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即刻、オリンピック再延期を決定せよ 小田原評定を続けるな (1)
[日本の政治]
2021年7月9日 23時56分の記事

これほどバカげた発言は見たことがありません。厚労相の田村氏は、新型コロナウイルスの感染収束を実現できなかったから、五輪についての当初スローガンである『ウイルスに打ち勝った証の五輪』をやめて、これからは『コロナと闘う五輪』にするとのこと。曰く「アスリートはコロナと闘って東京のフィールドに立ち、競技する。まさにコロナと闘ってきた五輪だ」(7月9日 朝日新聞)。明らかに頭がおかしい。明らかに。

「ウイルスに打ち勝った証し→コロナと闘う五輪に 厚労相」(2021年7月9日 朝日新聞)

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アスリートが東京のフィールドに立つのは、コロナと闘ったからではなく、試合で勝ち抜いてきたから。コロナと闘ってきたのは、世界中どこでも医師や看護師、ワクチンや治療薬の開発者・製造者、そして様々に感染対策をしてきた多くの人びとです。そう言う人びとの努力の上に、アスリートは試合をすることができるわけです。アスリートは新型コロナウイルス感染症対策において、基本的に何の役割も果たしていません。
評価すべきはアスリートではなく、そのような新型コロナウイルス収束に向けてひたすら努力し、人命を守ってきた人々なのです。そして、厚労大臣こそは、その評価を率先して行わなければならないのです。しかし、その厚労大臣が、そんな無名の人びとの献身はお構いなしに、五輪強行開催というただ感染拡大の方向に動き、医療従事者の負担を大いに増やし、人命をリスクに晒している。そして、その愚行を肯定するために、医療従事者を無視して、オリンピアンという華々しい存在のアスリートを主役にして、彼らがコロナと闘っていると評価し、打ち上げる。まさに狂った焦点ずらし。この発想、人間として本当に末期症状です。倫理の奥深さも、人品の高貴さもまったく感じさせない。この言葉を観て、さすがに心の底から怒りの念を覚えます。
この厚労相が言っている事自体が、防疫当局の責任者である厚労大臣が、緊急事態宣言時に五輪強硬開催という前代未聞の失態を犯した最大の責任者である自覚がないことを示しています。ですので、これからは、その失態の責任をしっかりと本人に自覚させなければなりません。まさに、この厚労相の言葉こそに、日本の感染対策の問題点が凝縮されているのです。
以下の記事では、リトアニアからの五輪選手の感染が確認されたとあります。もちろん、この選手がコロナと闘ってオリンピックの本試合に出ると言うことは当然、させませんよね? そんなことをさせるのはコロナと闘うのではなく、単に感染対策を無視して、感染を拡大させるに過ぎないのです。現状では、せっかく日本に来ても、感染していれば、オリンピックに出場できず、病院やホテルなどにいるだけになります。ですから、明らかに、今年のオリンピック開催は問題があり、無理なのです。無理がありすぎるのです。即刻、オリピックの来年への再延期を決定しなくてはならないのです。

「リトアニア五輪選手 合宿先で陽性、空港でも大会関係者3人目の陽性」(2021年7月9日 TBS)

(つづく)

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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