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これでは、今後、何も認められない
[日本の政治]
2016年9月1日 22時0分の記事

豊洲新市場のことが話題になっていますが、建設費などが当初の予定より約三倍となっています。額にして990億円から2752億円です。人件費や資材の高騰が原因と言い訳がされていますが、建設の坪単価は220万円でかなり豪勢なものとなっているようです。明らかに公金が良いように扱われている典型のように思います。

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この豊洲新市場の問題は、どこかで見たようなと思われる方も多いのではないかと思います。東京オリンピック関連ですね。新国立競技場の問題はこの典型でした。また東京オリンピックそのものも最終的な予算が当初よりどれだけ多くなるか未だもってわかりません。恐らく豊洲新市場をはるかにしのぐ規模になることは間違いないでしょう。そして、このことによって都民の税金はごっそりと使われるわけです。
最初はコンパクトです、安くなっています、様々なメリットがありますと言って、いざ始めたら最初の予算より3倍、4倍かかります、ですからちゃんと払ってくださいと言われたら、それは待ってくれと普通は言うでしょう。実際、このようなケースは一般的な価値観では「詐欺」と呼びます。これ普通に考えて犯罪です。
当然、払う必要はないはずです。少なくとも4割は引いても良いのではないかと思います。実際、4割が抜かれるのは常識とまで言われていますから、3割引でもしっかりと利益が出るものと考えます。今後はこのような交渉が都によって行われることがあるのでしょうか。少なくてもすべきでしょう。
このような最初安くて、ふたをあけると大変な額になるというこということが頻発すれば、今後、都において大型プロジェクトは何も認められないでしょう。最初に提示された額が明らかにいい加減なもので、3倍、4倍の額で実際は考えなくてはならないのが今や常識となりましたから、そんな高額でプロジェクトを行うことなど認められるものではないでしょう。このような杜撰な仕事が将来を先細りさせるということなのだろうと考えます。
しかし、なぜ、このようなことが起きるのでしょうか? そこには様々な闇があるのかもしれません。普通に考えれば可能性は大です。ただ、それだけではなく、これまでの都知事、都議会のチェック機能、政策立案機能が明らかに劣化、機能不全に陥っているためです。与党の責任は極めて大きなものですが、野党の責任もまた大きいのです。
国政で野党第一党の党首選候補者が、批判ばかりではなく対案を出す政党になると頓珍漢なことを言っていますが、そもそも与党の政策・政治を精査して問題点をあぶり出すことができない野党に、建設的な対案など出すことはできないでしょう。そもそも野党は政策実現能力がありません。実際、今やそのようなチェックや政策の精査を国政においてこの野党第一党ができているなどと考える人は非常に少ないと考えます。実際、何もやっていません。この対案という言葉は単なる妥協や談合を隠しているだけのものと考えます。消費税の三党合意のようなものです。この候補者の言葉を見て、まだ政治を遊び感覚でやっているのだなと率直に思います。
話を元に戻すと、この都政の問題、実際に都政だけの特別なものではないと考えます。上述したように国政においても、また残る46道府県でも同じではないかと考えます。そして、その結果、政治や国民の税金が良いように扱われ、政治はどんどん国民から離れた曲がったものになっているのが今の日本の風景のように考えます。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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