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大陸への道を自ら閉ざす愚かさ?
[日本の政治]
2019年1月22日 0時0分の記事

昨日の本ブログ「大陸への道を自ら閉ざす愚かさ?」(2019年1月21日)の続きです。

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韓国の徴用工の問題や慰安婦の問題を見ていると現状のロシアの主張と重なる部分があります。特に徴用工の問題はそうでしょう。その現在の韓国の主張は先の大戦の清算であって、そのことができなければこれから韓国で日本企業は経済活動ができないと言うことです。そしてそうなると、南北融和がなったとき、日本は大陸への足がかりを失うということになります。大陸を前にして日本は大陸とは関係が築けず、後ろを見れば広大な太平洋が広がり、米軍のプレゼンスは減少していくという状況では、確実に日本は孤立化に陥ります。それが現在、日本が置かれている実相と考えます。
韓国とロシアの動きは、このようなことを言っているわけですが、そこで日本に残された道は香港・上海という中国であるわけです。この香港・上海の筋は、明治維新と密接に繋がり、今も存在するわけです。日本の右翼は昔から中国(香港・上海)と仲がとても良いですからね。そして、この筋がいつまでもつかというポイントがあって、それが失われると、日本は東南アジアにも足がかりを失いますから、完全に孤立していくわけです。現在の日本はそういう大事な所にいるわけですが、安倍政権の外交は完全にこの孤立化に向っていると考えます。その中でよりどころにしているのは英仏という状況です。この構図は中東でも変わりませんが、これがまさに明治維新・戦前の日本の構造なのです。

日韓基本条約の改訂が必要
今、焦点になっている日韓基本条約も、所謂、戦前の満州の系譜でつくられたわけです。政財界の黒幕と言われた満州人脈の児玉誉士夫氏だけを見ても、この系譜がよくわかります。ウィキペディアですが、以下のリンクのページを見ても、日韓基本条約に動いた経緯、日米安保改定などのところに名前が出てきます。もちろん、安倍首相の祖父である岸信介氏、河野外相の祖父の河野一郎氏の名前も出てきます。満州人脈です。

『児玉誉士夫』(ウィキペディア)

これまで申し上げてきたように、また本ブログ「戦前と何も変わっていない?」(2019年1月16日)で申し上げたように、戦後の日本は朝鮮戦争にその主要点があります。その中で、日本の右翼勢力と韓国の保守系勢力ががっちりとタッグを結んできたわけです。その中心が満州人脈であったわけですが、その満州には宮田参謀もいるわけです。
このことは実は沖縄にも繋がるわけです。沖縄返還時において当時の朴正煕大統領は以下のように考えを示しています。ウィキペディアからです。


沖縄基地が核を含め現状のまま自由発進の態勢にあることが絶対に必要だ。 (ウィキペディア『沖縄返還』)


上述した日韓の繋がり(右翼)、朝鮮戦争の構造などを考えれば、沖縄の反基地闘争などの運動を押さえために右翼がよく出てくることは非常にわかりやすいことなのです。沖縄の問題にはこの日韓の系譜、満州人脈、そして朝鮮戦争の構造が厳然としてあるのです。そして、その構造が沖縄の人々の声を圧殺しているわけです。日韓の系譜、満州人脈の系譜にいる現在の安倍首相・自由民主党がなぜあのように沖縄に対して卑劣な姿勢をとるのかは、実は一目瞭然でよくわかる、戦前の戦争の系譜を持つ日本と韓国を結ぶ人脈において歴史的に一貫性のある動きであるのです。
このような日韓基本条約ですから、朝鮮戦争が終わろうとしているときには、日韓と日本と朝鮮半島の未来志向の関係を築くために、その条約も改定する必要があるわけです。もちろん、これは現在の自由民主党ではできません。なぜなら、自由民主党はその朝鮮戦争の構造の中で生まれ、そして中心的に存在してきたからです。そこに戦後において異常に長く続く自由民主党の独裁政権があるわけで、そこに官僚組織も一体となっているわけです。もちろん、そこに勝共連合もあるわけです。
未来志向で日韓基本条約を改訂していくことは既に迫られた日韓関係における要件と考えます。そこに日韓両国民、及び日本の朝鮮半島との未来のあるべき関係があると考えますが、もちろん、この朝鮮戦争の構造によって存在してきた上述の日韓の系譜は当然、反発するわけです。それが韓国では保守系野党であり、朝鮮日報や中央日報などの保守系メディアであるわけです。
日本で反韓を煽っているのは、この系譜の人々で、その先には南北融和、即ち朝鮮戦争の終戦を阻止したいという明確な目的があるわけです。と同時に、これまで日韓の関係をこの系譜で独占してきたわけですから、この朝鮮戦争の構造の終焉がこの系譜と関係ない人々によってなされれば当然、力を失いますから、それを当たり前のように邪魔するわけです。
そういう所に日韓のレーダー問題もあるわけです。ところで、この問題で行動を起こさない立憲民主党を韓国政党と批判した論調がありましたが、そもそも日韓の系譜を見れば、日本の右翼勢力こそ韓国の保守派とがっちり手を結んできた双子のような存在であるわけで、日本における韓国との系譜で最大のものはこの系譜です。ほぼこの系譜だけと言っても良いと考えます。以下の本にもその一端が見てとれます。

戦後日本の闇を動かした「在日人脈」 (宝島SUGOI文庫)

また以下のウィキペディアの満州人脈に書かれていることを見ても、この系譜が日韓基本条約に関わっていることがよくわかります。

『満州人脈』(ウィキペディア)

たった55年前、戦前を含めれば80年前の歴史すら知らないでそのような批判をして、日本の長い歴史を語るというのはどうにも理解できないことです。ウィキペディアくらいは見て発言すべきだったと心から思います。ただし、この立憲民主党批判の発言の後の同党の言動を見ると、逆にその背景が見えてしまったと考えられても仕方がないでしょう。
そして、何よりも文在寅大統領はこの系譜を否定しているにすぎません。それは当然でしょう。日本人の大半にとってもそれは意味あるもののはずです。
米軍のプレゼンスが世界的に変化している中で、日本が孤立化の動きを深めるのはまさに日本人が自ら首を絞めることにほかなりません。そして、それは遠く続く大陸との関係を断ち切ることになるのです。

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◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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