| ビジネスエリート | |
| [日本の政治] | |
| 2018年3月26日 23時50分の記事 | |
本日（２６日）、テレビ東京『ワールド・ビジネス・サテライト』を観ていましたが、現在の日本の政治の混乱、経済・社会の低迷の原因を見た思いがしました。
番組にはコメンテーターとしてクレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジストの市川眞一氏が出ていましたが、以下のようなコメントをしていました。このコメントは、明日の国会での佐川氏の証人喚問についてのことで、この喚問での発言次第で政権に大きな影響があるという脈略で言われています。 今、このところですね、Ｇ７、７カ国の中でも日本は最も安定した政治体制をここ数年、築いてきましたので。そうですね、それが崩れるのかどうかっていう意味でも非常に注目をしなくてはいけないイベントだと思います。 そうするとＧ７どこも不安定になってしまうと言うことになりますからね。 現状、日本の政治は許容範囲を超える無茶苦茶な状況です。それが当たり前のように政権支持率に表れているわけです。政権にまつわる様々な問題の本質は、既に退陣すべき状況であるわけです。そのような中で日本の政治が安定していないと世界が困るということが、市川氏の本意なのでしょうか？ 私にはそう聞こえました。しかし、現在の日本の状況は政治の安定が必要か、否かというレベルではありません。明らかに国民にとってはこのような安倍政権が続いてもらっては困るという状況です。政権にまつわる問題が次から次へと出てくることが政治の安定さを失わせる原因となっているわけで、政治の安定さをもたらしているのは政権そのものにあるという状況です。そして政権はこれまで指摘されてきた問題点をきれいに説明し、実証することができませんでした。むしろ、そのような説明があとから覆されてきたわけです。それでは収拾がつかなくなるのは必然、政権そのものが嘘をついていると思われるだけで、その疑念が深まっているわけです。このような状況において、現状の政治の問題点を明確に説明することがこの市川氏の役割ではなかったかと思います。まったくもって間抜けな論理です。 どうして、このような本質を言わないで、政治の安定と言うことを強調するのでしょうか？ 推測ですが安倍政権に続いてほしいのでしょう。しかし、そのことが現在の日本の政治・社会・経済の混乱を明らかに招いていいます。このコメントを聞いていて、現在のこの滅茶苦茶な国内政治をもたらしたのは、ビジネスエリートの本質を観る眼のなさ、道徳観のなさ、倫理観のなさ、そして社会性のなさであり、それをまざまざと見た思いがしました。この道徳観のなさ、倫理観のなさ、そして社会性のなさが、政治の混乱だけではなく、非正規労働者の横行、景気が振るわない状況、荒廃する社会の元凶なのだと考えます。そこに非常に軽薄な人間性を見いだします。 第二次安倍政権のこの５年間では、政治の安定性ということが言われ、それが政権継続の大義のひとつになってきたわけですが、その安定が内政においては次から次へと問題がでる滅茶苦茶さになり、そして外交は既に破綻しています。この番組では、冒頭、携帯電話の世界的シェアの１位から４位までに日本が入っていないことを伝え、その次に居酒屋の売り上げが年々落ち込み、倒産件数が増えていることを報じていました。番組では居酒屋の売り上げが落ちている理由として、ちょい飲みや家飲みが増えているからと述べていましたが、理由は明らかに一般の可処分所得が減っているからに他ならないでしょう。この種のことは本ブログで何度も指摘してきましたが、簡単に言って、お金がないからちょい飲みや家飲みになるわけです。とてもわかりやすいお話しなのです。そして、その可処分所得が落ちている理由の多くの部分が安倍政権の政策的な問題であると、本ブログではずっと指摘してきました。私からしたら居酒屋の売り上げが落ちているのは必然なのですが、経済専門番組ではどうも本質を伝えないようです。それか、原因がわからないようです。そして極めつけは市川氏のこのことについてのコメントで、同氏はむしろ現在の状況でもっと熾烈な競争をしろと言っているように聞こえました。何も分析ができていないものと考えます。そんなことをしたら日本が壊れます。 この市川氏のプロフィールには「与野党を問わず政界に広い人脈、『辛口』の政策提言に定評」とありますが、一体これまで何を提言してきたのかと心から思います。現在の日本の政治・経済の状況を観るにつけ、むしろ何も提言をなさらない方が、国民生活と国家のためになるのではないかとすら思います。市川氏の上記のコメントは、安倍政権が長く続くと利益があるような言い方と受け止めましたが、それは市川氏の利益に繋がるのではないかと考えてしまいます。少なくと国民と国家のためとはどうしても思えません。市川氏はマーケットのことはわかっているのかもしれませんが、政治、人間と社会についてはどうもおわかりではないように思います。しかし、人間と社会をわからないで本当にマーケットのことがわかるのかと心から疑問に思います。それを示すのが、辛口の政策提言を行なった故の現在の日本の政治の混乱と経済・社会のひどい状況なのでしょう。とは言え、実のところ辛口ではないのではないかと思います。だからこうなるのでしょう。 | |
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