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《日本の政治》 日大問題は、日大だけの問題ではない 
[日本の政治]
2021年12月11日 23時50分の記事

日大の田中前理事長問題。このことは、日本の政治においても様々なポイントがあります。例えば、政界に繋がる問題であるのか、ないのか。しかし、このことも含めて、この日大の問題は、コンプライアンス、ガバナンスとしゃれたカタカナ用語が氾濫している社会の一方で、現在の日本人の弱さ、社会の危うさを如実に示している典型と考えます。思考力を失った社会の空虚さ、空洞化。責任感がない消費者マインド。田中氏のような人物がいれば、どこでも同じようなことが起きる危うさが、現在の日本社会にはあるのではないでしょうか?

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この田中前理事長問題は、日大にとっては極めて恥ずべき問題です。なぜなら、アカデミズムの場で、傍若無人なファシズム体制(他の考えを認めない独裁的な強権体制)が構築され、私欲の限りが尽くされたからです。日大がそもそも人類に貢献する学問を教える場に相応しいのかと心から疑問に思います。
私欲を求める悪しき権力と暴力に、人々は屈し、闘わず、独裁になっていった。悪しき人治主義の最たるものですが、それがアカデミズムの場に出現したというレベルの低さは、やはり見過ごせないものがあります。
同大学の職員や教授などは悪しき権力と暴力の前に沈黙し、保身に走った。そうした気持はわかりますが、その結果、日本一のマンモス大学が私物化され、容易に傍若無人なファシズム体制という地獄になった。結局は闘わない限り良い環境は生まれないと言う根本的な真理がそこにはあります。今回は、国家の介入で、膿が除去されていますが、現状の日大に自立的に良い組織、環境をつくり出すことができるのかは、甚だ疑問です。そういう人間がそもそもいるのかと考えます。
そこには、当然、モラルの崩壊が生じてもいます。日本の社会を見ても、SDGsという割にはモラルがない。この傾向はこれからも続くと考えます。SDGsなんていう、人から言われたことを、やっているようではダメでしょうね。完全に思考停止です。
しかし、この日大の問題は、日大だけの問題なのでしょうか? この日大問題で一番危惧していることは、ガバナンス、コンプライアンスとカタカナ用語が氾濫してる現在の日本社会で、このような傍若無人なファシズム体制が生まれたことです。現在の日本では、そういうことが一歩間違えば起きてしまうことは、忘れるべきではないでしょう。むしろ、今、取り組まなくてはならない日本の喫緊の課題と考えます。
現在の日本人の弱さ、社会の危うさを、やはり感じざるを得ません。悪を駆逐するために闘う気概がなくなっている。だから、どんどん悪が大きくなると言うことです。
テレビを見ていると、日大の学生には罪はないと言うコメントが言われます。それはそうなのですが、このことを言って、日大を叩くと罪もない学生にとって就活などでマイナスになるから、日大問題について考え、議論することやめるということになってはいないかと考えます。
やはり、この日大の問題は徹底的に解明して、考えて、同じことが社会レベルで起きないようにすることが最大のポイントと考えます。結局、規模は違うとは言え、国家でも同じことは起こりえるのです。特に日本は、過去に同じ過ちを犯してるのです。そして、今の日本ではそういうことが容易に起きると考えます。

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片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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