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もはや使い物にならない宰相?
[日本の政治]
2020年8月21日 17時5分の記事

昨日の本ブログ「もはや使い物にならない宰相?」(2020年8月20日)の続きです。

「もはや使い物にならない宰相?」(2020年8月17日)

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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本ブログ「もはや使い物にならない宰相?」(2020年8月18日)で取り上げた甘利氏の以下の言葉をもう一度観てみましょう。


自民党の甘利明税制調査会長は16日のフジテレビ番組で、新型コロナウイルス対応のため、連続勤務となっている安倍晋三首相の疲労蓄積を心配した。「ちょっと休んでもらいたい。責任感が強く、自分が休むことは罪だとの意識まで持っている」と述べた。甘利氏は首相側近。12日に1時間近く2人で会談している。
 首相は例年8月15日の全国戦没者追悼式に出席後、山梨県鳴沢村の別荘で静養に入るが、今年は東京都内の私邸に帰った。甘利氏は番組では「数日でもいいから強制的に休ませなければならない」と強調した。
 野党の臨時国会召集要求は「首相を引っ張り出すためなら意味がない」と指摘した。

「甘利氏、安倍首相を『休ませて』 コロナ対応で疲労蓄積を心配」(2020年8月16日 共同通信)


そして麻生氏も以下のように同じ主旨のことを言っているわけです。


安倍晋三首相が東京都内の病院で「日帰り検診」を受けたことをめぐり、麻生太郎財務相は17日夜、「147日間休まず働いたら、普通だったら体調としては、おかしくなるんじゃないの」と語った。そのうえで、「休む必要があるということは申し上げた。ちゃんと自分で健康管理するのも、仕事の一つだ」とも述べた。

「『147日間休まず働いたら、普通だったら体調としては、おかしくなるんじゃないの』麻生太郎氏が安倍首相についてコメント」(2020年8月18日 朝日新聞)


甘利氏は麻生派なので、二人の発言が同じになるのは、そこに何らかの思惑があるからと考えます。普通に考えてこの二つの発言は偶然ではないでしょう。
ただ、これらの発言が、アベ氏に対して休めという辞任への引導を渡すものなのか、それともアベ氏を擁護し、政権を守るためのものかはわかりません。両方かもしれません。
同様に以下の記事にあるように、麻生氏が上記の発言に関連して述べた「あなたも147日間、休まず働いてみたことありますか」というのも、何を言いたいのかわかりません。アベ氏が働き過ぎで休む必要があることを強調したいのか(政権擁護)、それともアベ氏が体を悪いことをほのめかしたい、つまり辞めさせたいのか。このことは上述と同じなのです。

「『147日間、休まず働いてみたことありますか』 ネット民が?麻生節?に大ブーイング」(2020年8月18日 東スポ)

ちなにみ、政界で半年休みがないのは、ある意味、当たり前のことです。通常、1年休みがほとんどないということもあります。私自身、血尿がでるまで働いたことは何度もありますし、朝起きて呼吸ができなるくなることが1週間続いたこともありました。
議員が半年働くのと、スタッフや秘書が同じだけ働くとでは、まったく違うわけです。当然、スタッフや秘書は、議員が休んだ後に休み、起きる前に起きるわけですから、そちらの方が圧倒的に大変なのです。麻生発言は、そういうことへの気遣いがないように思えて仕方ありません。
国民新党にいる時は、夜10時、11時に、自民党本部の前を通るとビルの電気が消えていたのを観て、ため息がでました。なぜなら、私たち国民新党はそれからもう一仕事しなくてはならないのが、日常であったからです。自民党の職員がどれほど楽かといつも思っていました。まあ、完全にブラックです。残業代は一切ない生活です。
そういう政界の実態を考えると、麻生氏の発言は何かとても空々しく聞こえてしまうのです。

「もはや使い物にならない宰相?」(2020年8月22日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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