かわいそうな沖縄 | |
[日本の政治] | |
2016年5月20日 23時53分の記事 | |
沖縄県うるま市の島袋里奈さんが4月28日夜から行方不明になっていた事件は、元米海兵隊員の軍属の男が逮捕され、大変に痛ましい結末となってしまいました。まだ二十歳で、前途に希望があふれているのに、それが奪われてしまったわけで、本当にむごい事件だと心から思います。
米兵による事件はもちろんこれだけではありません。この1年でも昨年5月には強盗致傷事件があったり、今年3月には沖縄観光客への暴行事件なども生じています。その他、酒帯運転で逃走した車がパトカーに衝突する事件なども起こっています。 そのような沖縄の事情における今回の事件であるわけです。 そして、沖縄の歴史は誰もが知るとおり太平洋戦争において国内で唯一地上戦となり県民は塗炭の苦しみを負い、その後、米国となったわけですが、その時もつらい思いをしているわけです。このような事情と歴史を背負っているのが沖縄であるわけです。色々な意味で優遇もされていますが、だからといってこの沖縄の背負っている歴史と事情が変わるわけではありません。 その沖縄を背負っているのが翁長知事であるわけです。今月14日、翁長知事は米国ワシントンへ飛び、辺野古への新基地移設が困難であることなどを米国へ伝えると報道されています。ワシントンに到着した知事は記者団に「沖縄に基地を造ることがいかに難しいか、正当性がないかという話を(関係者に)したい。和解の内容も地方自治法を無視していると指摘している」(2016年5月15日 毎日新聞)と述べています。しかし、翁長知事は米国下院議員などとは面会できたものの、ハイレベルな米国政府関係者との面会は用意されず、翁長知事の方から最終的に断っています。言ってみれば門前払いに近い形であったわけです。知事は、国家間における外交的な窓口ではないでしょう。しかし、米国もそのような役割で歴代の知事に接したこともこれまであったでしょうし、何より沖縄の事情と歴史を背負って翁長知事は、その窓口を度外視しても訴えなくてはならないという悲壮感があるわけです。しかし、門前払いにあった。そんな沖縄で生じたのが今回の事件であるわけです。これらを一連の状況を見て本当に沖縄はかわいそうだなと思います。 今回の事件や翁長知事の訪米にどんな事情があったかはわかりませんが、断定して言えることはこのような痛ましい事件が現実として現在も生じ、米国は沖縄の訴えをほとんど相手にはしていないということです。そして、日本政府は上記の記事にあるとおり沖縄と政府で結ばれた「和解」も地方自治法を無視しているような状況であるわけです。それでは、沖縄県知事が単身米国に乗り込んで直訴するしかないと思っても当然でしょう。誰かがしっかりと沖縄の事情をやはり見なくてはいけない状況にあるものと考えます。そうでなくては、沖縄の心は離れていくばかりでしょう。今の政権ではその解決は明らかに無理でしょう。 「辺野古問題 「移設の断念求める」 翁長知事がワシントン到着 /沖縄」(2016年5月15日 毎日新聞) 先の衆議院選挙でも、沖縄知事選挙でも沖縄の民意は明確に表明されています。その民意に対して真摯に向き合う時期が来ているものと考えます。抜本的に考えて行かなくてはならない時代になっているものと考えます。それは、これまでの自民党政権においてなされてきた思考とは一線を画すものでしょうし、さらに、一方で今の政権のように沖縄に対して冷たいものを感じるような姿勢でも行けないと言うことです。米国との関係もある、中国との関係もある。その中で新機軸を打ち出していくために頭を使わなくてはならない時期に来ているものと考えます。それが間違いなく日本の政治の取り得る新しい方向性の一つでしょう。 | |
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