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パナマ文書の提供者が初の声明、『革命』を予見?
[日本の政治]
2016年5月9日 23時54分の記事

昨日の「パナマ文書の提供者が初の声明、『革命』を予見?」(2016年5月8日)の続きです。

「パナマ文書の提供者が初の声明、「革命」を予見」(2016年5月7日 AFP)

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タックスヘイブンや今回のパナマ文書で問題になっているのは、表に出ないお金があるということです。それは、それらのお金は脱税や不正な取り引きなど生産的な使われ方をしないと言うことでもあります。それは一種の滞貨です。利益や利得として吸い上げられたお金がこのようなお金になることによって、一般に、表に出回るお金は少なくなります。その少なくなったお金で経済を回すことになりますから、一人あたりの取り分は確実に減っていきます。これが繰り返し行われれば、タックスヘイブンにお金を回避させている人々は富を増やしますし、貧富の格差は確実に上昇します。
企業や資本家がタックスヘイブンにお金を逃避させ、さらに法人税を下げろと言えば、それらにとっては良いことずくめです。一方で、財政が悪化したと言って、国民から消費税や様々な形でお金を吸い上げていくとなれば、国民、社会はどんどん疲弊していきます。それでは消費が一向に上向かないどころか、落ち込む一方であるのは必然的な現象でしょう。このような税制も一種、行きすぎた資本主義の悪弊という側面であるのです。そして、これが資本主義を終焉に確実に導きます。そのことに気がついていない政財界の人々が多すぎると思いますが、社会が疲弊してはお金を持っていても意味はないと言うことがわかっていないでしょう。
貧富の格差はかならず社会を荒廃に導きます。既に資本主義は中間層を喪失させる装置になっています。このことが、徐々に社会の意味をなくし、富めることの意味を喪失させます。そのように政治は全体的な状況を観て安定化と発展を指向して行かなくてはならないのですが、現状の政治は一面しか観ていないが故に、どんどんアンバランスが増し、不安定になっています。安定している社会は天から与えられているのではないのですが、貧富の格差が増しても社会は安定していると勘違いをしているのが、今の政治です。明らかに保守主義ではないと言うことです。
今回のパナマ文書が突きつけるものは、このようなものですが、しかし、最終的に問題となるのは、そもそも資本主義なるものがあるのか、もしくはあったのかと言うことであると考えます。商行為は太古の昔からありましたが、資本主義は近代以降の産物です。その資本主義は本当に民主的で自由の産物であったのかということが問われるものと考えます。商行為はなくなりません。新しい時代においても商行為はなくなりません。しかし、資本主義はどうなのか、それが問われるでしょう。
経済とは社会を安定化させ、平和と生活の安寧を形づくるための手段であって、目的ではないのです。

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片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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