連立方程式が解けない政権の常套手段 | |
[日本の政治] | |
2016年9月8日 22時26分の記事 | |
9月1日に財務省が発表した2016年4−6月期の法人企業統計で、全産業の経常利益が前年同期比マイナス10%、売上高もマイナス3.5%で三期連続のマイナスを記録しています。1年で1割の経常利益マイナスというのはかなりの数字です。日本経済はかなり滅茶苦茶な状況になっています。安倍政権の経済政策は全く功を奏していません。明らかな経済政策の失敗です。 設備投資は3.1%増」(2016年9月1日 日本経済新聞)
非正規雇用問題は改善されずに悪い状況のまま、一方で当然の帰結として消費が落ち込んでいることが上記財務省の統計や様々な指標で明らかです。政権は改善すると口では言っていますが、全くその気配がなく、状況を悪化させることを良しとしているようです。本当は経済政策などやるつもりがないのではないかと思います。 企業の収益は落ち込み、経済は冷え込み、GPIF問題では損失を出し、国民の資産を預かっている郵政は状況が悪化しています。驚くほど悪い状況です。そして、これは明らかな政権の経済政策の失敗です。 これまで金融緩和をして、円は一時安くなりましたが為替においては今や円高になっていますからかなりのアドバンテージです。また原油も安くなっていますから二重のアドバンテージです。この状況があるのに経済に反映されていないのは、明らかに金融緩和や積極財政政策で効果ある施策をしていなかったと言うことです。GPIFのように、そしてGPIFよりはるかに巨額の消えたお金、損失したお金が存在することを物語っています。このことはいずれ表面化するでしょう。 また、富の偏在もさらに進行しているものと考えます。日本と日本人のために経済政策を行っていないのが、安倍政権の本質と考えます。 安倍政権は、常々、「道半ば」と言うのですが、現状のこれが道半ばなら将来は大変なことになることは容易に想像できます。日本経済の体力は政権の失策により大いに弱まっていますが、このことはこれから目に見えて出てくるものと考えます。既に、技術力などについて日本にアドバンテージがあると考えるのは過去のことになっているものと考えます。しかし、一方で現状、あまい楽観論が支配しています。このことが政権への支持率の背景に間違いなくあるでしょう。 また、株価もかなりいびつな動きをしています。今後、どこかで一気にそのいびつなものが精算される局面がくるでしょう。安倍政権のこれまでの政策のツケがいよいよこれから噴出する可能性は極めて大きいでしょう。この政権の経済政策には将来性があるとはとても考えられません。 安倍首相は最近、外交舞台での姿が目立ちます。中国に言うべきことを言ったと声を荒げているのですが、それでは誰がこの経済政策の失敗やGPIFの損失にものを言ってくれるのだろうかと考えてしまうのが、今の日本でしょう。 明らかに内政の失敗を外交において隠しているというのが、本質ではないかと考えます。 北朝鮮のミサイル発射について政権は強く非難しています。ただ、北朝鮮のミサイル技術は向上しており、軍事的に対処できる範疇を超えている可能性は非常に大きいものと考えます。それならば、明らかに外交的な解決を考えなければならない状況であるのは間違いありません。 しかし、そうであるのに、メディアでは首相は中国にものを言ったと意気揚々な報道ぶりですが、明らかに東アジアの情勢において矛盾した対応になっています。中国との関係を考える必要があるということですが、一方で政権は北朝鮮の問題を軽視しているということでもあります。筋の通った方針で対応しているようには全く見えません。 個別事象ではもっともな対応に見えるのですが、それが複数事象、全体としての整合性となると矛盾していたり、おかしいということが安倍政権にはよく見られます。今回の件もその一例でしょう。連立方程式が解けない政権なのですが、これは冒頭の経済政策についてもまた同じなのです。だからこそ、やればやるほど矛盾だらけになるのです。そのことを放置できる時間はかなり少なくなっています。 | |
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