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石破総理・総裁誕生は順当だが、そこにある様々
[日本の政治]
2024年9月30日 2時43分の記事

9月27日の総裁選、決選投票の票数を選挙管理委員の中谷元氏が確認しているとき、同氏の顔が緩んだのがテレビでも確認できて、石破さんが当選したのではないかと思った人は結構多かったと思います。当選者発表のあと、総裁のキシダがスピーチ。多分、このスピーチはキシダが総理・総裁在任中に最も世の中から注目されたものになったでしょう。それほどこの総裁選は注目されたのですが、キシダの声は明らかに感極まっていました。この声を聞いて、キシダも石破さんに動いたのだと率直に思いました。この中谷氏、キシダの二人の挙動を観ていると、投票している当事者でさえ、最後まで結果がわからなかったのが、この総裁選であったのではないかと思います。

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ですので、部外者に票読みができるはずもないとは思いますが、今回の自民党の選択は、本ブログ『自民党総裁選では自民党にとって『石破一択』が実相 』(2024年9月26日)に書いたように自民党にとっては『順当』な結果であったと考えます。票読みはできませんが、彼らがいかに考え、それがどのような結果に繋がったかをしっかりと捉え、その思考を積み重ねることは次の状況を考える上で非常に有益です。これが基本。
ただ、現在に思うことは、石破さんとタカイチに別れたキングメーカーの票が、言われているようなものであるかは、もう少し時間をかけて検証する必要があると考えます。キングメーカーの思惑はいわれているものとは逆の可能性があると考えています。


さて、この総裁選が始まって以来、テレビでは石破さんが議員に嫌われていると、その人望のなさに焦点がしぼられている論調がかなりありました。ネガティブキャンペーンですが、最初に私が聞いたのは、テレビ朝日『ワイド・スクランブル』であったのではないかと思います。
今回の総裁選の結果からすれば、そのようなことはなく、むしろ議員に嫌われているのは『タカイチ』の方だと言うことがはっきりしたと思います。
元自民党議員の金子恵美・宮崎謙介夫婦も、今回の総裁選に関わってテレビに出まくっていると以下の(1)の記事にありますが、夫婦で石破さんは人望がないと吹聴しまくっていました。宮崎氏は(3)の記事にあるように、石破総裁はあり得ないと断言、小泉(子)を予想していました。
この二人、いまだ自民党員ではないかと思ってしまうのですが、いずれにせよ、石破さんへの人格攻撃をすることによって、一般の石破さんの支持を失わせ、一方で小泉(子)への支持獲得を画策していたと私は考えます。こういうことは、公共の電波における政治評論において、国民にとって有益なモノとは毛頭考えません。
また、自民党にとっても不利益でしょう。今や石破さんが総裁になっていて、その石破さんの人格攻撃を徹底的にしてきたのですから、自民党にとっては明らかにマイナスです。
まあ、こちらは自民党の事情ですが、国民にとっては、この二人の二流以下、子どもレベルの言説は国民に有益なモノとはまったく思えません。いつまで、こんなものをテレビに出しておくのかと正直思います。

(1) 『金子恵美氏 自民党総裁選で夫婦でテレビに出まくり「宮崎さんは『ゴゴスマ』の裏で出てます笑」 』(2024年9月27日 東京スポーツ)

(2) 『金子恵美氏 石破茂氏の人望のなさ、体験もとに解説 だから「相変わらず仲間がいない」「若手がついていかない」 』(2024年)

(3) 『宮崎謙介氏 総裁選「ない!」TV断言、決選投票で負ける超有力候補の名前「閉店セール」 上沼「ハズれたら離婚!」 』(2024年9月24日 デイリー)

(4) 『宮崎謙介氏 石破茂氏のアジア版NATO構想は「自民党の議員のほぼ全員が?マーク」 』(2024年9月22日 東京スポーツ)


○ タカイチに投機筋が連動している
以下の2つの記事は、石破総裁誕生の瞬間から円安傾向が円高に変わり、日経平均先物が2000円以上落ちているということを報じています。実際、そうなっています。
夕刊フジでは『「石破ショック」週明けも市場に激震か』とあるように、タカイチを総裁にしないで、石破にするから週明けから市場が揺らいで、日本がダメになると明らかに意識して書いています。ここでも石破さんへのネガティブキャンペーン。

・ 『アベノミクス相場、終わりの始まり…「石破ショック」週明けも市場に激震か 総裁選、高市氏への期待感も 円高加速、株価先物暴落 』(2024年9月28日 夕刊フジ)

・ 『アングル:石破新総裁に金融市場の洗礼、円高に株急落 一過性か期待と不安 』(2024年9月27日 ロイター)


事実、週明け、日経平均は下げるでしょうが、このような夕刊フジの見方は実際ずれています。本質は上記の金子恵美・宮崎謙介夫婦のトンデモ政治評論と同じです。
円ドルの為替動向や日経平均の動向は、本質的には9月18日のFRBの政策金利引き下げに絡んでいます。この政策金利引き下げをトランプは政治的と言っていますが、その通りです。このことは近日また解説いたします。
これまで日本のゼロ・マイナス金利とFRBの政策金利引き上げで、円安になってきましたから、このFRBの政策金利引き下げで、当然、円高傾向に振れます。そして、このことに連動して株価は下がります。
これと同じなのが、本ブログ『日米の経済状況を考える キシダ・ウエダ恐慌の可能性 』(2024年8月5日)で書いた日銀による政策金利の『引き上げ』による円高と株安です。日米金利差が縮まれば円高になり、それに連動して株安になるのです。
ですので、先日のFRBの政策金利引き下げで、円高・株安傾向になるのです。
しかし、9月18日以降、実際にはそうならず、おかしいなと思っていたら、石破総裁誕生でその動きが一気に変わったわけです。要するにタカイチが、総裁選レースで伸びてきたということで、アベノバブル、アベのカジノミクス再来と円安、株高の投機的な動きが、発生していたと言うことなのです。
そのことを上記のロイターの記事では『高市トレード』と呼んでいます。はっきり言って、金儲けのための投機的な動きで、高市を支援しているのはそういう投機的な、自分の利益しか考えていない筋なのです。日本のことなんぞ一切考えていない。単に、アベノバブル、アベのカジノミクスで大もうけしたバブルの再来を求めているどうしようもない筋なのです。
アベノバブル、アベのカジノミクスで株価は4倍になりましたが、実質賃金はまったく変わりませんでした。そういう地獄を日本国民はアベノバブル・アベのカジノミクスで味わった。
にもかかわらず、また投機筋が低金利でお金を調達して、株式市場などに入れて利ざやを稼ぐことをもう一度させろというのが、タカイチを支援したと言うことです。
この週末の円高、日経平均先物の下げは、石破総裁誕生でこの投機的な『高市トレード』が引き上げただけで、週明けもそういうこところから始まるでしょう。
ただ、これからFRBの政策金利が下がっていけば、日本で現状維持が続いても円高になり、株安になっていきます。そういうトレンドにおいて、いかに国民を守るかが最も重要なのです。


○ 石破体制でやるべきこと
石破体制でやるべきこと、やるべきでないことは、まず、日銀の政策金利を急激に上げないことです。このことは何度も言ってきました。アベノバブル、アベのカジノミクスでバブル状態になっているところに、急激に金融引き締めをするとパニックになります。
政策金利を上げることによって起きるパニックで、今までこのバブルで潤ってきた者たちは資産防衛に走り、そのことによって圧倒的多数の『弱者』が被害を受けることになります。そういう事態は避けるべきで、長い時間をかけて、ゼロ金利解消をすべきなのです。これから10年のたたかいです。
次に増税はしない。これはいかなる増税も今はすべきではありません。軍事的な増税もすべきではありません。それをする時点で、その軍事的な状況は日本に不利になります。なぜか? それは増税をすれば経済が弱まり、その弱まった経済で軍事的な実力を上げることや維持することはできないからです。目の前に軍事的な危機が迫っている中で増税をしても、基本的に意味はありません。遅すぎるからです。
仁徳天皇の民のかまどのお話しが、政治の基本です。これが保守の基本です。そして、現在の日本国民のかまどから煙があがっているでしょうか? あがってはいません。日増しに苦しくなっています。それなら増税はすべきではありません。
立憲民主党の新代表はノダです。ノダは311と原発事故で日本国民が疲弊している真っ最中に消費税を倍にしたゲテモノです。そんなゲテモノを保守と呼ぶのははっきり間違っていますが、そんなモノが相手にいるときに、その同じ増税路線をすれば、たちどころに石破体制は地に落ちるでしょう。絶望の党・立民と同じことをする必要はない。
今しなければならないことは社会基盤の立て直しです。増税をしたら、これはできなくなります。
その社会基盤を最も破壊したのが、新自由主義・市場原理主義です。20年前から始まる小泉・竹中新自由主義・市場原理主義によって大きく損なわれた社会基盤を立て直し、実質賃金をまず10年、上げていかなければなりません。
そして、外交防衛では、とにかく戦争の方向にいかないことです。憲法改正もする必要はありません。勘の鋭い人ならおわかりでしょうが、すでに世界は戦争の時代に入っています。そう言う時代に戦争の方向に動けば、かならず災厄に直面します。それもかなり大きな。
そして、だからこそ、とにかく戦争に巻きこまれないようにすることが大事なのです。ポイントはとてもシンプルなのです。

また、石破さんがすぐにやることは、能登に視察に行くことです。首班指名の前に行くことです。能登を助けなければ、日本の各地は切り捨てられると切実に思うことでしょう。そう思わせてはならないのです。そう思わせたら、それが日本の終わりの始まりになります。
9月24日の立民の代表選は、能登の災害のために延期すべきでした。しかし、決行しました。それなら新代表がすぐに現地を視察すべきでした。でも、ゲテモノのノダはそんなことは一切せずに、自民党総裁選を評論している始末。とにかく、話しになりません。

石破さんは、1時間でいいから能登にすぐに行くべきでしょう。そして、話しを聞く。

これから、とにかく石破さんは笑顔を絶やさない『平野凡太郎(ひらのぼんたろう)』でいくべきでしょう。そして、能登の被災者など自然災害での被災者や様々な困窮者にあっているときは『いつものこわい顔』で『わかった』もしくは『わかりました』といえば良いのです。それだけで支持率はかなり上がるはずです。今の日本国民はそういうリーダーを求めているのです。

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○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

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○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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