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トランプ政権発足?
[日本の政治]
2017年1月25日 13時57分の記事

トランプ米国大統領の就任式が日本時間の1月21日未明に行われ、その時以降、日本のメディアにおいてのトランプ新政権に関しての報道は、米国第一主義(アメリカファースト)ということが、これでもかと焦点が当てられています。本当にこのことがポイントなのか、そのように疑問を持ちます。同時にこの就任式については米国内での分裂・混乱・暴動や世界各地での反トランプ・デモがクローズアップされ、トランプ新大統領の人気のなさや問題性が強調されています。しかし、それが本当に正しいのか? そう、やはり思います。

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トランプ大統領に関しては色々と問題もあると考えますし、今後、どのようになっていくか色々な意味での不安定要素があります。まだまだ不確定要素があるわけです。しかし、これは同時に、まだ発足して間もない状況では政権の本質がどのようなものかもわからないということでもあります。したがって、報道において現段階で問題性をことさらに強調するのはやはり時期尚早であり、偏向報道と言えるものと考えます。そして、この偏向報道が実は、現在の日本での政治に対する報道姿勢を逆に浮き彫りにしているものと考えます。
いずれにせよ、トランプ新大統領就任に関する全ての番組は観ていませんが、ほぼ日本のメディアの解説は壊滅状態というレベルと考えます。よくこんなものを出せるなと思うレベルです。実にお気楽なものです。
一方で、ワシントンDCにて就任式前後に生じた暴動、特にバンク・オブ・アメリカやスターバックスの店舗を破壊している人々の姿や運動のスタイルは、非常にISと似ています。そう感じた人はかなりいると思います。実はこのような類似性が浮上する現実性は十分にあるものと考えます。この潜在的にありうる現実性も現状、やはりポイントでしょう。
このようなことも含めて、トランプ新政権の最初を様々考えてみたいと思います。本日から7日間(7回)に渡って、トランプ氏とセオドア・ルーズベルトとの共通点(3回目)などを書いていきます。まずは就任演説でのポイントです。

就任演説でのポイント
トランプ新大統領の就任演説を聞いて最初に私が思ったことは、アメリカ第一ということではありません。確かにその言葉は踊っていますが、そこにポイントがあるとはどうしても思えません。むしろ、ポイントはそのことをアメリカが言ったと言うことです。
演説を聞いて最初に思ったことは、米国はもはや覇権通貨国ではないと言うことです。基軸通貨国とか覇権通貨国というのはやはり特別な存在です。印刷機を回して紙幣を刷れば、世界で何でも買えます。エネルギー資源である原油はドルでなければ買えないということなら、その覇権通貨国の存在はやはり非常に特別なのです。つまり第二次大戦後及び1970年代以降の米国はそもそもファースト(第一)なのです。そしてこのことと共に米軍の世界展開があり、米国をスーパーパワーにしていたわけです。必然、米国はこの覇権通貨国として莫大なメリットを享受してきたわけです。
しかし、もはや米国はそうではない、即ち通貨覇権国ではなく特別な存在ではないから国益を優先させてほしいというように私には聞こえました。演説では以下のように言っています。

世界の国々と友好的な善意の関係を築きますが、すべての国には自国の利益を優先させる権利があることを理解した上で、そうします。私たちは自分たちの生き方をすべての人に押し付けることはしませんが、模範として輝やかせたいと思っています。私たちはすべての人が追随するような輝きを放つでしょう。(「【全文】トランプ大統領就任演説『今日、この日から、アメリカ第一のみ』」(2017年1月21日 The Huffington Post)

「すべての国には自国の利益を優先させる権利がある」からアメリカ第一にするということなのです。つまり、他の全ての国と立場はもはや同じだから、自国の利益を優先させてほしいと言っているわけです。そこには既に覇権通貨国としての特別な地位はないと言うことです。このことはこれからではなく、既に起きているからこそ、このような論理が正当性を持ちうるのです。そして、このことはトランプ現象ではなく、オバマ時代から既に始まっていた世界の変化なのです。その中に現在の中東やアジア、欧州の問題があるのです。頓挫したTPPも既に1年半前からその趨勢は予測できたことなのです。このことは『ザ・フナイ 2017年3月号』で詳しく書きました。
そして、これを世界の模範にしたいと言っているわけですが、これは保護主義でも何でもありません。この世界観がこの演説では最初から最後まで貫徹していますし、この世界観こそが新しい時代の価値観なのです。演説の文言だけをみるなら新しい時代の価値観を実ははっきりと言っているのです。
トランプ政権の全貌はまだわかりません。したがって、今後、どのようになるかもわかりません。しかし、この就任演説を見る限り、このことがまず最初にあげられるポイントと考えます。そして、この新しい時代のポイントは、日本では全く醸成されていない思想です。この世界とのギャップがこれから大きな問題となって浮上するものと考えます。
私が一体何を言おうとしているかおわかりにならないかもしれません。新しい時代の価値観とは『ザ・フナイ』の連載で1年半以上ずっと書いてきたことです。その価値観を本稿でもじっくり最後まで読んでいただければ、一端はおわかり頂けると思います。
いずれにせよ、最大の変化は米国第一主義ではなく、それを言わざるを得ない、もしくは言っても良くなった米国の状態こそがポイントなのです。しかし、日本ではこれまで通りの米国で米国第一主義というとらえ方ですし、米国がどこへいくかわからないという意見が多くあります。しかし、米国は特別な超大国から普通の超大国になったということなのです。それはほぼ間違いがなく、そうはっきりとこの就任演説は語っています。しかし、特別ではなくなったとしても依然として米国は今後、スーパーパワーではありつづけます。そして、この米国の新しい要素が世界を新たに彩っていくのです。

「トランプ政権発足?」へ続く。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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