即刻、オリンピック再延期を決定せよ 小田原評定を続けるな (4) | |
[日本の政治] | |
2021年7月12日 23時57分の記事 | |
この1年半の新型コロナウイルスについての最大の論点は、感染対策と経済の両立でした。しかし、この論点設定はそもそも間違っているのです。コロナ禍にあって、最優先のポイントは、感染対策です。それ以外にはありません。もちろん、これは経済を無視しろ、犠牲にしろということではありません。 冷静に考えてみてください。そもそも新型コロナウイルス感染拡大で経済がマイナスの影響を受けているのですから、その原因の元を絶たない限り、経済の復調なんぞはあり得ないことは、子どもでもわかることです。すなわち、感染の収束なくして経済は成り立たないということなのです。ですから、優先順位はあくまでも感染対策が最優先。その逆はあり得ないのです。 であるのに、感染対策と経済の両立という形で、この二つが並列になってしまい、感染対策が中途半端、不十分になり、必然、感染が収まらず、その結果、経済・社会活動の正常化は遠のき、経済は復調なんぞしないということなったわけです。つまり、感染対策と経済の両立を叫んで、結局、そのどちらも両立しないという皮肉な状況になったのが、この1年の実相なのです。そして、そのなれの果てが、現状の感染爆発・緊急事態宣言時のオリンピック強行開催と言うことなのです。
以下の読売新聞の世論調査では政権不支持率が半数を超えて53%。もはや末期的です。この記事ではその高い不支持率の理由を「政府の新型コロナウイルス対策や五輪対応への不満があるとみられる」とあります。つまり、上述したこれまでのなれの果てとしての不完全な感染対策とオリンピックの強行開催が、このような数字となっているということなのです。これはアベ・スガ自公政権の完全な失政のなれの果てであって、この世論調査の結果は当たり前なのです。普通に考えて、現状、政権にとって、オリンピックの再延期しか生き残るための選択肢はありません。 「菅内閣の支持率37%、不支持は過去最高の53%…読売世論調査」(2021年7月12日 読売新聞) コロナ禍の最大の問題は、言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大ですから、それを押さえるほかないのです。放っておけば米国のように62万人という途方もない数の犠牲者がでるわけです。日本でも1万4千人以上、決して少くない数字です。著名人では志村けんさん、岡江久美子さん、神田川俊郎さん、政治家では羽田雄一郎さん、評論家では岡本行夫さんなど、多くの方々が命を落とされています。新型コロナウイルス感染症は、伝染病ですから感染防止対策をしなければ感染者は、ねずみ算的に爆発的に激増していきます。そうなれば、必然、被害は比例して激増していくわけです。 もちろん、このような状態で、経済が回るはずはありません。ですから、新型コロナウイルス感染収束へのアプローチをして、収束傾向をつくり出すしか社会・経済活動の正常化をもたらす方策はありえないのです。 しかし、感染対策と経済の両立という論点設定は、一見もっともそうに見えて、実は新型コロナウイルス感染拡大のそのものへの根本的なアプローチという論点をずらし、感染対策と経済という二律背反の対立概念として、感染対策が経済を阻害するものということにしてしまったわけです。これでは、当然、経済を阻害するとされる感染対策は疎かになり、感染は拡大、必然の結果として経済・社会活動が正常化しないという悪循環となっていくわけです。経済を阻害しているのは、あくまでも新型コロナウイルスという当たり前のことが、実はこの論点設定でまったく見えなくなってしまったのです。この1年、日本はこれをずっとやってきたわけです。驚くべきことに。 こういうところにGOTOトラベル・イートがあるあわけです。その結果、どうなったか? 当然、感染は収束しないという当たり前の結果になったわけです。ここが中国・台湾との違いとなり、必然、経済もプラスとなった中国・台湾と比較して、日本はまったくのマイナスになったわけです。当たり前の結果。 そしてスガ自公政権は、今になって緊急事態宣言下でのオリンピック強行開催という暴挙に出る一方、大問題となっている強権的な西村発言ということにならざるを得なくなっているわけです。要するに感染が収束しないことで社会・経済活動の正常化が阻まれている現状へのスガ自公政権の明らかな焦りが出ているわけです。そして、政権への不支持率が53%という末期的な症状を呈している。明らかな政権の自滅ですが、これは国家の問題なので、この政権の自滅は、わが国にとって途方もないマイナスなのです。それをスガ自公政権がつくり出していると言うことなのです。 「即刻、オリンピック再延期を決定せよ 小田原評定を続けるな (5)」(2021年7月13日)へ続く。 | |
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