このブログのトップへ こんにちは、ゲストさん  - ログイン  - ヘルプ  - このブログを閉じる 
自民党政権である限り少子化は止まらない
[日本の政治]
2015年12月17日 23時52分の記事

講演会を行うと質問の時間で、なぜ1980年代後半から少子化ということがわかっていたのに、政治はなにも手を打ってこなかったかとよく訊かれます。少子化問題に問題意識をもった政治家がいたことは間違いありませんが、しかし、現状、このことに成果を確認することができないのは明らかなことです。
社会や国の基盤は人です。それ以外にありません。そしてこの少子化問題はまさしく国の基盤の問題です。国民の非常に多くの方々がこのことに関心を持ち、また疑問に思っていることは間違いのないことであり、それは至極当然のことでしょう。国を想う気持ちがあるからです。
この問題は、私も1980年代後半から報道などを目にしていますから優に30年近く問題となっているものです。しかし、一向に成果は上がらず、人口減少はまさに現実となっています。30年前と違う点は、唯一、この人口減少・少子化が、遠い将来のことか、それとも既に現実のものかということだけでしょう。
そういう中で、以下のように政府与党は子育て給付金を来年度から廃止すると報道されています。

「子育て給付金、来年度から廃止へ 1600万人が対象」(2015年12月16日 朝日新聞)

【PR】Licom高画質ライブ配信・通話システム


これは一体どういうことなのでしょうか。全く反対のことをしているのは明らかです。少子化担当大臣をもうけていますが、これは少子化を推進する担当ということなのでしょうか。
上記の記事では子育て給付金を「公明党が継続を求めていたが、軽減税率をめぐって公明党に譲歩したことなどを理由に自民党が取り合わなかった」(2015年12月16日 朝日新聞)とあります。
軽減税率で公明党に譲歩したから、子育て給付金継続を自民党は取り合わないとは、自民党は公明党だけを見て政治を行っているのでしょうか。国民や国家を見ないのでしょうか。確かにそうでしょう。だから、本ブログで何度も指摘していますが、社会基盤を疎かにし、哲学のない施策をいくらでもできるわけです。「骨太の方針」と10年以上前からやっていますが、その結果は骨はもろくなる一方です。看板だけで自民党がいかに国民と国家を見て政治をしていないか、この一文だけでよくわかります。
子育てに関して、軽減税率も、公明党も関係ありません。自民党がその問題にいかに考えるかが問題であって、この報道から見えることは、自民党は実質、子育て支援や少子化問題に取り組む姿勢は皆無と言うことです。
実際、30年前から日本の政権を担ってきたのは、2度ほど非自民政権が一時的にありましたが、その大半は自民党政権(+公明党)です。この30年間、少子化・人口減少問題に全く成果が上がっていないのは、当然と言えば、当然でしょう。責任は自民党にあります。自民党政権である限り、少子化・人口減少問題は間違いなく解決されることなく、進行していくのみです。その本質は、彼らにやる気がそもそも無いからであると考えます。

お育ちが良い政党に政治はできない
このようになるのは、政治哲学やビジョンがそもそも無いからでしょうが、この本質的背景はお育ちが良い方しかいないからであろうと考えます。つまり、世界有数の国力を持つこの30年間の日本という実像が、天から与えられたものと勘違いしていると言うことです。そういう幻想が日本のエリートに多いと考えますが、よくある創業者が築き上げたものを後代がつぶすと言う絵図と全く同じ背景と考えます。
だから、やることが地に足がつかず、基本を外したどうでも良いことを大々的に一生懸命にやったり、的外れなことをして身上をつぶす方向にいったりするのでしょう。現政権は、派手な創業ばかりをやっていて、政治の基本である守成という観点が全くないことでも明らかです。このことは本ブログ「守成は創業より難し」(2015年10月26日)でも指摘しました。こういう政治は必ず国をつぶします。
社会の基盤とは人です。そして、それは思考や施策において生命を前提とするしか成り立ちえません。政治においての方向性は、究極的には二つしかありません。生命を前提とするか、それとも否かです。現在の政治は、まさに後者、生命を前提としてはいません。そして、そのような社会や国は、戦前と同じように必ず狂い、滅びます。
保守政治とは軍事でも、経済のことでもありません。保守政治とは国家の基盤を造り維持することであり、その本質は生命を前提とすることにあるのです。それが政の本義です。軍事も経済もそれらは本義ではなく単なる手段にしか過ぎないのです。政の本義を無視すれば、必ず国は滅びます。そういう意味で自民党は保守政党では間違いなくありません。



最終編集日時:2015年12月18日 8時15分

このブログへのチップ   0pts.   [チップとは]

[このブログのチップを見る]
[チップをあげる]

このブログの評価
★★★★★

[このブログの評価を見る]
[この記事を評価する]

◆この記事へのコメント
コメントはありません。

◆コメントを書く

お名前:

URL:

メールアドレス:(このアドレスが直接知られることはありません)

コメント:




◆この記事へのトラックバック
トラックバックはありません。
トラックバックURL
https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/343074
くる天

◎ 必読の書

○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
本ブログについて
日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
日本と世界の政治経済の本質を読み解く
地域:東京都
性別:男性
ジャンル:ニュース
ブログの説明:
世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
ブログ内検索

カレンダー
<<2015年12月>>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
カテゴリ
全て (1460)
日本の政治 (1371)
ザ・フナイ (15)
中東情勢 (4)
アジア・太平洋情勢 (2)
戦争の構造 (3)
世界の読み方 (15)
書評 (1)
勉強会・講演会のお知らせ (3)
本ブログの重要記事

注目です!

「韓国のリベラルはとてもレベルが高い」(21年2月3日)←New!
「やはりイギリスが言い始めた」(21年2月4日)←New!
「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(20年12月31日)←New!

値千金のブログ記事:岡田晴恵特任教授、国のコロナ対応に激怒!番組出演中に声を震わす 「このままだと3月4月にピークがきます」 (20年2月25日)
○本ブログ「この緊急時にこの政権の遅さは致命的? 」(20年4月16日)
○本ブログ「アメリカ政府が認定した当然のこと」(20年4月4日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月1日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月4日)
「ノーベル賞受賞者が新型コロナウイルスの早期回復(終息)を予測した理由:「我々は良くなっていく」(訳文)」(20年3月23日 ロサンゼルス・タイムズ)
最近の記事
11/28 22:44 兵庫県知事選 選挙期間中に『個人のボランティア』と確認しているのだろうか?
11/27 13:30 候補者と選挙コンサル 踏まえておくべき重要な1つの視点
11/27 10:02 兵庫県知事選 口約束ということが意味することは何か?
11/26 22:47 兵庫県知事としての斉藤氏の本質は何か?
11/25 21:33 斉藤・PR会社問題 これはちょっと安すぎるという感想
11/25 15:59 ゴゴスマでの明らかにおかしい議論
11/18 23:50 今回の兵庫県知事選の最大にしてほぼ唯一の争点は『マスコミ報道の信頼性』
11/13 08:50 石破さんの素晴らしい言葉
11/08 11:07 FRBの利下げをいかに考えるか
11/08 06:22 トランプ時代の日本には石破さん以外の選択肢はない――むしろ天の差配
携帯用アドレスQRコード
QRコード対応の携帯で、このコードを読み取ってください。


Copyright (c) 2006 KURUTEN All right reserved