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《日本の政治》 今回の総選挙の分析 その4 自民か、反自民か (2)
[日本の政治]
2021年11月7日 23時44分の記事

昨日の本ブログ「《日本の政治》 今回の総選挙の分析 その4 自民か、反自民か」(2021年11月6日)の続きです。

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◎ 自民過半数で『良かった』が過半数以下という世論調査の無意味
以下の朝日新聞の世論調査では、自民過半数で『よかった』が47%と出ています。笑ってしまいます。自民過半数で良かったが過半数以下なのですよ。このような世論調査結果は基本的に意味がないのです。

「自民過半数『よかった』47%『よくなかった』34% 朝日世論調査」(2021年11月7日 朝日新聞)

なぜ、このような結果になるかと言えば、投票数に対して、適正な議席数が配分されていないからです。これは主に小選挙区制の大きな欠陥なのです。そして、そのような欠陥ある制度によってなされた選挙で、民意が正確に反映されていない議席数だけの結果を見た上で判断されたものは当然、不正確なものになるわけです。それは非常に問題ある結果ということになるのです。
この朝日新聞の世論調査はまさにそういうものであって、何の参考にもならないのです。むしろ、このような世論調査によって出された不正確な結果が、さらに世論を誤誘導するということは十分にあるわけです。というより、そのためにこの世論調査結果を出したのでしょう。
この朝日新聞の世論調査とまったく同じなのが、本ブログ「《日本の政治》 今回の総選挙の分析 その2 (2)」(2021年11月3日)で取り上げた11月2日の以下の共同通信の世論調査なのです。

「野党共闘『見直しを』61% 岸田内閣支持、微増の58%」(2021年11月2日 共同通信)

この世論調査について書いた11月3日のブログでは以下のように書きました。


この世論調査のカラクリは簡単です。10月31日の総選挙で立民が議席を減らした、そのことを観て野党共闘を見直すべきか、否かという世論調査の設定なので、このような数字が出るのです。結果がでないのなら、野党共闘は見直しすべきだという意見を単に誘導しているに過ぎないのです。
しかし、最大の世論調査である今回の選挙において、61%が立民・共産を中心とする野党共闘に反対していたら、確実に立民の議席は50議席以下になっているはずです。
しかし、立民への票を観れば、まったくそういうことはありません。神奈川13区や特に東京では。
今回の選挙では、立民への票が完全な死票にされてしまったことに問題があるのです。その構造については、後日、詳説します。オンラインセミナーでは、すでに11月1日にお話しをしました。
一般的には、議席数だけでしか、結果を考えません。そして、テレビなどではそのことしか言いません。
本当は票がどのように投じられ、どのような構造で勝敗が決まったかと言うことを、テレビでは解説しなくてはならないのです。なぜなら、それが民意であり、日本の政治の現実だからです。
しかし、そういうものが、テレビなどのマスメディアでは一切ないのです。それでは、多くの有権者は、自分が投じた一票の意味をまったく理解できないのです。それで、この共同のような世論調査をされれば、結果がでないから野党共闘を見直すべきだと、簡単に誘導されてしまうわけです。
結局、この世論調査も、立民と共産の野党共闘を破壊したいというだけなのです。それは当然、自民党を利するということに過ぎないのです。連合が立民・共産の野党連合を選挙直前で否定するのも、まったく同じ理由なのです。
神奈川13区の例を観れば、立民は共産党との野党共闘が崩れれば、確実に弱体化します。太氏は二度と甘利氏には勝てません。反自民の風が吹いているときでも、勝てないということが常態化していくのです。それは、当然、自民党と甘利氏にとっては願ってもないことです。
そういうことを、上記の共同通信の世論調査も、また、なぜか連合も求めているのです。当然、これは国民のためにはなりませんし、そもそも国民のためではないのです。


上記の朝日新聞の世論調査とこの共同通信の世論調査の思惑は一緒です。そして、両方とも国民の利益にとってはまったく意味のない世論調査です。
繰り返しますが、議席数が民意を正確に反映していない選挙結果を見て、人々がどう考えたかという結果は、当然、不正確なのです。
しっかりと民意を知るには、選挙で有権者がいかに投票を投じたかということを丹念に見ていくことが何よりも必要なのです。
選挙とはサンプル数が最大の精密な世論調査なのです。それを無視して、世論調査を行なうということ自体がおかしいのです。だから、自民過半数で『良かった』が過半数以下という世論調査結果を破廉恥にも真顔で出すわけです。本当にバカげています。
選挙での投票をしっかりと見れば、民意の動向が見えてくるのです。そして、その動向の最大のものが、自民か、反自民かと言うことなのです。そのことを昨日取り上げた自民党の事務局長を務め、永田町で「選挙の神様」と言われている久米氏が述べているのですから、間違いありません。自民か、反自民かということを昨日も取り上げましたが、もう少し見てみましょう。
(つづく)

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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