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感覚が遅れていることが原因の一端の可能性
[日本の政治]
2016年5月15日 23時20分の記事

オリンピックは世紀のイベントですから、どうしても開催地は世界から注目されます。今夏のリオ・オリンピックについては、現状のブラジルの政情不安や治安の悪さなどが、オリンピック開催と言うことでよりクローズアップされ、イメージとして残ります。2018年のピョンチャン冬季五輪もまた同じようにスポットライトが当てられますし、当然、2020年の東京も同じです。不祥事が多ければ、当然、それが日本のイメージになっていきますし、場合によっては取り返しのつかない不信感を世界的に醸成していくことは当然、あることです。

「五輪招致巡る問題 明らかになった発端は」(2016年5月13日 NHK)

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きまじめで、何事もきっちりやる日本人なら2020年の東京五輪は、日本らしく素晴らしいものになると誰しもが思ったことでしょう。当の日本人自身がそう思っていたはずです。しかし、ふたを開ければ、当初の話とは随分違うし、今や疑惑のデパートと化している様相です。世界から注がれる目は明らかにマイナスの方向でしょうし、何よりも当事者である日本人自身が一番、このことにショックを受けていることと思います。さらにこのような事態になっても誰も責任をとらずに、刷新の方向性が打ち出せないでいます。このことがさらに日本人自身にとってショックであると考えます。もちろん、海外から見れば自浄能力のない社会など様々に思われるでしょうし、公にアナウンスされた声明が事実と異なれば、当然、嘘つきのレッテルも貼られるでしょう。
世界から疑惑や不信、笑われものになるような五輪を多くの日本人は望んでいない状況であると考えますし、一部のものたちで何か怪しい動きがあるようなことがあれば、当然、それは大きな拒否反応に繋がっていくでしょう。
2020年東京五輪招致において、コンサルタント費として支払ったとされる2億円あまりの資金が、不正なものと疑惑が持たれています。その送金先であるシンガポールに拠点を置く会社の住所を調べたら、公営住宅の一室であったことが報道されています。何とも不正な事件においては明らかに良くあるパターンなのですが、日本の関係者が胸を張ってコンサルタント費ですといって支払った先がこれではなんとも間抜けというイメージも先行します。
もし、この送金が不正であったとしたら、この送金は、世界で勝ち抜くにはこのようなこともしなくてはいけないのだ、というような片意地張った感覚で行われたのではないかと想像しますが、その内実はかなり杜撰で幼稚であったのではないかと考えます。もしそうなら、かなりレベルの低い外交手腕で、それはそのまま日本の外交手腕と言うことになるものと考えます。
2002年の冬期五輪開催都市がソルトレークシティーに決まる過程で買収疑惑が発覚して、その後、招致活動のルールが見直されています。今もって不正を行う人もいるのかもしれませんが、一方でそのような人が排除されていく方向性に明らかに動いています。そういう中での今回の疑惑であるわけです。
このような中でいかに正当にアピールしていくかという手腕ではなく、不正を行って結果を得るという可能性があるというのが今回の疑惑なわけです。既に完全に世界の趨勢からとりのこされていることは明白です。実際には疑惑が出る事態で既に本当はあってはならないことですし、コンサルタント費を支払った先があれでは、誰もが疑惑を持つでしょう。そして、これが政府も一緒になって行った五輪招致ですから、即、今の日本の外交手腕のレベルということになると言うことなのです。疑惑を持たれているのに「クリーンです」と言ってみたところで焼け石に水でしょう。何かちぐはぐに、そしてより傷を深める方向に動いているように思います。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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