民間施設にいるハマスを識別して、空爆をすることができるはずはありません。 それならば、イスラエルがガザを攻撃すれば、民間人が犠牲になることはイスラエル側にはわかりきっていることなのです。それで敢えて攻撃するということは、間違いなくイスラエル軍によるパレスチナの民間人を標的とした無差別攻撃というこいとになるのです。冒頭に取り上げたテレビ朝日の記事では『イスラエル軍は23日、ガザ地区で少なくとも320カ所の標的を空爆したと明らかにしました』（１０月２４日 テレビ朝日）とあるのです。すごい数です。イスラエルのガザ封鎖で医療崩壊し、インフラもストップしているガザに一日に３２０箇所も空爆をするのです。どう考えても言葉にできないほど残酷で悪質な残虐行為です。 パレスチナにはイスラエルの空爆を阻止する手段はほとんど皆無と考えます。ですので、現状は実質、イスラエルがガザのパレスチナの民間人を人質にとって、毎日、殺害しているのと同じ状況なのです。 『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その７』（２０２３年１０月２５日）へ続く。 | |||||
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