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『未来からの守護者』15
[『未来からの守護者』]
2008年6月26日 17時48分の記事



この間、妹のマッキーが、すっ転んで右足を怪我しました。擦り傷にしては結構重症。あの子は私より活発に動き回るから、怪我も多いのですが、今回はなかなか完治しない様子。
昨日、マッキーが、その傷の痛みでばんそうこうをはがせなくて困ってました。
「お姉ちゃん、はがして・・・」マッキーにしては臆病な声です。
「いいの?ほんとにいのね?」私は思わずにんまり。
「やっぱりやだ」
「あっそ」
しかし、やはり自分ではがす勇気が出ないらしく、しばらくするとまた私の部屋に戻ってきました。
「はがしてください・・・」また怯えた表情でマッキーが言いました。
「わかった♪いい?いきなりはがすからね♪」私はそう言い切る前にはがしちゃいました。
その直後、耳が痛くなるほどの悲鳴。(日頃負けてるからね。これでスッキリ☆)
「ヒドイよ〜〜〜・・・」
「ほら、おネエが唐突で気まぐれなのはマッキーが一番わかってるでしょ?(笑)」
今回はマッキーも激怒しなかったので、命拾いしましたよ(^∀^;)♪♪

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〜今日の日記〜
今日のLHRの時間は、I先生によるガイダンス。前は右の耳から左の耳へと流してしまっていた、進路についてのお話です。
私は、「夢さえ叶えば大学なんてどこでもいいや。」って、かなりなげやりに考えてたんですが・・・今日は真剣にガイダンスの内容を聞き入ってしまいました。
S高の進学率は、実はそんなに悪い方じゃないみたいで、それは私たちの先輩たちが一生懸命勉強をして、大学に入ってからも頑張ってくれているからなんだそうです。
「S高校の生徒は真面目で良い生徒が多い」っていう印象を、進学先の大学に与えてくれているんだそう。特に私立大学ですね。
私は「私立の指定校推薦で行きたいなぁ。」と考え、勉強をめっちゃ頑張る気でいるのですが、それも全て先輩のおかげだと思うと、私自身も、「大学に受かっても気を抜けないなぁ。」って予想もしなかったプレッシャーの存在を知りました。じゃないと今後、後輩が指定校推薦を受けられなくなって、迷惑を掛けてしまいますからね;
けど、もっぱら文系で突き進もうと考えているので、私は文学部がある大学じゃないと受からない・・・・・・。
でも、推薦って精神的にものすごく大変ですよね((+_+))
中間・期末テストを頑張らないとだし、欠席や遅刻の回数も制限されますし。何より、三年間の成績の平均が4.0に達しないと、推薦を受けることすらできない、という悲惨な結果になり兼ねないんですから・・・。
それに、私は滑り止めとか全く考えもせず、S高一本で合格したので、受験に関しては知識があまりないんですよねぇ・・・。そういうところも悩みの種です(@_@;) (高校と大学ではずい分違うでしょうけどね;)
とにかく、今日はI先生のお話に感銘を受け、おかげで今後のことをたくさん考えました。
まだ一年生になったばかりだけど、今から真剣に進路のことを考えないと、手遅れになる・・・。だから、その前に頑張らなくちゃ!そんな決意が湧きました☆彡


*********

〜私の小説〜
『未来からの守護者』15

 「お前、天音の・・・・・」大翔が言いかけた。
 「天音の彼氏だ」
 大翔は顔を歪めて負けじと叫んだ。「俺だってそうだった! 邪魔をするならお前も殺してやる!!」大翔は言い、懐を探り始めた。
 朔は鋭い形相で、大翔に殴り掛った。奴の手に握られようとしていた小さな折り畳みナイフは、すぐに朔の攻撃によって失われた。
大翔はゼエゼエと喘ぎながら、驚くように朔を見つめた。
 「俺は小さい頃から合気道やってんだ。生憎、凡人よりかは力に自信があるんだよ」
 大翔は急に慌て出すと、自転車を何台か倒しながら逃げ出した。
 しかし、朔は追いかけなかった。捕まえなければいけないというのに、朔は一歩も動こうとしない。それどころか、逃げる大翔に背を向けて、私の方に歩み寄ってきた。
 「ごめんな、心配かけて・・・・怖かったよな」
 よたよたしながら身を委ねた私の頭を、朔は優しく撫でてくれた。
 私は朔の肩に頭を埋めて震えていた。声も出ない。
 殺されるかもしれない、という恐怖を初めて味わい、怖くて仕方なかった。そして、今日出会った今と未来の大翔の言葉が、頭の中でぐるぐる回っていた。
 「俺は何やってるんだろうな。自転車置き場で一度奴を見つけて、追いかけている内にまた見失って・・・・・。怖い思いさせて悪かったな」
 ようやく納得した。朔は、突如出没した大翔を捕まえるために後を追っていたのだ。しかし、途中で見失い、先に大翔がこの場にたどり着いてしまったのだ。
 少しだけ安心感を得て、私は自分の口が言葉を発せられるようになったことに気付いた。
 「朔、追わなくていいの? アイツを捕まえたら、未来も元に戻るんでしょ?」その声は自分でも分るほどに、大きく震えていた。
 「今は、天音を安心させるのが先だと思ったんだ」
 私は嬉しかった。朔が私を守ろうとする気持ちが、未来のためではなく、本当の気持ちであると分ったからだ。
 だが、これで本当にいいのだろうか。朔はきっと複雑な気持ちだろう。大翔を追っていれば、毎日の護衛も終わり、未来に帰れば死んだ私も生き返っていたというのに。
 でも、私は自分で自分の状態にまだ気づいていないだけだった。果てしない恐怖感は、私の感覚を麻痺させていたのだろう。私は酷くやつれていた。朔はそんな私の姿を放っておけなかったのである。
 「怖かった・・・・本当に死んじゃうと思った」
 朔は目を細めながら、私の哀れな姿をしっかりと捉えていた。
 「・・・・・・・ごめん」
 朔は何度も何度も、その言葉を繰り返した。もういい、と思っても、朔はその薄らいだ目とくぐもった声で私に謝り続けていた。



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