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リベラルの真価が問われ、リベラルの深化・進化が求められる
[日本の政治]
2021年2月24日 23時50分の記事

内閣広報官の山田真貴子氏が総務審議官当時に7万円超の接待を受けた問題。首相のスガ氏は女性の広報官として期待しているので続投してほしいと不問に付しました。このスガ氏の発言のポイントは、女性と言うことで山田氏を続投させることです。しかし、これでは、女性と言うことで何でも許されるということになります。果たしてこのようなことで本当に良いのでしょうか?

「菅首相、山田氏続投の考え 『女性広報官として期待』」(2021年2月24日 朝日新聞)

「山田広報官、給与自主返納 職務は継続」(2021年2月24日 時事通信)

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この山田氏はスガ氏の側近とTBSの記事「総務省“接待問題” 12人が違反疑い 首相側近の名前も」(2021年2月22日)にあります。その山田氏が、スガ氏の子息とその子息が勤める総務省から許認可を受ける立場の会社からの接待を受けていたわけですが、この問題の本質は、官民癒着と集団的で不公正な権力の私物化に他なりません。スガ氏を中心とする一部の者の癒着と不正な権力の私物化がそこにあるわけです。
この山田氏はこの接待問題について「国民の疑念を招く事態となっていることを重く受け止め、責任を痛感している」(2021年2月24日 時事通信)と述べていますが、今回は明らかな不公正な癒着が問題なのです。国民の疑念ではなく、れっきとした問題がそこにあるわけです。それを解決しなければならないのです。
当時官房長官であったスガ氏の側近であった山田氏、スガ氏の子息と東北新社という完全なる癒着、これは公正なことではありませんから、そもそもこの接待はあってはならないことなのです。国民の疑念ではなく、国民の信託を裏切る不公正な癒着に関わった責任を山田氏はとらなければならないのです。それを給与自主返納で、あとはスガ氏曰く女性だから不問に付す、というのではあまりに甘過ぎます。
公務員がしてはならないこと、それは官民癒着であり、公正さを欠いたことなのです。その典型例が収賄罪ですが、この東北新社異常接待問題は、公務員として明らかな公正さを欠いたものです。公務員の最大の要件はこの公正さなのです。
この山田氏、スガ氏の意を受けて、NHK『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男さんに圧力をかけたと、以下のようにリテラが報じています。

「NHK『NW9』有馬キャスターが降板! 原因は菅首相の激怒と官邸広報官の圧力電話 『クロ現』国谷裕子降板事件の再来」(2021年2月9日 リテラ)

発端は日本学術会議問題について、有馬さんがスガ氏に食い下がって質問したことと、このリテラの記事にあります。そして、記事にはこの山田氏がこの有馬さんの質問についてNHKに圧力をかけて、その後、有馬さんは発言のアドリブが許されなくなり、降板を危惧する声があったと報じられています。そして、結局、有馬さんは降板となっています。明らかに有馬さんを救済する必要があります。
まさに言論弾圧。山田氏とスガ氏は本当にやりたい放題なのです。そして、スガ氏の子息と東北新社異常接待問題。これを官民癒着と集団的な不公正な権力の私物化と言わずしてなんと言うか私には言葉が見つかりません。まさに、大変な横暴ぶりなのですが、その片棒を担いでいるのが山田氏であるわけです。
そして、その山田氏をスガ氏は、女性の広報官として期待しているので続投してほしいと、女性ということで不問に付したわけです。情実人事。側近ですから当然と言えば当然ですが、これでは、本ブログ「明らかな人材難 その理由は? ?」(2021年2月19日)で、森氏と橋本聖子氏について書いたとおりなのです。以下のように書きました。


それでいて、橋本氏の醜聞であるわけです。本当に人材難なのですが、人材がいないのではなく、他からの人を容認しないから、このような人材難になっているわけです。これは、権力の集中化、私物化、そういうところに人材難の本質があるわけです。権力の集中化と私物化によって、日本側のオリンピック体制に明らかな多様性の喪失があると考えます。
ジェンダー問題は、人類の半分の問題です。大変に大切な問題です。ただ、このような権力集中、私物化、独裁化の問題は、一部の特権階級以外の人々、人類のほとんどの人々の問題なのです。実はジェンダー問題より権力の集中、富の集中の問題はさらに大きな問題なのです。そうすると、この五輪組織委員会会長人事の問題は、ジェンダー問題以上に、実は権力集中、私物化、独裁化の問題が本質なのです。
しかし、世の中、橋本氏の会長就任はジェンダーと言うことで、本質的な論点がすり替えられてはいないでしょうか? ここは、明らかにジェンダーをいう人々の本質も問われ、実は焦点になると考えています。 
女性を入れたり、ゲイを入れたり、異人種・異民族を入れても、利益を共有する一握りの特権グループであるのなら、それは多様性にはなりません。むしろ、多様性の仮面をかぶった独裁、私物化となるのです。そのようなことを許して、多様性と言うことはあり得ませんし、そのようなエセ多様性は必ず社会を衰退させます。
最近、SDGsと言って、『サステイナブル・ブル』とCMでやっていますが、こういうエセ多様性はサステイナブルではないし(支持できない)、サステイナブルではない(持続可能性はない)のです。なぜなら、このエセ多様性の本質は画一化だからです。
社会の発展や安定化のためには、多様性は絶対必要条件です。そのことをザ・フナイの連載では一貫して最重要テーマとして何度も何年も前から申し上げてきました。しかし、現在の日本のように、他から言われて、自分で考えないで体面だけ整えるエセ多様性は間違いなく社会を衰退させます。


森氏と橋本聖子氏の関係とスガ氏と山田氏の関係はほぼ同じです。森氏に極めて近い橋本氏が、森氏の後任になることは、普通に観て単なる傀儡でしかなく、それがジェンダーということにすり替えられてしまい、森氏の私物化問題は何も解決されていないと考えるのが自然です。であるのに、世のリベラルは、橋本氏就任をジェンダー問題として、この森氏の問題は不問に付しました。だから、本質は何も変わらない。まさに、ジェンダー・多様性の仮面をかぶった私物化、独裁化をリベラルは容認したと私は考えます。
そして、それから半月も経たないうちに、まったく同じ本質を持つこのスガ氏と山田氏の問題が生じたわけです。これをリベラルはどうするのか? まさにリベラルの真価が問われ、リベラルの深化・進化が求められるのです。この30年間と同じ思考レベルではもはや問題は解けないのです。明らかに大きな進化が必要なのです。
また、森氏・橋本氏のときと同じことをリベラルがするのなら、今後、ジェンダーと言うことが不正・不公正を生み出す温床になることは間違いないでしょう。すでにそうなっています。この山田氏の問題は、スガ氏が「女性の広報官として期待しているので続投してほしい」と言ったように女性をポイントにすることによって、すべてがフリーハンドになってしまい、不正がまかり通ることを端的に現わしているのです。女性を表に出せば何でも許される、まさにリベラルが多様性を装った独裁を生み出すことになるのです。そして、その独裁は当然、男女問わず人々を不幸にし、社会を破壊するのです。そう、結果、リベラルが自覚なく社会を破壊すると言うことになるのです。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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