作られた構図 | |
[日本の政治] | |
2017年7月1日 23時59分の記事 | |
都議会選挙において、作られた構図が見え隠れしますが、このことは現状の日本の政治の一番の問題ではないでしょうか?
本ブログ「政党政治の崩壊」(2017年6月26日)では、元みんなの党代表の渡辺喜美氏が、今回の都議会選挙がはじまる1日前の6月22日に所属していた日本維新の会を離れ、都民ファーストの会を支援することを表明したとき、「親安倍・親小池で改革大連合をつくるべきだ」(2017年6月23日 朝日新聞)と発言したことを取り上げました。 この渡辺氏の発言は、上記朝日新聞の記事では、都民ファーストの会の国政進出を見据えてなされたものと見られるとあります。したがって、この発言は、今回の都議会選挙の背景が、国政に繋がり、それが親安倍・親小池という構図であることがはっきりとわかります。 以下のリテラの記事はこの構図がいかに作られているかを非常に鮮明に示しています。リテラの記事は、他も結構、良いポイントを押さえています。 「都議選報道でテレビ朝日が『自民と都民ファは同等に、他は半分で』とメール通達! 背後に安倍政権への忖度」(2017年6月30日 リテラ) このテレビ朝日についての記事と同趣旨のことは、本ブログ「小池知事の記者会見と都議選の意味」(2017年6月22日)で取り上げました。本ブログではテレビ朝日ではなく日本経済新聞の記事(「都議選へ支持率接近 『親小池』と自民」 2017年5月29日)であったわけです。わかるだけでも自民と都民ファーストの会という構図をテレビ朝日がつくり、私はそれを日経の記事の中に見いだすわけです。テレビ朝日に至っては証拠まで出ているのですから、ほぼ間違いないでしょう。ただ普通に考えて、メディア全体において自民と都民ファーストの会という構図が作られているというのが実相でしょう。 そうなると、この構図以外の党は外されるわけで、当然、票に差がついていきます。このようなことを当たり前のように行っているのはメディアとして明らかに行きすぎたことと考えます。 自民と都民ファーストの会という構図で選挙を行うと言うことは、今後の都政をこの構図の中で行わせるという意図があるのは明らかでしょう。それは他の議論を排除すると言うことを意味します。本ブログ「政党政治の崩壊」(2017年6月26日)で現在の日本は政党政治が崩壊し、多党制の翼賛体制になっていると指摘しましたが、上記の自民と都民ファーストの構図は、政権与党(自公)、都民ファーストの会、そしてメディア、民進党の一部という『枠組み』で作られているものと考えます。そして、この枠組みがどこに向かおうとしているのかがポイントです。 だからこそ、以下のように、テレビ朝日の元社長がテレビ朝日のあり方について現幹部を「腹心メディアと認知されていいのか」と批判したという記事がでるのは当然なのです。 「テレビ朝日元社長が安倍首相と癒着する早河会長ら現幹部を『腹心メディアと認知されていいのか』と批判! 株主総会で追及も」(2017年6月29日 リテラ) 明らかに上記『枠組み』の背景に大きな勢力があるものと考えます。 上記のことは、右派勢力と左派勢力の話ですが、これらは別々のようにも思えるかもしれません。しかし、実は親和性があるのです。その好例が、東京新聞の長谷川幸洋氏と考えます。なぜ、左寄りの東京新聞で論説委員をする長谷川氏が右派やタカ派と親和性があるのかと疑問に思った方も多いと思いますが、このことを解くカギは資本主義・新自由主義であると考えます。この新自由主義は、実は上記枠組みや、本ブログ「曲学阿世の徒?」(2017年6月19日)で取り上げた人々全てに共通するもので、全てが連なっているのです。そして、この新自由主義は戦争の構図に連なっていきます。戦争の本質は資本主義の論理です。つまりお金のためです。このことは拙著『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』(2015年 ビジネス社)や『ザ・フナイ』などで書いてきましたが、本ブログ「現実を見る眼?」(2017年6月28日)で書いたように、戦前の極右体制の本質も実はこの戦争とお金なのです。したがって、間違っても長谷川氏をリベラルと考えるべきではないと考えます。どうして東京新聞はこのようなことを見抜けないのか不思議でなりません。でも、新聞自体は良いと考えます。 このように考えると、上記枠組みの背景にある大きな勢力は、このことと関係しているのです。そして、このことは戦前から変わりません。このような勢力が標榜する思想は、人々をコントロールするものとでしかないと考えるのが、最も正確なものと考えます。この観点では、各政党の議席の増減などあまり関係ないのです。最終的に目的を果たせれば良いのですから。そして、このことは実は日本だけのことではないのです。この視点で、他国の政治を見ると、同じことが行われてきたときっと驚くでしょう。 | |
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