メルケル独首相がタイム誌の「ことしの人」に選ばれる | |
[日本の政治] | |
2015年12月10日 23時52分の記事 | |
米国の雑誌『タイム』が、今年、世界に最も影響を与えた「ことしの人(パーソン・オブ・ザ・イヤー)」に、ドイツのメルケル首相を選んだと報じられています。メルケル首相のことは本ブログの「ホロコーストに関するネタニヤフ首相の発言の背景にある事情」(2015年10月27日)などで何度も書きましたし、拙書『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』(2015年 ビジネス社)でも詳しく書きました。 「タイム誌『ことしの人』 独のメルケル首相」(2015年12月10日 NHK)
今年のメルケル首相の動きで最大のものは、今年2月のウクライナ紛争調停です。このことは世界的なインパクトがあり、大きな意味を持っています。彼女はこの調停後、すぐにバチカンに行き、そしてその後、来日しています。彼女の動きは深淵で日本と関わるのですが、そのことは拙書で書きました。そういう意味で、彼女が「ことしの人」に選ばれたことは、日本にも関係することと考えます。 この1年で世界に最も影響を与えた人もしくは団体を「ことしの人」として選んでいますから、彼女が今回選ばれるのは当然でしょう。タイム誌の選考理由は欧州での難民問題やギリシア債務問題と書かれていますが、今年2月の彼女の働きがなければ、現在の世界は遙かに不安定で、第三次世界大戦を経験していたかもしれません。間違いなく難民問題以上の状況を経験していたでしょう。本当ならノーベル平和賞に選ばれていてもおかしくはないのですが、もしかしたら来年なのかもしれません。 彼女が難民問題や欧州債務危機問題に関わったのも、ウクライナ紛争調停に関わったのも全く同じ理由からで、戦争の問題が確実に視野に入っていたことと考えます。 タイム誌はメルケル首相のことを「人間性や寛大さといったこれまでとは異なる価値を前面に打ち出し、ドイツが持つ強大な力をどうすれば破壊ではなく救済のために使うことができるのかを示した」(2015年12月10日 NHK) と評価しています。この「人間性や寛大さというこれまでと異なる価値観」や「救済」という部分は非常に重要なことで、今後の世界において大変に重要なポイントになるものと考えます。世界の趨勢は、これまでと違った次元に移りつつあります。日本ではまだこのことは理解されていません。 70年前、日独は同じ敗戦国としてスタートしました。片や政治指導者がパーソン・オブ・ザ・イヤーとして選ばれ、片や復古主義を主張して世界からは相手にされない。ずいぶんと差が出たなと心から思います。 | |
このブログへのチップ 0pts. [チップとは] [このブログのチップを見る] [チップをあげる] |
このブログの評価 ★★★★★ [このブログの評価を見る] [この記事を評価する] |
◆この記事へのコメント | |
コメントはありません。 | |
◆この記事へのトラックバック | |
トラックバックはありません。 トラックバックURL https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/342669 |