パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その17 | |||||||
[日本の政治] | |||||||
2023年11月7日 19時20分の記事 | |||||||
本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その16』(2023年11月5日)の続きです。
以下の11月6日のCNNでは、ローマ法王フランシスコが『パレスチナとイスラエルでの深刻な状況における武器の使用をやめてください』というメッセージをX(旧ツィッター)で出していることを報じています。記事は以下のように短いものです。
このCNNの記事では『イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの戦い』と表現してますが、法王フランシスコは『パレスチナとイスラエルの深刻な状況』と表現しています。明らかにCNNの表現は正確ではありません。 実際、イスラエルは、『ハマスを攻撃する』と言って強力で圧倒的な軍事力をもってパレスチナの民間人を無差別に攻撃し、なぶり殺しにしています。こういう現実を『イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとの戦い』という表現は歪曲し、人々に現実を見えなくさせています。そして、法王フランシスコはそのような表現は使っていません。 法王フランシスコはX(旧ツィッター)で以下のようにメッセージを出しています。
法王フランシスコがパレスチナとイスラエルの和平を積極的に進めていることを、ザ・フナイでの連載第一回目(2015年10月号)から書いています。同誌2016年1月号では以下のように書きました。
バチカンはパレスチナを国家として承認しています。 日本は承認していませんが、2016年2月、上皇陛下(当時の天皇陛下)は訪日したアッバース・パレスチナ大統領と会見をされています。また、2019年10月22日に行なわれた今上陛下の即位礼正殿の儀に、アッバース・パレスチナ大統領は招かれ、参列されています。 ・ 『アッバース・パレスチナ大統領の訪日 』(2016年2月8日 外務省) ・ 『陛下、アッバス議長と会見 中東和平「多くの人願う」 』(2016年2月15日 千葉日報) ・ 『天皇陛下 アッバス議長と面会…中東和平「世界の人願う」 』(2016年2月15日 毎日新聞) ザ・フナイの連載第一回目(2015年10月号)では法王フランシスコとパレスチナ・イスラエルについて以下のように書きました。ちょっと長いですが、法王フランシスコは包括的に世界平和の実現の推進を行なってきましたので、パレスチナ・イスラエル関係以外のことも一緒に載せておきます。
2013年に法王フランシスコが即位していなかったら世界は大変な事になっていたと常に思っています。そして、それと同じことは上皇陛下の御存在についても思っています。 実は上記の文の直前には、以下のように書いています。
このとき、シリア危機がエスカレートしなかったのは、この法王フランシスコの平和の書簡と、ロシアの黒海艦隊がポイントなるのです(黒海艦隊については本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その7 』(2023年)で書きました)。そして、米国(オバマ政権、バイデンはウクライナ担当の副大統領)とイスラエルの動きが止まったわけです。 しかし、この時のことが、その後のウクライナのヤヌコビッチ親露政権転覆(2014年2月)とロシア・ウクライナ情勢に繋がっていくのです。英米とイスラエルにとっての障害をとりのくためです。本ページ右のオリバー・ストーンの映画『ウクライナ・オン・ファイアー』は、現在のバイデン政権で国務次官をしているヌーランドとこのウクライナでの政権転覆劇との関わりを言っているのです。 その障害とは黒海艦隊ですが、ロシア・ウクライナ情勢は中東情勢・中東大戦(第三次世界大戦)に直結する問題なのです。そして、このために、ドイツのメルケル首相などによってなされたミンスク2合意(2015年2月11日)があるのです。この合意では英米が外されましたが(当然)、そこには2013年9月のシリア危機における中東大戦(第三次世界大戦)にロシア・ウクライナ情勢が直結しているという『ひとつの戦争』という認識があるのです。だからこその『ミンスク合意』。 そして、だからこそこの合意締結直後にこの合意をリードしたメルケルの行動について、ザ・フナイ2017年12月号では以下のように書きました。尚、以下の文の冒頭の『二〇一四年』というのは間違いで『二〇一五年』です。
すべては中東大戦を含めた第三次世界大戦の抑止にポイントがあります(第三次世界大戦が起こされる理由もちゃんとあります)。その起点が2013年9月のシリア危機なのです。そして、現在はこの2013年9月のシリア危機とまったく同じ状況になっているのです。2013年のシリア危機からロシア・ウクライナ情勢に至って、ロシアの黒海艦隊が動けなくなって現在に至るのです。ですので、現状は第三次世界大戦の危険性が極めて高まっています。 このような中、法王フランシスコはイラン、パレスチナなどとの対話を行ない、また平和のメッセージを出しています。12月にはドバイに訪問するとあります。 ・ 『教皇、イラン大統領と電話で会談 』(2023年11月6日 バチカン・ニュース) ・ 『教皇「子どもたちの未来を奪わないように」中東や他の紛争地域に 』(2023年11月5日 バチカン・ニュース) ・ 『教皇、パレスチナのアッバス大統領と電話会談 』(2023年11月3日 バチカン・ニュース) ・ 『教皇、12月にドバイ訪問、COP28を機会に 』(2023年11月3日 バチカン・ニュース) (つづく) | |||||||
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