アベノミクスの果実 | |
[日本の政治] | |
2016年6月11日 23時56分の記事 | |
1週間ほど前、東京新聞で企業の内部留保が最高を更新し、一方で給与は増えないという記事が載りました。とても良い記事です。 「膨らむ内部留保 増えない給与 366兆円 最高更新」(2016年6月5日 東京新聞)
この記事に掲載されている内部留保と従業員への給与のグラフを見ると2012年12月の第二次安倍政権発足から、内部留保が非常に上昇している一方で、給与は横ばいです。内部留保はただ貯められるだけで、一方で給与が伸びなければ、消費は伸びません。そのような状況で消費税が増税されたわけですから、どうやっても個人消費が伸びるわけがないわけです。実態は伸びるどころか落ち込む一方であるわけです。したがって、消費や景気に関する様々な指標が伸び悩むか、落ち込むのは当然といえば当然なのです。 「街角景気、2カ月連続悪化=「弱さ」据え置き−5月」(2016年6月8日 時事通信) このような状況で安倍首相が、なんと、なかなか伸びない個人消費と日本経済の活性化の方策を悩んでいるという状況なのです。以下の記事のように、自民党の谷垣幹事長が「個人消費がなかなか伸びない、どうやったら本当の意味での日本経済の活性化ができるか、安倍総理は悩んでいる」(2016年)と述べいるのが報道されています。実のところ、現政権で経済政策は既に機能していないものと考えます。ただ、政権から出されるのは「聞こえの良い広告的政策」だけであると考えます。既に実相は迷走しています。 そして、上記東京新聞の記事での内部留保と伸びない給与のグラフは、何よりもこの数年のアベノミクスの果実なのであり、これがその実相なのであると考えます。この果実故に、個人消費が伸びないそんな日本ができあがったわけです。増える内部留保、上がらない給与。貧富の格差は確実に広がり、そして、当然のように消費は落ち込む。そして、明らかに政策的な新しい方向性が必要な状況であるわけです。 「自民・谷垣幹事長、参院選の争点は経済政策と強調」(2016年) 現在のこの内部留保と給与の状況は、はっきり言えば今や「貧富の格差」と表現すべきでしょう。高度成長、80年代、90年代前半と日本経済が絶好調であったころ、企業への日本の社会の信頼は大きく、企業あっての日本という考えがありました。しかし、それは実のところ幻想で、企業は資本の論理で動くわけで、人々のため、社会のために動くわけではありません。それに日本の経済が好調であった本当の原因は企業ではなく、当時の日本人の努力の結晶であったわけです。したがって、実相は企業あっての日本ではなく、日本人あっての企業というのが何もよりも厳然とした事実でしょう。 もう企業あっての日本だから、労働者は我慢しなくてはいけないとうような感覚や考えは捨てるべきでしょう。それは明らかに社会的にフェアな考えではないでしょう。労働者も当然の報酬を受け取るべきでしょうし、社会的に、政治的にこのことはしっかりと保証すべきでしょう。 もうこれ以上、この貧富の格差を温存すると日本社会は確実に崩壊していくでしょう。今やこのことは何よりも真剣に考えなくてはならないことであると考えます。全く新しい政策的な方向性が必要なのです。 | |
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