トランプ政権発足? | |
[日本の政治] | |
2017年1月27日 0時0分の記事 | |
「トランプ政権発足?」の続きです。
セオドア・ルーズベルト 米国の覇権通貨といえば、民間資本・FRBです。覇権通貨国でなくなると言うことは、この100年に及ぶ民間資本・FRBがなくなると言うことです。なくなるか、その存在の形が変わると言うことですが、そうなるとトランプ氏の言う偉大なるアメリカというのは、恐らくFRBができる前ということを意味しているものと考えます。そして、その最後の大統領はセオドア・ルーズベルトです。 就任式を見ていて、トランプ大統領はセオドア・ルーズベルトを意識しているのではないかと考えます。セオドア・ルーズベルトはカウボーイ的な男らしさを前面にという印象が強く、とてもアメリカ的なキャラクターです。特にそのタフさは有名で、銃弾に撃たれながらも演説を行ったなどのエピソードもあり、宇宙飛行士のアームストロングやギャングのデリンジャーとタフさが比べられた米国の番組が先日、放送されてもいました(『ウラ偉人伝』 ディスカバリーチャンネル)。 セオドア・ルーズベルトは資本の独占に対する反トラスト政策を行ったことでも有名で、一方で日露戦争停戦に貢献したことによってノーベル平和賞も受賞してもいます。 そういうセオドア・ルーズベルトとトランプ氏はイメージが重なる部分が多くあるように思います。全く違った部分、例えばセオドア・ルーズベルトが史上最年少で大統領になり、一方でトランプ氏は史上最年長で大統領なっているなどがありますが、持っているキャラクターなどや政策的な方向性で重なる部分があると考えます。むしろ、トランプ陣営はそうのように意識しているものと考えます。軍事に対する姿勢、モンロー主義、また一般市民が正当な分け前を得ることができることを強調した「スクエア・ディール(Square Deal)」という言葉も、トランプ大統領の米国民へのメッセージと重なる部分が多々あるものと考えます。 セオドア・ルーズベルトの「スクエア・ディール(Square Deal)」について、「世界史の窓」というサイトに良い記述がありますので、引用させていただき、まとめたものを以下に書きます。 セオドア・ルーズベルトは1912年の大統領選挙で革新党として立候補、「スクエア・ディール(Square Deal)」で税制改革、大企業の規制強化、婦人投票権・最低賃金制の実現などを綱領に掲げ、『既成二大政党は「腐敗せる特権階級の道具」となり果てている、「腐敗せる実業界と腐敗せる政界との忌わしい同盟の打破こそ今日の政治家の第一の急務である」と宣言した。<ビアード/斉藤眞・有賀貞訳『アメリカ政党史』UP選書 p.130>』(「世界史の窓」)とあるとおり、セオドア・ルーズベルトとトランプ新大統領のメッセージは実は全く同じなのです。これでは日本のメディアもトランプ氏を好意的には報道できないでしょうし、この米国で生じていることの本質は報道できないでしょう。なぜなら、それはまさに批判の対象がTPPの本質であるからです。 もちろん、このような両者の類似性はトランプ大統領と米国が退化しているからではなく、時代を超え、共通のポイントとしてFRB、グローバル資本があるからと考えます。このことが意味することは米国がずっとさいなまれてきた構造がそこにあると言うことです。この米国での構造的問題とともに、トランプ政権がセオドア・ルーズベルトを意識していることが、時を超えての類似性を鮮明に生み出していると考えます。 トランプ政権を理解する上でセオドア・ルーズベルトというポイントは極めて特筆すべきものと考えます。そこにはFRBの前の米国という世界観があるものと現状、考えます。そして、覇権通貨国でなくなり、TPPを拒否した米国の指導者は、必然的にそのポイントに行き着くものと考えます。一方でこれは米国内で通貨戦争があるということですが、このことに関しては拙著『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』(2015年 ビジネス社)で書きました。米国ではこの通貨戦争により歴代の大統領が暗殺されてきましたし、この闘いがもう一度米国で生じているものと考えます。FRBとTPPについては拙著で書きましたのでご高覧頂ければと思います。ご高覧頂ければ、今ここで申し上げていることが鮮明に見えてくると思います。 FRBや米国の通貨戦争については馬渕睦夫さんの『国難の正体――日本が生き残るための「世界史」』(2012年 総和社)から引用をしましたので、こちらもご覧になると世界の現状がよくわかると考えます。大変に良い本です。 いずれにせよ、このことがトランプ氏の演説やトランプ氏に対するメディアなどの対応のポイントになっているものと現状、考えます。 | |
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