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G20、積極財政政策の必要性を明示
[日本の政治]
2016年2月29日 23時55分の記事

2月27日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明文に財政出動の必要性が盛り込まれています。本ブログ「今の時代の意味――次の時代を考える」(2016年2月14日)で、積極財政政策の必要性を書きましたが、G20でも同様の認識があるようです。これを大枠で考えれば、時代の変化と見ますが、その変化について日本ではしっかりとした認識があるでしょうか。

「アングル:政府内に財政拡大の声、G20追い風 子育て支援など焦点」(2016年2月29日 ロイター)

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上記記事では、このG20の結果を追い風にして、積極財政策を打とうという動きがあることが書かれていますが、しかし実相は今までしっかりとこのような政策をしてこなかったので、経済において問題が生じ、慌てて準備をしていると言うことでしょう。アベノミクスに積極財政策は入っていますが、これまでそれは極めて不十分で、一方で金融と非正規雇用拡大など構造改革をやってしまっているので、経済にアンバランスと歪みを生じさせています。その結果が消費の落ち込みやGDPのマイナスになっているわけで、これは当然、暖冬のためではなく失政によるものです。安倍政権で金融関係につぎ込んだお金を財政出動として使っていれば、現状、かなり良い結果を生んでいたことは間違いありません。これまでの3年間、そのための良いチャンスはいくらでもあったのに、それを活用できなかったのは、政権の能力の問題でしょう。
もっと長いスパンで見れば、財政投融資を残し活用していれば、現状のような厳しい経済社会情勢は間違いなくなかったものと考えます。それを廃止してしまい大きな損失を招いているわけですが、現状、世界においては財投のようなものが必要と行っている始末なのです。かつて財投廃止を叫んだ方々の国家・国民に対する罪と責任は極めて重いものと考えます。
本ブログ「今の時代の意味――次の時代を考える」(2016年2月14日)で申し上げたように、富の再分配や消費税などの引き下げが現状必要なのは間違いありません。また財投の復活も考えた方が良いでしょう。さらにGPIFの資金を株に突っ込むのではなく、少子化対策に注ぐのは合理的なものと考えます。年金は若年層で高齢層を支えるシステムですから、将来世代の創出に投資をするのは、本筋の事でしょうし、恐らく安倍政権がGPIFに資金を投入して現状、損失している額より遙かに少ない額で、将来のGPIF運用や経済にプラスの効果をもたらしたはずです。
現状、金融緩和は必要ですが、最大の問題点は人々にお金が回ることです。そのための財政出動です。企業や社会の一部へお金を注いでもあまり意味はないのです。人があっての社会ですから、その人の生活や生命が危うくなってはそもそも社会が成り立ちません。企業や社会の一部にお金を回すよりも遙かに少ない額を国民に回すだけで、社会の安定と向上に繋がるはずです。財政出動をし、再分配や減税などを行って、国民の可処分所得を上げる以外に道はありません。このポイントはデフレにおいても同じで、デフレの最大の問題点はお金の回りが滞ることです。これを解決するためのデフレ脱却でしたが、上述したように現政権がお金の使い方を間違えた故に大きな問題になっているわけです。
今はとにかくお金を国民に配るくらいして、GDPのマイナスや消費支出減少に見られる経済の穴をふさがないといけない状況です。そうしないと今後、極めて大きな社会の問題を間違いなく引き起こすものと考えます。そこまで国民は追い詰められているのです。
このような状況で菅官房長官は財政出動については全く考えていないと述べています。なんと間抜けなことかと思います。どこを見て経済政策を考えているのでしょうか。昨年から続く消費支出の減少やGDPのマイナスを本当に暖冬の為であると考えているのでしょうか?
恐らく、本当は財政出動をしたくともお金がないからではないかと考えます。つまり、間違ったお金の使い方をして既にお金がないと言うことです。このことは、国民へお金を回さなくてはいけない時に、お金がないという非常に問題ある状況が到来することを意味します。現在の政権に対して厳しいチェックをしないと将来的に、この問題ある状況の被害を国民が被ることになります。

「菅官房長官『財政出動は現時点で全く考えず』」(2016年2月29日 産経新聞)

本日の午後8時からBSフジの報道番組で、この財政出動のことが議論されていましたが、非常にレベルが低いものでした。あの程度のコメンテーターしかいないのかと率直に思いました。積極財政策に反対して増税や構造改革を唱える10年前と全く変わらないことを平気で今でも言う「知識人」がいることには、本当に驚きます。新自由主義者で構造改革・規制緩和しか言わない彼らの頭の中は常に時間がストップしているのでしょう。何の進歩もしていません。経済の混乱をつくり出しているのが自分たちであると言うことにまだ気がついていないものと考えます。机上の空論で現状認識が甘く、自分の頭で考え分析が出来ないのだと率直に思います。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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