日経の良い記事 | |
[日本の政治] | |
2017年2月6日 21時27分の記事 | |
厚生労働省が2月6日に発表した2016年の毎月勤労統計調査(速報値)で、実質賃金が0.7%増え、一方で物価は下落していると報道されています。 「16年の実質賃金5年ぶり増 プラス0.7%、物価下落が影響」(2017年2月6日 日本経済新聞)
実質賃金は、民主党政権時の2011年からずっと下落し、安倍政権になってからの3年でさらに落ち込んでんいるので、2016年は2015年よりも上昇しているとは言え、まだまだプラスに転じたと言えるほどの状況ではありません。2015年はこの10年で最低を記録しています。 2016年、実質賃金がプラスになっているとは言え、実際には民主党政権時より明らかに劣っているというのが現状です。さらに、民主党政権時代よりも税・社会保障費負担が増加しているので、可処分所得は明らかに落ち込み、それは明らかに消費の落ち込みを招きますから、経済は活性化しません。現状は、実に民主党政権時よりも構造的にも劣っている状態というのは明らかでしょう。そういう中で、株価だけが高く止まっているという異常な状態で、それは大量の公的資金が株式市場に流れているためです。国などから株式市場にはお金が流れ、国民にはお金が流れていないというのが、安倍政権のこの4年間で作り上げられた状況です。明らかに公正ではなくおかしな状態で、問題を悪化させる状況を助長しています。 物価が下がるのが原油安と解説しているところが多いのですが、基本的に原油はコストなので、むしろ原油安は歓迎すべきことです。むしろ、今回の賃金の上昇は、そのコストが落ちたことによって賃金に対する余裕が出たと言った方が正解と考えます。政策的に賃金上昇はいまだ生じていないものと考えます。 上記の日経の記事は良いものです。そう評価したのは、この記事において、今回の賃金上昇の先行きに対して楽観視していないからです。賃金が上がる構造的要因が安倍政権によって作られていませんから、その見方はやはり正しく、普通に考えて可処分所得が低いのに、景気が上向き、賃金を上げていくという好循環ができないと考えるのは自然なことです。記事には「実質賃金の力強い回復がなければ、消費を起点として生産増→所得増→支出増→生産増→……と巡る自律的な景気拡大の展望も描きにくい」(同上)という実に当たり前のことが言われています。しかし、これまでこのような事が言われることはなかったと思います。実にこのことが日本において大きな問題の一つなのです。 このような記事が出始めると将来への楽観が、少なからず現れます。それは現実の問題点をしっかりと社会の人々が踏まえていなければ、確実に将来、社会に大きな問題が発生するからです。だから問題点は隠してはならないのです。長所はしっかりと評価すべきだが、最近のマスコミの記事は提灯記事ばかりなので、長所を評価するより重要な問題を隠すために書かれている記事が多いと考えます。それは政権にとってプラスにならないからです。 しかし、それでは日本と国民のためにはなりません。提灯記事を書くのは、保身という自分のためであって、国家・国民のためではありません。そういうのを本当の意味で反日というのなら、間違いなく反日でしょう。社会の崩壊は外部要因ではなく内部崩壊で生じるのが、歴史の常です。まさに昨今、この内部崩壊を起こしているのが日本の本当の姿だろう考えます。そういう意味で、この日経の記事を読んで一縷の望みを見ました。まだまだ経済は大変ですが……。 | |
このブログへのチップ 0pts. [チップとは] [このブログのチップを見る] [チップをあげる] |
このブログの評価 ★★★★★ [このブログの評価を見る] [この記事を評価する] |
◆この記事へのコメント | |
コメントはありません。 | |
◆この記事へのトラックバック | |
トラックバックはありません。 トラックバックURL https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/375088 |