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《日本の政治》新型コロナウイルス対策に観る日本の劣化 (1)
[日本の政治]
2021年9月9日 23時47分の記事

本日夜に行なわれたスガ氏の会見をテレビで観ていました。観ていて最初の印象は、『この人まだ総理をやっているのか?』というものでした。スガ氏はすでに世の中の意識においては完全に過去の人になっていると考えます。もちろん、本人はそう思っていないでしょうが、いずれにせよ、こういう政権末期のドサクサに紛れて悪さをすることがあり得るので、しっかりと観なくてはいけません。
しかし、それにしても以下の記事は、本当であれば大変な問題をはらんでいます。

「『眞子さま年内結婚』は菅首相周辺のリーク? 実際には白紙同然か」(2021年9月9日 NEWSポストセブン)

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この記事に書かれていることは、見出しの「『眞子さま年内結婚』は菅首相周辺のリーク? 実際には白紙同然か」ということです。記事のポイントは以下の部分です。


 突然の報道で、大きく動き出したかにみえたご結婚問題。だがその実、何も事態は進展していない中での“フライング報道”だというから驚きだ。ある宮内庁関係者は次のように言う。
「実際のところ、眞子さまのご結婚はいまだ白紙同然です。読売報道ではご結婚のスケジュールなど、具体的な情報はいっさい明かされず、それに続いたほかのメディアの報道も具体性を欠く中身のないものでした。現実には具体的に何も決まっていないのですから、報じようにも、中身がないのは当然です。
“年内結婚”は、支持率低迷に困り果てた菅義偉首相周辺が苦し紛れで流したリーク情報とみられます。そもそも菅官邸は、女性宮家創設などを検討するために、眞子さまの結婚についても皇室関係者からヒアリングをしていて、“眞子さまが結婚に強い意思を持たれていて、もう止められないだろう”ということは把握していた。今回、その内部情報をメディアに流し、ほんの少しでも『菅首相の新型コロナ対応の失敗』報道を減らそうとしたのでしょう」


真子さまのご結婚については何も事態は進展していないというのが、真実とこの記事は言っているわけです。
天皇陛下は、新型コロナウイルスについておっしゃるとき、必ず『私たち皆がなお一層心を一つにし,力を合わせてこの困難を乗り越え』(8月15日 全国戦没者追悼式)とおっしゃっています。
そのお言葉に、国民の多くが賛同し、心を一つにしようと思っているものと考えますが、そのようなパンデミックのときにご結婚というのは少しおかしいなと実際に思いました。現状のこのパンデミックのときは、ご結婚は明らかにおやめになった方が良いと一国民として思います。そうでないと、天皇陛下のお言葉と矛盾してしまうものと考えます。
このNEWSポストセブン記事では、読売新聞のご結婚の報道は、「支持率低迷に困り果てた菅義偉首相周辺が苦し紛れで流したリーク情報」、スガ官邸が「ほんの少しでも『菅首相の新型コロナ対応の失敗』報道を減らそうとした」からとあります。読売新聞はスガ官邸と一緒にこのことを画策したと考えるのが自然です。
もちろん、現段階ではまだ、何が本当かはわかりません。しかし、アベ・スガ自公政権時代は、とにかく天皇家を足蹴にすることが極めて多くありました。最近では、東京オリンピック開催についての『ご懸念』をスガ自公政権はまったく無視し、強行開催に踏み切りました。また、東京オリンピックの開会式では陛下の開会宣言の時に、スガ・コイケ両氏が起立しなかったりと当たり前のように天皇家を足蹴にしています。また、天皇陛下にオリンピック名誉総裁の要請をしたアベ氏は開会式に出席すらしていませんでした。
いうまでもなく、アベ時代に同じことは多々あり、それらのことは勉強会や講演会などで様々申し上げてきました。
まさに非常に問題あるのがこのアベ・スガ時代で、一般においてはこのアベ・スガは、天皇家に対しては恭順の姿勢と思われているかもしれませんが、足蹴にしているのが真実なのです。そうでなければ、『ご懸念』を無視してオリンピックを強行開催するようなことは絶対に起きません。
今後の成り行きで、このNEWSポストセブン記事の何が本当であるかがわかってきますが、そのことによって、NEWSポストセブン(小学館)が吹っ飛ぶのか、それとも読売・自公政権が吹っ飛ぶのかのどちらかになるのではないかと考えます。

◎ 自画自賛ばかりのスガ氏の記者会見――でも結局あなたは失脚した
今日の夜のスガ氏の記者会見をずっと観ていましたが、基本的に自画自賛ばかりで、自己正当化の記者会見でした。その内容は主に新型コロナウイルス問題でしたが、その対策に成功してきたとスガ氏は記者会見で言い張っていたわけです。以下の日刊スポーツの記事でも『自画自賛』と書かれています。普通はそう思うでしょう。
そして、このスガ氏の自画自賛の発言は、明らかに上記で触れたスガ官邸が「ほんの少しでも『菅首相の新型コロナ対応の失敗』報道を減らそうとした」ということと重なります。

「菅首相が1年総括『未来に道筋示せたのでは』 国民感覚からズレた楽観論」(2021年9月9日 日刊スポーツ)

でも、スガ氏がどんなに自画自賛しても、結局は新型コロナウイルス対策に失敗して、感染爆発・オーバーシュート、医療崩壊、家庭崩壊となり、内閣支持率は激減、追い詰められて失脚したわけです。会見では「『コロナ対策専念すべきだ』と思い総裁選出馬しないと判断」と言っていますが、噴飯物も良いところ、高校生レベルの言い訳にしか聞こえません。新型コロナウイルス対策に失敗したその知能程度がよくわかる発言です。
新型コロナウイルス対策に失敗したから、今以て専念せざるを得ないわけです。
とにかく現実は、スガ氏が新型コロナウイルス対策に失敗したから追い詰められて『総裁選に出ることができなかった』ということに過ぎません。
さらにこのスガ氏の失脚は、アベ時代から続くアベ・スガ自公政権・日本政府の新型コロナウイルス対策が完全に失敗・失策であったことを決定づけたのです。

「【詳報】“宣言”延長 菅首相会見「日常取り戻す道筋つける」」(2021年9月9日 NHK)

このようなスガ氏の新型コロナウイルス対策は成功したという自画自賛の記者会見の日にも、以下のように感染者が入院できずに自宅で見捨てられた状況でなくなっていたことが報じられています。これで良く新型コロナウイルス対策が成功したと言い張れると心から怒りを込めて思います。
また、2番目の記事のように、オリ・パラが行なわれた8月に都内で200名の方が亡くなっています。これで良くオリ・パラは成功、新型コロナウイルス対策は成功したと言えると考えます。基本的にスガ氏、自公政権の言うことは自己正当化ばかりで、我田引水、本当の事は何も言わず、ただ実情は失敗ばかりを重ねているというだけなのです。

「自宅療養の男性2人死亡 保健所の健康観察対象から漏れる 千葉」(2021年9月9日 NHK)

「【独自】都内の8月死者200人、7月の3倍超に…2回接種終えてない50歳代以下が増加」(2021年9月9日 読売新聞)



「《日本の政治》新型コロナウイルス対策に観る日本の劣化 (2)」(2021年9月10日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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