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ジャーナリスト失格
[日本の政治]
2022年6月27日 23時52分の記事

池上彰氏が以下の記事で、新型コロナウイルスワクチンのフェイク・デマ情報について述べています。

・ 『デマの出所は「ロシア」と「中国」だった…!? “新型コロナウイルス”ワクチンのフェイク情報が広がる“知られざるカラクリ”とは』(2022年6月11日 文春オンライン)

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同氏は以下のように記事で述べています。


 こうしたデマの出所として、ロシアと中国が名指しされています。
 2021年4月、欧州連合(EU)は、ロシアと中国の国営メディアが、西側諸国のワクチンに対する不信感を強めるために偽情報を流したという報告書を発表しています。
 自国製のコロナワクチンがあまりに不人気なものだから、アメリカやドイツが製造したワクチンの信頼性を損ない、自国製のワクチンの安全性をアピールする意図があったというのです。



私は新型コロナウイルスのワクチンついて、同氏が取り上げているようなデマについて肯定したことは一切ありませんが、一方で新型コロナウイルスやそのワクチンについては、一般とは違う知見をもっていますし、それが現実と考えています。ただ、ここでは長くなるのでそのことには触れません。
さて、この池上彰氏の主張は、そのようなワクチンに関わるデマは、ロシアと中国が流したと断定しているわけです。
ただ、この主張は当然、現在のロシア・ウクライナ情勢が絡んでいると観るべきです。現状のマスメディアにおけるキャンペーンをはった反ロシア、反中国の論調を見れば、当然にして、その論調の中の一つがこの池上氏の論であるのは容易に想像できます。戦争プロパガンダの一種と言うことです。
池上氏の主張の根拠として挙げている昨年4月の『EUの報告書』も、当然、現在のロシア・ウクライナ情勢が絡んでいると考えるべきです。何度も言いますが、ロシア・ウクライナ情勢の本質は、何年も前からあるNATOの東方拡大に本因があります。英米を中心とするNATOがロシアに対して長らくずっと仕掛けてきた結果なのです。ですから、昨年のこのNATOの報告書も、当然、現在のロシア・ウクライナ情勢が念頭にあると考えるべきなのです。ことが起るはるか前から世論誘導はするのです。特に戦争では。
池上氏は、EUという『権威』が出てくるとその情報を頭から信じてしまってしまうようですが、そこにジャーナリストとしての検証という姿勢は見えません。ここに池上氏のジャーナリスト失格の第一ポイントがあると考えます。
仮にこの池上氏のおっしゃっていることを100%肯定して、ワクチンのデマ情報の出所が中露として考えてみましょう。そうすると、そこに池上氏の問題点が実は浮上するのです。
それは、ファイザーやモデルナなど日本で接種されたワクチンは100%安全と、池上氏は果たして言い切れるのかということです。
そんなことはないでしょう。デマはデマとしても、だからといってワクチンの安全性について、見過ごして良いと言うことではありません。特にジャーナリストならそういうことはしてはいけません。
それなら、同氏は中露のデマ説を言う前に、ワクチンは本当に100%安全と言い切れるのかと、検証をすることを重んじることが、彼のジャーナリストとしての国民に対する姿勢であると考えます。
そのような姿勢を一切見せないで、中露がデマを流しているとだけ主張するのですから、それではジャーナリスト失格の烙印は免れません。
この池上彰氏のロジックでは、ワクチンの副作用を申し立てたり、副作用などを問題視した人が中露の手先と容易に言われてしまいます。これでは悪質な反中露という『ヘイト』の感情を利用した言論弾圧に等しいものになります。これは本当に恐ろしい言論弾圧です。
池上彰氏は、記事で『大切なのは「教養の基礎体力」』と国民に対して説教をご丁寧にたれていますが、まずはその前に、国民のためになる情報を伝えるジャーナリストとしての姿勢を自問すべきであると考えます。
しかし、同氏はワクチンの安全性についての検証を一切せずに、焦点を『中露』にするのですから、明らかにワクチンの問題隠しと、現在のロシア・ウクライナ情勢に絡めていると考えるのが自然なのです。このような報道は、今後、日本が中露とぶつけられるための伏線と考えます。
ワクチンの最大の問題は、自立的な開発・生産能力がなくなっていることです。このことは本ブログ「ワクチンのお話し その2」(2021年2月23日)などで取り上げました。ワクチン開発・生産能力の喪失は、自公政権で行なったもので、それはすでに12年以上前から明らかなことしでした。国民新党ではそのことを大変な問題にしていましたが、そのことを上記ブログで書きました。正しいことを先駆けてやっても、誰も評価しない。それでは国が良くなるはずはありません。
アベ日本最長期政権もまったくワクチン開発・生産能力の自立性の回復には一切動いていません。だから、現状のような惨憺たる状態になるのですが、この自立性の喪失こそ最大の問題であり、グローバリズムの問題なのです。
そして、これと同等なのが、ワクチンの副作用なのです。日本国民の命と健康を考えれば、このことを問題にするのは当然のことです。問題は中露ではないのです。最大の問題点はアベ政権、自公政権にあるのです。
そういうことを言える政治家とジャーナリストが、今の日本にはまったくいないのがやはり問題です。自立性の喪失は今の日本には最大の問題です。食料からして自立性がなく、人口でさえ自立性を喪失しつつあります。だから日本はいずれ存在しなくなると言われるのですが、これがまさに自民党政治の結果なのです。
このような自立性の喪失は、20年以上前から明らかなことでしたが、自民党は何もやってきていません。池上氏のレベルのジャーナリズムが跋扈していては、当然、日本は良くならないでしょう。
これは、6月12日にプーチンが政権から降りると公言してきた筑波大学の中村逸郎のような人物が跋扈していると、日本がまったく良くならないのと同じなのです。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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