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《日本の政治》 立民の『ゆ党』宣言
[日本の政治]
2021年12月3日 23時47分の記事

『ゆ党』というのは、野党(やとう)ではなく、与党(よとう)よりだから、『や』と『よ』の中間ということで『ゆ党』ということです。私から言わせれば、『や』から1つ下に落ちたということと考えますが、野党でもなく、与党でもないなら、何でもないと言うことです。
それにしても、立憲民主党を観ていると、もはや「『連合』非民主党」としか思えません。これから立民は党名に『民主』と名乗れないことが目白押しになると考えます。そう言う論理的な袋小路に入ってしまいました。
以下の日刊ゲンダイの主張は秀逸です。これは、立民の新体制において、新代表の泉氏がこれまでの立民は「自民党ばかり見て対抗し、国民に対する説明、発信が弱かった」とか、これからは「追及型ではなく政策提言型の政党」と述べていることに対しての批判です。まさに立民の『ゆ党』宣言を批判している。記事はとても良く書けていますが、その最大のポイントは何か?

「<悪党を野放しにする立憲民主>こうして この国はどんどん腐り果てていく(日刊ゲンダイ)」(2021年12月2日 日刊ゲンダイ)(※ コピーされたもの)

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それは以下の2つの部分です。


枝野立憲はなぜ、追求型を続けたのか。自民党政権が憲法破壊、公文書偽造だけでなく、ありとあらゆる悪事とデタラメを繰り返していたことが今も連日明らかになっているが、国会を開かず、まともに答弁もしない悪党の所業を泉立憲は黙認するのか

「反対ばかり」のレッテルは与党の策略


この日刊ゲンダイの切り口に座布団二枚。
アベ・スガ時代の自公政権が、めちゃくちゃだから、枝野立民が批判、追及してきた。そうしてきのは、自公が悪すぎるからです。枝野立民が悪いからではない。それを悪いのは自分たちですと言っているのが、泉立民ですから、それははっきり言ってバカでしかありません。頭がおかしい。泉氏にはトップになる資格がそもそもありません。
だから、立民に「反対ばかり」のレッテル貼って得をする与党の策略に乗ってしまうわけです。ホントにただただバカ。
この約10年の自公与党体制において、スキャンダルのオンパレードでしたが、もし、同じことがこれから起きても泉氏は、何もしないと言うことです。そういう政党『ゆ党』に期待する方が間違っている。
この泉立民の『ゆ党』宣言は、与党の問題を追及せず、与党でもないのに、実現がほぼ100%不可能な自党の政策を国会で延々と話し続けるというほとんど自己満足の国会議員ということでしかありません。それでは明らかに税金のムダ遣い。単なる役立たず。票を投じた民意を冒涜している。
例えば、森友学園問題における赤木さんのようなケースが生じても、新立民は何もせずにこれからは見殺しにするというのですから、はっきり言ってその感覚、尋常ではありません。立民議員も、泉氏も、この10年の自公体制で何があったのか、まったくみてこなかったのでしょうか? それなら、立民自体が無駄な存在。
例えば、週刊誌などが、与党のスキャンダルを報じているのに、国会の予算委員会では立民が『我が党の政策』を延々と述べる自己満足の行為を、これから国民は見せられなくてはならない。与党はそれで良いカモしれないが、国民はたまったものではありません。単にこの国が嫌になるだけ。これでは、どんなに立民が新体制をアピールしても、それはセピア色にしか国民には映りません。もう終わっています。
先の衆院総選挙で立民に票を投じた民意は、このような形で変質しているのです。もし、これが違う、許せないというのなら、立ち上がるべきです。100万人が違うと言い始めれば、立民は変わります。立民はなくなるかもしれませんが、日本の政治は確実に変わります。
野党が与党の問題を追及しないことはとにかく信じられない。どこから、そういう発想がでるのでしょうか? 先進国の政党政治、民主主義国でこのようなことはあり得ません。
今後は、恐らく、最初、新立民は少し与党批判をするでしょう。それは上述のような批判をかわすためです。しかし、その立民の姿勢は長くは続きません。なぜなら、そのようなことを長く続けるつもりがないからです。それが、上記の泉氏の発言の意味です。
この日刊ゲンダイの記事で、他に良いコメントは以下の法大名誉教授の五十嵐仁さんのものです。


「立憲が選択すべき道は、提案型への路線変更ではなく、対決型で追及力を高めることです。共産党のような調査能力もなく、週刊誌報道に頼ったり、揚げ足取りのような批判ばかりしていたら、国民から愛想を尽かされても仕方がない。野党ヒアリングだって、官僚を吊るし上げているだけに見えることが問題であって、国会で政府がきちんと答弁しない以上、役所の担当者に直接ただすやり方があってもいい。そこで疑惑解明につながる重要な証言が出てきたこともあるのです。ただ難癖をつけているだけと見られないよう、調査能力を磨いて、理詰めで政権を追い詰めることが野党の矜持です。それを忘れたら、自公政権のデタラメを黙認する存在になってしまいます」(五十嵐仁氏=前出)


まさにそのとおり。

◎ 有権者とのギャップ
この立民の新体制について、とても良い記事があります。福岡のRKB毎日放送のものですが、とても短い記事ですが、非常に良くポイントを捉えています。そのポイントは以下の箇所、立民新体制について有権者と立民関係者の声を載せている部分です。


今回の結果に、福岡の有権者は――。

●福岡の有権者「いいんじゃないんですか、顔が変わって。変わったねって国民の方が思うようなことをしてもらいたい」
「自民党にものが言えるような政党になってほしいなと思います」

●立憲民主党福岡県連・城井崇代表代行「自民党とけんかばかりしてるんではないか、追及や批判ばかりに見えるぞ、という意見を踏まえながら、国民に届く形で発信していくことが大事だと思っています」

「立民新代表に泉健太氏選出 有権者の反応は 福岡」(2021年11月30日 RKB毎日放送)


街の有権者は「変わったねって国民の方が思うようなことをしてもらいたい」、「自民党にものが言えるような政党になってほしいなと思います」と思っている。つまり、これまでは自民党にものが言えていない政党と立民は捉えられているのです。だから、変わったねと思われるようになってほしいと言うことです。
立民の実相は『反対ばかりしていた』とすら思われていないのです。
先の総選挙の分析で何回も書きましたが、有権者は自民に票を入れるか、入れないかの選択なのです。立民をみて判断しているわけではないのです。自民か、反自民かで考えているのです。この傾向はこれからも数年は続きます。
基本的に一般の有権者は与党しかみていないのです。野党をいちいちみていない。だから政策をいくら言っても見ない。そうなる理由は、まさに与党だからで、テレビなどでの露出度も圧倒的に与党が上なのです。
野党ががんばっていろいろとやって、テレビに露出したなと思っても、実はほとんど国民には届いていないのです。立民や野党合同の政府に対するヒアリングも、テレビニュースで、せいぜい1分です。その程度の露出度。トイレにいっていたら見逃してしまうほどなのです。
ですから、立民はそもそも『反対』、『批判』すらしていないと有権者に思われているのです。
そう思われてしまうもう一つの理由は、問題ある与党の行動が変わっていないからです。はっきり言って立民より『文春砲』の方が、圧倒的に威力があると国民の圧倒的多数は思っています。
だから、立民は『文春砲』を超えるものを与党に対して突きつけることができなければならないのです。そういう能力をつけなければならない。
文春が発売される毎週木曜が楽しみという国民がいても、立民が国会で質問するのが楽しみとは誰も思わない。それが、立民の国民における位置づけなのです。
しかし、上記のRKB毎日放送の記事での立民関係者のコメントは、立民新体制のオウム返しで、与党への批判はしないと言っているわけですから、そこに国民の意識との大きなギャップがあるのです。呆れます。
だから、これからこのギャップを埋める存在が、国民の求めるものを満たす存在が、今後、野党のトップになります。そして、それはいずれ日本のトップになっていきます。もちろん、それは今の立民ではない。

◎ 被支配者集団
今や日本には3つの『ゆ党』が存在します。立民と国民民主と維新です。この3つの『ゆ党』がこれから重なっていきます。そのつなぎ役が、大企業、大資本の小間使い『連合』であるわけです。もちろん、この動きは親自民。
今はそういうことを否定していますが、彼らはまず最初に否定して警戒感をといて、そのうち動き始めます。そういう意味では、嘘つきという前提でものを考えるべきと考えます。アベ政権が終わってから、嘘つきの警戒をこのような形でしなくてはならないというのは、本当に国民にとって問題ある政治状況です。
また、『ゆ党』というのは、被支配者意識の塊です。支配者である与党にすりよって、個別政策の実現が出来ればよいと考えると考えます。被支配者根性だから、全体のことは考えない、考えたたくない。いつまでも子どもでいたいピーター・パンと同じ。
被支配者意識・『ゆ党』の求めることは、これまで自分たちが主張してきた個別政策が取り上げられて、顔が立って、それで与党によって議席が保証されること、これに尽きます。いつまでも国民を見ないで、与党と自分の利益だけをみる。それが、『ゆ党』、被支配者集団の本質と考えます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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