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トランプ報道の珍説様々
[日本の政治]
2016年11月10日 23時45分の記事

先ほど(11月10日)、テレビ朝日の『報道ステーション』を観ていましたが、かなりの珍説が飛び交っていたように思います。

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まず、トランプ氏の経済政策顧問のウィルバー・ロス氏のインタビューがありましたが、ほとんど内容はないものでした。トランプ氏が現実主義者で、いざ就任したらどうなるかわからない、と述べる人は結構います。ただ、本当にそうなのでしょうか? トランプ氏やトランプ氏に近い人の言葉は昨日から非常にトーンが穏やかです。しかし、それは当然なのです。今回の選挙で米国における分裂の溝はこれまでになかったほどです。新大統領が選出された翌日に反対デモが起こるようなことは今まではありませんでした。それほど深刻で、なおかつこの1年を見ても人種問題も激化しています。
この米国を背負うのがトランプ氏なのですから、分裂の方向や過激な言動を抑え、不安を沈静化させ、信用と安定をつくり出そうとしているのは当然です。しかし、だからといってトランプ氏がその言ってきた公約を反故にすることを考えているとは思えません。そのようなことをすれば、どう考えても政治的に収拾がつかなくなるのは火を見るより明らかなことです。したがってそのようなことを他のどんな国内外の利益をちらつかされてもするはずはありません。そのような観点で動くのは日本の政治家だけです。

今朝まで、この期に及んでもオバマ政権時に米国でTPP承認ということを期待している発言がありましたが、そんなことをすれば、オバマ大統領が米国を分裂させ、混乱させることになるのは100%確実なことです。そんなこと米国のためにもなりませんし、オバマ大統領がやるはずがありません。非常に子供じみた考えです。結局、友人である米国のことを考えている親米派というのは本当に少ないなと思います。本日、TPP法案を衆議院通過させたのも同盟国米国を考えないそんな淡い期待からでしょう。
トランプ氏が10年で500兆円規模の減税と100兆円規模の公共投資を行うと報道されていました。これを普通に考えれば、トランプ氏は米国の経済を立て直すためのこのプランを練っているのは明らかなことです。そして、そのような考えてであるのに、政府調達の自由化をうたうTPPをトランプ氏がやると考えるのはかなり無理があるのではないでしょうか? その他にもTPPには沢山問題があるわけです。そして米国内でも支持されていないわけです。トランプ氏にとってあくまでも不安を沈静化させ、信用と安定をつくり出すことが現状、必要であり、今後彼が進める政策をやるためには、今はそうすることが必要ということでしかないのです。彼の立場になればそう考えるのは当然であるとわかるはずではないかと思います。
番組では、トランプがインド、ロシアと中国包囲網を形成すると米国をよく知る映画評論家の方が言っていましたが、そのようなことはあり得ないと考えます。理由は簡単でそのようなことはインドとロシアの国益に反するからです。むしろ心配すべきは、その米国、インド、ロシアの繋がりの中に中国が入ると簡単に日本包囲網になると言うことです。その危険性が一番高いと現状、考えています。少なくともこれは安倍政権下の日本では想定すべきことです。
米国をよく知る映画評論家の方の米国分析は傾聴に値するかもしれませんが、それ以外、以上のことはかなり暴論ではないかと考えます。
それから番組では、「日本は貿易立国」ということを証券会社の方がまじめに話されていましたが、これはかなりの問題発言です。基本的に日本は米国と同様内需立国です。内需が栄えるから輸出する力が出るわけで、貿易が本当の柱ではありません。日本の柱は日本国民の生活と消費なのです。これが崩れれば、日本は確実に衰退し、輸出をする実力が失われていきます。まさに現在の消費が低迷し、一方で名だたる家電メーカーや重電メーカーが撃沈しているのは必然的な結果なのです。安倍政権はこの状況に対してなにもやってこなかったのではなく、この状況を招いた政策を行ってきました。
いずれにせよ、内需立国である米国は上記のような減税と公共事業をするのは非常に効果があります。日本は増税ばかりをし、労働環境は悪化、賃金は全く上がらない、というより下がっていて、あとは政府によって日本人のお金が株式市場などに支出されてしまって国内を回っていません。その上、インフレ政策を政府がしているのですから、当然、国民の可処分所得は激減し、不況になるわけです。こういう状況を改善させるのが日本同様内需立国である米国でのトランプ氏が考えるプランなのです。しかし、そのようなプランを持っている人が、外にお金が逃げてしまうTPPをすることにメリットを見いだすはずはまずありません。普通に考えてわかりきった話です。そして、日本の現状の本当に問題点も普通にわかるはずです。
日本ではアベノミクスなるもので財政出動と金融緩和をしましたが、内需振興政策はせず、労働環境を悪化さえ、非正規雇用者を制度的に増やし、増税のオンパレード、そしてTPPを断固推進してきたわけです。これで経済が良くなると考える方がおかしいわけで、日本の頓珍漢な政治経済感覚では、トランプ氏はTPPにそれでも参加すると日本政府やテレビのように考えるかもしれませんが、常識的に考えればそれはあり得ないのは当たり前のことなのです。
今回の報道ステーションはかなり頓珍漢な内容であったと思います。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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