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スガ政権のコロナ対策は具体策がない ?
[日本の政治]
2021年3月19日 23時44分の記事

昨日の本ブログ「スガ政権のコロナ対策は具体策がない ?」(2021年3月18日)の続きです。

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二回目の緊急事態宣言で新型コロナウイルスの新規確認感染者は減少しましたが、しかしその下げが止まり、さらに宣言期間中であるにも関わらず東京などでは新規確認感染者が増加に転じ、明らかにリバウンドしたわけです。しかし、スガ政権は何を考えたか、感染拡大傾向にあるのに緊急事態宣言を解除するという決断をしたわけです。それでは、普通に緊急事態宣言中のリバウンドした感染拡大の方向性は、宣言解除によって勢いを増していくのは、目に見えています。
世論調査では、首都圏の緊急事態宣言を延長すべき、もしくは延長はやむを得ないという考えは、優に半数を超えているわけです。毎日新聞の調査では延長すべきが57%、FNNの調査では3月21日に宣言解除をできないという数字は73.4%となっています。

「首都圏の緊急事態宣言『延長すべきだ』57% 毎日新聞世論調査」(2021年3月13日 毎日新聞)

「1都3県『21日に緊急事態宣言解除できない』73.4% FNN・産経合同世論調査【2021年3月】」(2021年3月15日 FNN)

であるのに、スガ政権は宣言を解除すると決断したわけで、当然、そのことによって、今後、感染拡大傾向は横ばい以上にはならないと断言したことになります。したがって、感染が拡大すれば当然、多くの人は、宣言解除をするのは無謀なのは明らかであったのに、なぜその無謀をしたのかと政権そのものへの信頼度は一気に低下し、責任問題になっていきます。
感染拡大と犠牲者数は相関関係がありますから、感染が拡大すれば当然、それは犠牲者が増えることを意味します。つまり、感染拡大を容認することは、感染による犠牲者を容認すること、すなわち人の命を奪うことを容認することになるわけです。そして、それが緊急事態宣言解除と言うことによって生じ、拍車がかかるるわけですから、当然、それはスガ政権の責任になっていきます。スガ政権は人殺しと言われても仕方がないの状態になっていくのです。
そして、感染が収束しなければ経済も回らないわけですから、まさに緊急事態宣言解除というのは人命を奪い、経済を失速させる二重の意味での失策ということになるわけです。まったくそこに政治としての責任感がないのです。これは驚くべきことです。
緊急事態宣言解除は、感染が拡大するのですべきではないと国民の多くが考えているときに、宣言解除をするということで、スガ政権にこの責任が生じますが、同時に憲法25条に抵触します。


憲法25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


公衆衛生の向上は日本政府の義務なのです。したがって、緊急事態宣言解除は、明確な感染収束傾向が生じないかぎりしてはならないのです。
上述したようにスガ政権の緊急事態宣言解除は、国民の命に関わっていきますから当然、人権侵害になります。さらに憲法という基本法を無視した今回のスガ政権の暴挙は、法の支配の無視ということになります。つまり、今回の緊急事態宣言を解除するスガ政権の決定は、人権侵害、法の支配無視ということになるわけです。このことは極めて大きなポイントになります。これでオリンピック開催を今年するということは明らか問題になります。世界的にも非常に大きな人権侵害事案と言うことになると考えます。
だから、緊急事態宣言中にリバウンドしていても、宣言は解除してはならなかったのです。もしくは宣言を解除しても感染拡大は絶対に起こしてはならないのです。そして、緊急事態宣言中にリバウンドをしているわけですから、その状態で宣言解除をしては感染拡大に拍車がかかっていくのは必然です。それなら、上記の4つのポイント、国民の信頼、憲法違反、法の支配逸脱と人権の侵害ということが生じて、当然、スガ政権が追い込まれる政局になっていくことは今から当然予想がつくことであるわけです。
スガ政権は何か感染を収束させる秘策があるのでしょうか? 即効性のある秘策はないと考えますが、感染を収束させる方法について少し考えてみましょう。

◎ 感染を収束させる手段は3つしかない
現状、日本に限らず世界で具体的な新型コロナウイルス感染収束対策は3つしかありません。一つはワクチンによって集団免疫を形成することです。もう一つはPCR検査の社会的検査(全員検査)と隔離政策で、これは中国で効果を上げた政策であり、現状、この施策によってワクチンがない状態で中国だけが経済成長を果たしています。この施策とワクチンのミックスが主要施策になると考えます。そして3つ目は、緊急事態宣言など国民の行動制限です。
ワクチン接種については、まだまだはじまったばかりで、他国の後塵を拝しています。日本は極端に長い自民党によるほぼ一党独裁政権によって、ワクチン開発・製造においてほとんど自力での自立性を喪失していて、このことが今回大きく響いています。このことについては本ブログ「ワクチンのお話し その2 ?」(2021年2月23日)などで取り上げました。
PCR検査の社会的検査(全員検査)と隔離政策については、自公政権・政府ともにまったくやる方向性を出していません。そして、残る緊急事態宣言など国民の行動制限。それをスガ政権は解除すると言っているわけですから、当然、感染は拡大します。それは子どもでもわかることです。

「スガ政権のコロナ対策は具体策がない ?」(2021年3月20日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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