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日米株高の株価操作の動き その2
[日本の政治]
2023年6月4日 9時24分の記事

本ブログ『国民のためではなくG7サミットのための演出、プロパガンダ及びミスリード 』(2023年5月19日)『日米株高の株価操作の動き 』(2023年5月28日)で、日米株高の株価操作のスキーム(PKO Price Keeping Operation)について書きましたが、そのことについてその後の動きを考えてみましょう。

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このスキームは、5月28日の週で局面が明らかに変わりました。5月31日から6月1日の未明(日本時間)にかけての日米での株価などの動きは、このスキームがストップしたことを物語っていると考えています。
6月1日の午前0時台の状況は、まず5月31日の日経平均株価は大きく下げている状況です。そして、日経平均先物も下げていて、ダウも下げています。まさに日米同時株安の状況になっています。
日米株高の株価操作のスキームでは、日銀が日本の株式市場で株を買い、その代金をドルにかえて、米国の株式市場に入れるので、どうしても円ドル為替は円安になると指摘しました。そして、実際、1日午前0時台、ドルはそれまでの140円台から139円と下がっています。
まさに、6月1日午前0時台の動きは日米株高スキームが終了していることを物語っていると考えます。
しかし、その後、新たな局面が動き出します。それが以下の記事で、6月1日、『米利上げ6月見送りの公算大』というFRB高官の発言が出てきます。

・ 『米利上げ6月見送りの公算大、高官発言が「権威あるシグナル」に 』(2023年6月1日 ロイター)


5月28日のブログでは『米国の金融不安はあくまでもFRBが政策金利を上げたことに起因しています。その不安要因はまったく変わっていないと考えます』と書きました。まさに現在の米国と世界において最大のポイントはこのFRBの金利なのです。
そして、その最大のポイントで『米利上げ6月見送り』という新たな局面ですから、当然、米国株式市場の動きは変わります。日本の株式市場などでの動きも変わります。ここで私が指摘してきた日米株高の株価操作のスキームは終了ということです。
ただ、この金利発言後に、日米とも株価は非常に上昇していますから、この発言などFRBの政策金利引き上げの据え置きが、新たな株高操作のスキームということはあります。
この一連の動きを観ていると、明らかに日米当局で打ち合わせ連携していると考えます。

米国の金融不安はFRBの金利引き上げにその原因があります。ですので、『金利を上げない』ということで株高になることは現状あると考えます。ただ、金利はすでにゼロ金利から5%まで金利は上昇していて、すでに高い状況にありますので、金融不安の要因が解消されたと言うことではないでしょう。今後、さらに金利を引き上げる可能性はあります。
また、この株価のポイント以外にもう一つのポイントがあります。それは、『金利を上げない』ことによって、ドルの価値が下がることです。本当は金利がすでにゼロ金利から5%までになっているので、金利が現状維持となっても、ドルの価値が大きく下がることはないでしょう。であるのに価値が下がるというのであれば、それは実質ドルの価値が下がっているということになります。上記の金利据え置き発言後の6月2日、金先物が急上昇して、一時2000ドルに接近しています。このドルの価値の下落は、FRBの金利引き上げと表裏の関係と考えます。

・ 『来週のドル・円は下落か、6月利上げ見送り観測がドルの重しに 』(2023年6月2日 ブルームバーグ)


上記、私が指摘したことは、米国でのインフレということで説明できますし、雇用統計などは株価上昇の短期的な要因として説明できるでしょう。
しかし、これらのことは基本的に通貨制度の問題と私は考えています。そして、現状、この『通貨制度』を要因とする傾向は日増しに強まっていると考えます。
この通貨制度を要因としてFRBは政策金利を引揚げることになっているとこれまで指摘してきました。FRBが金利を上げないとドルの価値が下がるという状況と指摘してきました。しかし、FRBがドルの価値を維持するために政策金利を上げると金融不安の度は深まり、米国をはじめ株価がさがります。そのためこれまで指摘した日米株高スキーム(PKO)となるわけです。このスキームのポイントは、FRBの政策金利引き上げで米国での金融不安が生じているという米国事案について、すでに米国一国では対応できないということです。
そして、現状、英米をはじめとする西側は、中露との戦争・対決状態ですから、FRB起因の金融不安に対処しなければならない状況なのです。私がこれまで指摘した日米株高スキーム(PKO)は、戦時経済、戦時対応ということなのです。だから、中露対決姿勢を鮮明にした広島G7戦争サミットにあわせて日米株高スキーム(PKO)を行なったと指摘しました。現状はすでに第三次世界大戦、完全なる自由経済と考えることは無理があると考えます。
ロシアに対するウクライナの世紀の反転攻勢といっているところで、そのウクライナをウラで支えている、というよいりウラで完全に操っている米国で株価が大暴落というのでは、シャレになりません。そのようなことになれば、一気にウクライナが潰走ということになります。だから、戦時経済、戦時対応、PKOということになるのは当たり前なのです。

私は金融の専門家ではありませんが、現状のように、世界的に通貨制度そのものが大きく変貌しているときは、情勢の動きのポイントはその『通貨制度』になるのは当然と考えます。そして、そこに焦点をあてて考えると逆に見えてくるものがあると考えます。
無論、私が金融の専門家ではないからそう見えてしまい、勝手に思い込んでいるということあり得ます。ただ、このFRBドルについての通貨制度については、それにまつわる別の現象についてもザ・フナイの連載で5年以上前から指摘しますし、現状、その動きが加速しています。このような分析からすると、米国とFRBドルについて生じている現象が単なるインフレ要因ではないと言えると考えています。
このような観点から世界を概観すると、米国とFRBドルについて生じている現象は、すでに米国だけの問題ではなく、世界的な事象の一部なのです。そして、このことが現在の世界に大きく影響を及ぼしています。いい帰れば、現在の世界情勢の本質は通貨制度にあるということです。『通貨制度』とはそれほど大きな問題なのです。ロシア・ウクライナ情勢の原因もこのことにあります。無論、他の事象にもこのことはあてはまるのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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