三方良し | |
[日本の政治] | |
2016年5月16日 23時51分の記事 | |
三方良しとは、「売り手良し」、「買い手良し」、「世間良し」という近江商人が古来からもつ商哲学です。言ってみれば明らかに「世間良し」がない新自由主義とは全く反対の考え方です。
先日、三菱自動車の燃費偽装問題から、電撃的に日産が三菱自動車を事実上の傘下におさめる方向で動きました。あまりに早い展開に違和感を禁じ得ませんが、このことが発表された記者会見で日産のゴーン社長が「ウィン・ウィン」の提携と言うことが非常に印象的でした。三菱自動車は燃費偽装ということで世間を欺いていたわけです。これは単に三菱自動車から自動車を購入した人だけが問題ではないものと考えます。三菱自動車は嘘を流布して利益を得ようとしていたわけですから、近江商人から言わせたら買い手良しと売り手良しが抜け落ちた非常にレベルの低い商いということになります。 そのような会社を傘下に収めて、「ウィン・ウィン」と言っているゴーン社長には、明らかに日本の「世間」が視野に入っていないものと考えます。三菱自動車の偽装問題で同社は補償を行う責任があるとゴーン社長は言っていますが、問題は明らかにそれだけではないでしょう。 「日産ゴーン社長『三菱自動車は補償行う責任がある』」(2016年5月12日 NHK) 「世間良し」の視点がない商いということが、実は今回だけに限らない三菱自動車の不祥事の根底的な原因と考えますが、その会社と「ウィン・ウィン」の提携がなされた今回の一連の動きも、また「世間良し」という視点がもしかしたら欠落しているのではないかと考えます。もしかしたら、それが違和感としてある「電撃的な動き」の本質かもしれません。 | |
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