現在の日本の対ウクライナ政策はアベ政権の『積極的平和主義、自由と繁栄の弧』の一環にすぎない その2 | ||||||
[日本の政治] | ||||||
2022年3月18日 1時30分の記事 | ||||||
昨日の本ブログ「現在の日本の対ウクライナ政策はアベ政権の『積極的平和主義、自由と繁栄の弧』の一環にすぎない その1」(2022年3月17日)の続きです。
◎ 日本でウクライナに一番近い政治家はアベ晋三 一般的に、元首相のアベ晋三は、プーチンに近く、『親露』だと言われてきました。そう一番言ってきたのは、筑波大学教授の中村逸郎だと考えますが、それはまったく違います。このプーチンとアベ晋三は正反対で、そのようにずっと申し上げてきました。中村逸郎については本ブログ「《日本の政治》 日本の知性の劣化を非常に感じるテレビ」(2022年2月27日)でも書きましたが、基本的に素人レベルの見解しかないと考えます。よくこのレベルで大学教授ができるなと心底感心します。 いずれにせよ、アベ晋三が近いのはウクライナです。これは以下の2月27日の記事「安倍元首相『ウクライナ国民に連帯』表明」を観ても一目瞭然です。 「安倍元首相『ウクライナ国民に連帯』表明」(2022年2月27日 FNN) だからアベ政権下で27回の日露首脳会談を行なっても、まったく進まなかったのです。本当は、2013年以降、日露間で平和条約を締結しなければならなかったのですが、アベ晋三がのらりくらりとかわしてしまったのです。そして、そういうところに筑波大学の中村逸郎が、アベ批判をしているようで、実は反プーチンとして日露離反をずっとやってきたわけです。 因みにトランプとアベ晋三が近いと言われてきましたが、それも間違いです。この両者もまったく反対なのです。そのことが一番良く表れているのが、以下のトランプの発言です。上記のアベ晋三の発言とまったく反対でしょう? 「トランプ氏、プーチン大統領称賛 親ロ派地域の独立承認『天才的』」(2022年2月23日 共同通信) そうなるとトランプとプーチンは近く、その反対はアベ晋三ということになる。さらに言うとトランプの反対はウクライナ疑惑の戦争屋バイデン(ハリス)ですから、必然、この戦争屋バイデン(ハリス)と近いのがアベ晋三ということになります。これが本当の現実。 そういうアベ政権下ではGPIF資金が主に米国の巨大武器産業に流れました。2017年9月17日の東京新聞は「GPIF年金運用 軍事上位10社の株保有 本紙調べ」として報じていますが、その原文は現在ネット上にはありません。東京新聞も随分とヘタレだなと思いますが、以下のリンクにその記事の切り抜きが載っています。 「GPIF年金運用 軍事上位10社の株保有 本紙調べ」(2017年9月17日 東京新聞) また、同時期の朝日新聞では、以下のようにGPIF資金がクラスター爆弾製造会社(米国)に投下されていることが報じられています。日本人というのはとにかく戦争に気安くお金を出すものです。こういう存在が人類において一番の最悪の存在。日本人はそういう自分をまったくわかっていない。 「GPIF、クラスター爆弾製造の米企業の株保有」(2017年4月7日 朝日新聞) そして、ウクライナ疑惑がある戦争屋バイデン(ハリス)と近いアベ晋三は、当然、ウクライナに日本で一番近い政治家なのです。そのことが以下のウクライナ人のウドヴィク・ヴィオレッタさん(日本・ウクライナ関係史)が書かれた論文にはっきりと書かれています。 この論文を読むと、現在の日本の対ウクライナ政策が、GPIF資金を武器産業に投下してきたアベ政権の『積極的平和主義、自由と繁栄の弧』の一環であることがはっきりとわかります。尚、この文も今後削除される可能性がありますので、全文を魚拓リンクとともに文末に貼り付けておきます。 「日本とウクライナ――「積極的平和主義」を掲げる安倍政権のウクライナ支援」(2018年1月26日 ウドヴィク・ヴィオレッタさん) 「日本とウクライナ――「積極的平和主義」を掲げる安倍政権のウクライナ支援」(2018年1月26日 ウドヴィク・ヴィオレッタさん)(魚拓) この論文の前半には、日本・ウクライナの100年以上続く関係のことが書かれていますが、その関係は2014年以降、急激に緊密になり、アベ晋三がそのキーマンであると以下のように書かれています。2014年と言えば、上記の米国がウクライナで政変を起こしたときですが、その米国の動きに合わせてアベ晋三は動いているわけです。考えて観てください。それで『親露』のはずがないでしょう。2014年のクリミアへのロシアの動きは、2014年の米国のウクライナへの策謀への対抗策なのです。
アベ晋三は2018年までに1800億円以上の資金をウクライナに投下しているわけです。日本でウクライナに一番資金を投下しているのは、言うまでもなくアベ晋三なのです。アベ晋三はロシアにもお金を出していますが、それはロシアを欺いてこのウクライナへのアプローチをするためなのは明らかです。これは上掲したアベ晋三のウクライナ一心同体宣言でも明らかです。 そして、この論文には次のように書かれています。冷戦後の日本は、それまでの対米協調路線から新たな外交戦略へ動き出し、アベ政権での「自由と繁栄の弧」(2006年)、「積極的平和主義」(2013年)となり、ウクライナと東欧、EUとの関係強化に動いたと。以下のものです。
ここでもアベ晋三の反露姿勢は明確ですが、そもそもアベ晋三の外交戦略が米国追従であるのは上述のジム・ロジャースの言葉などを見れば一目瞭然です。GPIF資金を米国の武器産業に投下していることも同じ意味なのです。その武器が米国のバイデン政権からウクライナに現在提供されているのです。これを『戦争とお金の構造』というのです。 「自由と繁栄の弧」(2006年)、「積極的平和主義」(2013年)の両方ともアベ政権のもので、同政権が米国追従路線であることは私が指摘するまでもないでしょう。冷戦後も日本ははっきりと米国追従路線ですから、この論文は一体何を言っているのかというレベルなのです。 このアベ政権の動きで、プーチンとの平和条約、領土交渉が前へ進むはずがないのです。以下の記事のように、プーチンに対してアベ晋三が北方領土返還後は米軍を置かないと言っても、アベ晋三の米国と連動するウクライナでの動きを観れば、プーチンがアベ晋三を信用しないのは当たり前です。要するに北方領土問題が決着せず、日露平和条約が結べなかったのは、あくまでもアベ晋三の米国と連動した「自由と繁栄の弧、積極的平和主義」の一環としてのウクライナ政策にあるのです。 「北方領土に米軍、プーチン氏警戒 安倍首相『誤解だ』」(2018年11月16日 朝日新聞) そもそも、アベ晋三には日露関係進展をやる気がない。ウクライナに対してはこの論文に書かれているように、やる気満々です。ロシアに対してはお金を出してやっている感を演出していただけなのです。 ウソがつきまとう同氏らしいのですが、こういうことを本ブログやザ・フナイの連載で2015年からずっと指摘していますが、その実態を理解している人が日本には本当に少ないのには心底驚きます。 そして、この論文の以下の部分には、JICA理事長の北岡伸一の名前が出てきます。同氏は、言わずと知れたアベ晋三とともに憲法改正、集団的自衛権の推進者です。つまり以下に出てくるジョージア、アルメニアとウクライナとは、このようなアベ晋三の「自由と繁栄の弧、積極的平和主義」抜きには語れないものなのです。
このようなことと、上述したジム・ロジャースが指摘した政権転覆を含めたウクライナへの米国の介入をあわせて考えれば、ウクライナの意味がよくお分かりになっていただけると思います。 だからこそ、以下の東京新聞の指摘する『ウクライナ侵攻で勢いづく改憲派 自衛隊明記など念頭に安倍元首相ら』ということになるのです。でも、東京新聞はロシア・ウクライナ情勢の実相を理解できていないのです。だから、アベ晋三を『プーチンと同じ』と言ってしまう。新聞がこの程度ではどうしようもありません。せめてジム・ロジャースにインタビューでもしたらどうかと思います。 「ウクライナ侵攻で勢いづく改憲派 自衛隊明記など念頭に安倍元首相ら 専門家『便乗だ』『プーチンと同じ』」(2022年3月16日 東京新聞) さらに、以下のように立民の蓮舫は、親ロシアのアベ政権がプーチンを助長させたと国会で自信満々に言ってしまうわけです。立民はすでに終わった政党だと思っていますが、ここまで来るとどうしようもないなと改めて思うしかありません。蓮舫はまったくの勉強不足。ジム・ロジャースの足下にも及ばない。 いつもながらアベ晋三を批判しているようで、実はポイントをずらしたり、肝心なところで追及をやめてしまう立民の体質がこの蓮舫の質問によく出ています。そして、最近の立民は、その批判すらやらなくなってしまったのですから、どうしようもない。話しになりません。 「蓮舫氏が安倍内閣の責任追及『対ロシア大盤振る舞い外交方針はプーチン大統領を助長させた』」(2022年3月17日 日刊スポーツ) また、以下の記事のようにゼレンスキーの国会でのオンライン演説を自民・立民が実施の方向で調整とあります。上述のウクライナの本当の意味を考えれば、とんでもないことです。最低でもロシア・ウクライナ情勢についての日本の立場は『中立』であり、それが平和国家としての立場です。米国がウクライナを使ってロシアに対峙していることに加担してはならないのです。何でもタカ派的に言動するのはバカの証拠。 「ゼレンスキー大統領 国会での“オンライン演説” 自民・立憲が実施の方向で調整」(2022年3月16日 日本テレビ) 「立民・泉代表『他国指導者の国会演説は影響が大きい』 ゼレンスキー大統領オンライン国会演説に慎重姿勢」(2022年3月16日 TBS) 上記のTBSの記事は立民がゼレンスキーのオンライン国会演説に慎重という記事ですが、結局はやるということが最後に書かれています。 ◎ 現実は日本人の想像をはるかに超えるレベルで動いている 以下のクーリエ・ジャポンの記事は、ウクライナ情勢は『アメリカが引き起こした危機』と上述のジム・ロジャースと同じポイントを指摘しています。日本で報じられていることは真実ではないのです。現在の日本のように戦時下においては、少なくてもそう批判的に観なくてはならないのです。そうするのは、何よりも自分の身を守るためです。 「これはアメリカが引き起こした危機 「プーチンは犠牲者だ」世界には親ロシア目線でウクライナ侵攻を報じる国がこれほどある」(2022年3月12日 クーリエ・ジャポン) ジム・ロジャースは、今回、米ドルの終焉(=基軸通貨の終焉)ということをはっきりと述べています。このことも、これまで私が散々指摘してきたことですが、それがすでに現実に起きているのです。でも、世の中、そんなことは微塵も考えていないでしょう。それが世界とのギャップなのです。 そして3月17日の私のメルマガには、以下のように書きました。
本当に現状、日本人のほとんどの想像を絶する現実が進行しています。現在、最低でもロシア・ウクライナ情勢については『中立』を確立できないと、今後の日本は、コモディティの輸入に極めて大きな支障を来すことに必ずなります。そのときは、米国はすでにあてにできません。必ず、今の日本政府の姿勢とマスメディアの報道姿勢を悔やむことになります。そのときはまず徹底的に責任追及をしましょう。徹底的に。国民民主党とかも。 現在の日本政府と日本のマスメディアのウクライナ・イギリス(アメリカ、イスラエル)側の姿勢は、正しいとは限らないとまず疑って批判的に観る必要があるのです。まずは、世界的な投資家のジム・ロジャースの言葉を追いかけてみてはいかがでしょうか?
最終編集日時:2022年3月18日 1時30分 | ||||||
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