わかりやすい日本の政治風景? | |
[日本の政治] | |
2017年10月26日 20時49分の記事 | |
衆議院選挙が終わり各党の動きなどが出ていますが、日本政治風景の本質は非常にわかりやすいものではないでしょうか?
10月25日のTBS『ひるおび!』で、希望の党の松原仁氏が、同党代表の小池氏の排除発言について以下のように述べていました。 やっぱり、日本という国はですね、聖徳太子の時代から和を以て貴しとなすということが、いや、これね一番大事なことなんですよ。日本人の強さはここなんだから。したがって、日本人の一番忌み嫌う言葉が、この手のですね、まあ、所謂、排除とか、こういう表現なんですよ。 話を聞いていて、保守を印象づけるレトリックだなと率直に思いました。「和を以て貴しとなす」ということは大事ですが、希望の党や現在の政治状況を表現する言葉としては子どもだましに近いものと率直に感じました。本ブログ「敗因と勝因」(2017年7月18日)で書いたように、松原氏の行動は「和を以て貴しとなす」ということにはほど遠いと考えますし、前回の総選挙で比例復活をしている同氏が、民進党を離党して希望の党に入るのも国民との絆を断ち切る行動と考えます。上記ブログで書いたように、既に都議会選挙中から民進党の幹部としてやる気が感じられませんでしたし、衆議院解散(9月28日)で失職する前に同党を離党(9月25日)し、小池氏側近の若狭氏の関わる新党への参加決意表明をしています。法的に問題はなく、たった数日の違いですが、明らかに筋を通していません。こういうことは国民への姿勢で非常に大事なことです。どうも右翼の政治家には発する道徳的な言葉と行動がまるで反対になる方が多いように思います。 この松原氏の言葉を良く考えると、そのことの意味することは、自らを棚に上げて、小池氏は日本人の一番忌み嫌う言葉を平気で使う人物ということになります。また小池氏は日本の伝統文化を知らない人物と言うことにもなります。これらを普通に考えると、小池氏は日本人ではないと言っているということに等しいのが、この松原氏の言葉が意味することになってしまいます。同時に保守を掲げる政党のリーダーとしてもそぐわないということにもなります。 果たして、松原氏は保守を印象づけることを意識しすぎて、その意味することを見落としてしまったのか、それともすべて計算に入れて話しているのか? それは現状、わかりません。ただ、本ブログ「立憲民主党 」(2017年10月3日)で取り上げた、希望の党の規約案を見れば、耳慣れないガバナンス長などの外来語で文が構成されていて、その言語感覚は日本人の日常のそれではありません。日本人の共通感覚(コモンセンス)から離れているわけです。ならば、どうして保守を掲げる松原氏はそんなところにいるのかというそもそも論が厳然としてあるわけです。 松原氏が上記のように「聖徳太子」という言葉を発した時、実はかすかな失笑とも言える笑いがスタジオで起きています。その笑いにかぶせるように松原氏が「いや、これね一番大事なことなんですよ」と言うわけです。実は、このことも日常の共通感覚から離れていることから生じている現象と受け止めます。「和を以て貴しとなす」ということは大事ですが、いきなり聖徳太子を持ち出す感覚にギャップを感じてかすかな笑いになったと考えます。本当はそういう言い方ではなく、発する言葉と行動でそれを示すのが道徳的な政治家というものです。それができていないから『聖徳太子』を持ち出すのだと考えてしまいます。 実は、ここに一つの重要なポイントがあります。耳慣れない外来語を多用するのも、普段は使わない昔のことを引き合いにだして現在を説明するのも、根は同じと言うことです。それは日常感覚に根ざして日本人とコミュニケーションをとろうとしていないと言うことです。昔のことを持ち出して話すことが保守ではありません。日常感覚の言葉をもってコミュニケーションをとることが、何よりも人々との“和”を生み出すのです。この二つの日常感覚から乖離した政治家の言葉遣いが意味することは、決して日本人を幸せにはしないということです。 この番組で松原氏は希望の党が寛容な改革保守と言うことを盛んに繰り返し言っていましたが、私が観る限り寛容な改革保守ではやはりないでしょう。 「わかりやすい日本の政治風景?」(2017年10月27日)へ続く。 | |
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